ふとんの買い替え時期っていつ?目安になるチェック項目や寿命の見分け方、お手入れ方法も解説!
掛け寝具や敷き寝具、枕などは、いつ買い替えれば良いのでしょう。
寝具のもともとの品質やお手入れの仕方、使用する方の体質や環境よって寿命は変わってきますが、衛生面から考えると、羽毛ふとんは10~15年、掛けふとんは5~10年、敷きふとんは3~5年が一般的といわれています。
買い替えのタイミングがわからずにふとんのヘタリや傷みが進んでくると、身体をきちんと支えられず「朝起きたときに、痛みや違和感がある」「眠りが浅くなった気がする・・」などの支障が出ることもあります。
このコラムではふとんの買い替え目安や寿命の見極め方、長持ちさせるためのお手入れ方法などをご紹介していきます。 |
【素材別】ふとんの買い替えのタイミングふとんの買い替えのタイミングは使われている中の素材によっても変わります。 使用している方の体質や汗の量、寝室や収納状況により異なりますが、一般的にタイミングといわれている目安をご紹介していきます。
掛けふとん【羽毛】羽毛掛けふとんはダウン50%以上が中身に充填されているものを指します。 保湿力に優れ、吸湿発散性にも富んだ羽毛ふとんは、今やどのお宅にも1枚はあるであろう生活の中に欠かせないものになってきました。 一般的な寿命は羽毛掛けふとんで10〜15年といわれています。
【綿】綿ふとんは、保温性や吸湿性に優れていることが特徴です。 天日干しをすることによって、湿気が放湿され、ふっくらとよみがえります。 綿は吸湿性に優れているものの放湿性が徐々に薄れていくため、使用するにつれて弾力性が低下したり、カビが発生したりすることがあります。 綿ふとんの寿命は、原産地や製法によっても異なりますが、掛けふとんの場合は約5年といわれています。
【ウール(羊毛)】ウール(羊毛)ふとんは、弾力性や発散性、保湿性に優れたふとんです。 ウールは、独特のクリンプ性をもっており、これが優れた弾力性などを作り出しています。 また、動物性の素材なので他のふとんに比べると乾きやすいことがメリットです。 ウール(羊毛)ふとんの寿命は、使用状況によっても異なりますが、掛けふとんは約5〜7年が目安です。
【ポリエステル】 ポリエステルふとんは、軽くてあたたかく、保温性も高いことが特徴です。 また、ホコリや臭いなどの心配もあまりなく、手軽に洗濯できるものも多いので清潔に使用できます。 ポリエステルふとんの寿命の目安は、掛けふとんの場合は約3〜5年とされています。
敷きふとん【羽毛・羽根】 今ではあまり見かけなくなりましたが、敷きふとんにも羽根や羽毛が使用されているものもあります。 羽毛や羽根は保温性や吸湿発散性に優れている素材ですが、敷きふとんは身体の重さや汗を吸収する量が掛けふとんに比べて多いので寿命とされる年数も短くなります。 敷きふとんの場合は約3年といわれています。
【綿ふとん】 綿ふとんの利点は、保温性と吸湿性にあります。綿の繊維構造は中空になっており、天然のよじれを擁しています。 その構造から、適度な硬さや弾力性を実現していますが、敷きふとんとして使用すると体重の掛かり方や汗の量によって湿気を発散するスピードが吸収するスピードに負けてしまい、寿命としては約3年といわれています。
【ウール(羊毛)】ウール(羊毛)は、軽量で弾力性に優れた素材で、吸放湿性や保温性も高く、へたりにくい特徴がありますが、1度ヘタると戻りにくくなってしまうため特に敷きふとんの場合は注意が必要です。 ウール(羊毛)ふとんの寿命は、使用している状況によっても異なりますが、敷きふとんは約4〜5年が目安です。
【ポリエステル】ポリエステルは、軽量でほこりが出づらい素材です。 防ダニ、防臭、消臭、抗菌、吸湿発熱などの機能を擁した敷きふとんもあり、機能性の高さが魅力の素材ですが、ポリエステル(合成繊維)ふとんの寿命の目安は、敷きふとんの場合約2~3年とされています。
【ウレタン】 ウレタンふとんは、雑菌やダニなどの繁殖がされにくく、長く使用できることが特徴です。 穴あきタイプ、プロファイルタイプ、特殊形状などの寝心地を追求した様々な構造があります。 一般的に密度が高いほど長く使用することができ、ヘタリにくい敷きふとんになりますが、ほとんどの場合、ウレタン素材は洗濯ができません。 また、湿気が溜まりやすいため、陰干しなどを行い、湿気を逃がしてあげることが大切です。 ウレタンふとんの寿命は、品質によっても異なりますが、約5〜8年程度と比較的長いでしょう。
枕の買い替えのタイミング
枕にも様々な素材が使われています。 枕の寿命は使用方法や素材によって変わりますが、短いもので1年程、長いもので5年なので平均3年程といわれています。 枕は睡眠にダイレクトに影響を与えるため、適切な頻度で買い替えやメンテナンスが必要です。 寿命を過ぎた枕をそのまま使用していると寝姿勢が悪くなったり、寝心地が変わり身体に痛みが出たり、不衛生な状態で使用することで肌・頭皮トラブルにつながることもあります。 素材別に買い替えのタイミングをみてみましょう。
【そばがら】 そばがらの枕の買い替えサインは、そばがらが割れて白い粉が出てきたり、虫が出てきたときです。 そばがらは長期間使用していると、徐々にそばがらが割れて粉状になります。 そばの粉は、アレルギーの原因になったり虫が発生しやすくなるため早めに買い替えるようにしましょう。 平均的な寿命は約2年とされています。
【羽根(フェザー/ダウン)】 羽根の枕の買い替えサインは弾力や枕が低くなり、高さが合わなくなったときや中の素材が飛び出してきたときです。 羽根は使い続けていると、頭の重みや汗などの影響でへたってきます。約1〜3年程が寿命といわれています。
【ポリエステルわた】 ポリエステルわたの枕の買い替えサインは枕の形が変形した、高さが合わなくなる、弾力が無くなり硬くなった状態のときです。長く使い続けていると、素材同士が絡まりかたまってしまい、枕の表面にデコボコができて寝心地が悪くなったり、部分的にヘタリを感じることがあります。おおよそ1〜3年で寿命となる場合が多いです。
【ビーズ】 ビーズを覆っている枕の側生地が伸び、形が変わってきたり、ビーズが凹んできたら買い替えのサインです。 ビーズは流動性が高いので、側生地が伸びてしまい、枕の劣化につながります。 他の素材と比較すると寿命は約1〜5年と少し長めの傾向です。
【ポリエチレンパイプ】 パイプが潰れているものが多くなったり、ボリュームが減ってしまったときが買い替えのサインです。 パイプが圧縮されて細かくなると、寝苦しさを感じ寝心地が悪くなります。 気になったら中身を開けて確認してみましょう。だいたい5〜8年くらいが平均寿命といわれています。
【ウレタン(低反発・高反発)】 低反発・高反発問わず、ウレタン製の枕の耐用年数はウレタンの密度によって異なりますが、モチモチした触感がなくなってきたり、頭をのせているところがへたって反発がなくなり戻らなくなってきたと感じたり、後頭部に圧迫感を感じるようになったら買い替えのサインです。 一般的に低反発ウレタンの寿命は、3〜4年程度で高反発ウレタンの寿命は3〜5年程度とされています。
ふとん買い替えの目安になるチェック項目とは?
一般的に買い替えのタイミングといわれている時期を解説してきましたが、では実際に使っているふとんはどんな状況でしょうか。 年数だけを目安にするのではなく、これから説明するチェック項目に該当するかどうかを判断基準として参考にしてみてください。
羽毛ふとん・ボリュームが減ってきた 吸湿や放湿性に優れている羽毛ふとんは、汗などの水分を含んでも、干したり乾燥させることで通常はボリューム(膨らみ)が元に戻ります。 しかし、汗などの汚れが堆積し、ダウンボールに損害が加わると、かさ高(ダウンパワー)が低下してしまいます。 羽毛ふとんのボリューム感が失われることに比例して本来のあたたかさは薄れてしまうことになります。 以前よりもボリュームが減って、膨らみが3分の2程度に減少したと感じたら寿命が来ていると判断しましょう。
・重くなったような気がする 軽くてふんわりした感じが特徴の羽毛ふとんですが、皮脂や汗などが堆積されていくうちに放湿性が薄れていくと、重くなってしまうことがあります。 ふとんが重いと使用していて身体が疲れやすくなり、良質な睡眠の妨げになる場合もあります。 「前よりも重くなった」「寝ても疲れが取れない」と感じる場合は寿命が近づいてるサインかもしれません。
・羽毛が飛び出してくる又は片寄りがある 通常羽毛ふとんには羽毛が出てこないようにするために、ダウンプルーフ加工(目詰め加工)を施していますが、年数が経過するとダウンプルーフ加工が劣化し、羽毛が出てきてしまうことがあります。 もし羽毛が頻繁に飛び出しているのであれば、側生地に穴が開いていたり、裂けていたりする可能性もあります。
また、使い方の癖などによって羽毛が一方向に固まりやすくなったり、側生地の中のキルティング(縫製)が弱ってしまい、羽毛が他のマス目に移動してしまったりする場合もあります。 長期間使用して蓄積した汚れがダウン同士を結びつけてしまうので、いっそう戻りにくくなってしまいます。
羽毛ふとんの中の羽毛が飛び出してきたり、片寄りが気になる場合も買い替えやリフォームのサインです。
綿ふとん綿ふとんは植物性の素材を使用した天然繊維なので、汗や湿気の吸収には優れています。 一方、発散する放湿性は動物性のものと比較すると劣るため、ボリュームの復元性や回復性が見込めない、重くなってきたなどは重要なサインだととらえてもよいでしょう。 さらに以下のような状態も当てはまるかチェックしてみましょう。
・ふとんがへたって床付き感がある ・体圧によって一部が大きくへこんだ ・修復できない汚れがある ・汚れやカビによる臭いがする
ウール(羊毛)ウール(羊毛)は動物性の天然素材で弾力性もあるので、一般的には敷きふとんで使用していても長持ちする素材ですが、以下のような状態になっていないかチェックが必要です。
・寝た時に床付き感がある ・購入時と比べて弾力性が低下した ・全体的又は一部がぺたんこになった ・ヨレヨレになった ・固くなった ・保温性が落ちた気がする
ポリエステルポリエステルのような合成繊維のふとんは年々いろいろな加工や製法が出て進化していますが、やはり掛けふとんに対して体重や汗の吸収量が多い敷きふとんはどうしてもヘタリが早くなってしまう傾向があります。 以下のチェックポイントを確認してみましょう。
・全体的にボリュームが薄くなった ・腰の部分にヘタリが見える ・手で触って肩や背中、腰の部分がへこんでいる
ウレタンウレタン素材のへたりの寿命は、ウレタンの密度と比例します。 最近は、硬さの指標であるニュートン数が注目されていますので、ニュートン数での簡単な見方を参考にしてみてください。 ただし、これはあくまでも指標ですので目安として考えてください。
・100ニュートン未満なら約2年 ・150ニュートン未満なら約3年 ・200ニュートン以上なら約5年
一般的に高反発の方が低反発に比べて耐久年数は長い傾向にありますが、「床つき感が出た」「身体の一部(腰や背中)がへこんで寝返りが打ちにくい」などの使用感が出ていないかをチェックポイントにするとよいでしょう。
ふとんの寿命を見分ける2つの視点からのポイント
ふとんの寿命を見分けるにはいくつかのポイントがあります。 ここでは2つの視点にまとめてその見極め方を解説していきます。
見た目からのサイン例えば、羽毛ふとんの場合であれば、羽毛が側生地から出てきてしまうときは買い替えのサインの1つといえるでしょう。 その場合は生地に穴があいていたり、キルティングのほつれなどが発生している可能性が高いです。 また、ふとんのボリュームが減っていたり、中身が偏ったりしている状態もタイミングだと判断しましょう。
さらに落としきれない汚れやシミが付着していたり、ホツレが確認できた場合も見た目から判断することができるので、1度カバーやシーツを外してふとん全体をチェックしてみましょう。
使用感のサイン使っていて寿命だと気がつけるサインもいくつかあります。 例えば、ふとんを掛けていても寒く感じる、湿気を吸ってふとんが重く感じる、カビくさい臭いがするなどは掛けふとんによくある寝心地から感じ取れるものです。
敷きふとんは、ヘタリや床つき感を感じたら寿命が近いといえるでしょう。 特に腰部分がへこみやすいので、天地や裏表をローテーションしても改善されない場合は、買い替えのサインです。 正しい寝姿勢が保たれず、寝返りも打ちにくくなり身体の痛みなどに直結してきます。 健康を害する前に、買い替えを検討しましょう。
ふとんを長く快適に使用するためのお手入れ方法
毎日使用するふとんを長く快適な状態に保つためのお手入れ方法をいくつかご紹介します。
湿気対策を行うふとんは湿気が大敵です。 湿気が溜まると、カビの発生やダニの繁殖にもつながり、身体にもふとんにも良くありません。 人間はひと晩に約コップ1杯分の汗をかきます。自覚はなくても基本的に毎日ふとんには湿気がこもります。 湿気対策を行うには、週に1度は天日干しすることがオススメですが、雨が降っていたり、いろいろな事情で干せない場合はふとん乾燥機を使ったり、ふとん専用の掃除機をかけるなどをしましょう。
ふとん干しについてもっと詳しく知りたい方は「ふとんを干す時間はいつがベスト? 冬や夏での違いや気を付けたいポイントをご紹介」の記事を合わせてご覧ください。
また、寝室の湿度コントロールをすることも重要です。湿気を逃がすためにはしっかり換気を行うことが大切です。 寝る直前に湿度を逃がそうと思って窓を開けても、十分に湿度は下がりません。 帰宅後、窓を開けてあらかじめ家全体の湿度を下げておくことが理想です。 寝る前まで換気をしておくことで、室内の湿度はかなり下げられます。 換気をする際には、窓を1か所だけ開けるのではなく2か所以上、複数の部屋がある場合にはドアも開ける時間を作り、空気の入り口と出口を作りましょう。
さらにエアコンの除湿機能や除湿器などを使用してもよいでしょう。
カバー・シーツをきちんとかけるふとんや枕には必ずカバーやシーツを掛けて使用しましょう。 寝具を汗や汚れから守る大切な役割をしているのがカバーやシーツです。 季節によって素材を変えて快適に感じる使用感に調整することもおススメです。
また、色や柄などで好みのものを選ぶと気持ちもリラックスして安眠しやすくなるなど見た目や触感で気分が上がるものをチョイスするのもよいでしょう。
さらにカバーやシーツは週に1回のペースで洗濯することが大切です。 寝ている間に出た汗や皮脂・髪の毛・ホコリなどが付着しているので「見た目がキレイだから」とそのままにしていると、雑菌やダニの繁殖につながる可能性があります。 皮膚トラブルやアレルギー・喘息を発症する原因になりかねません。 また、汚れをそのままにした結果、ふとんカバーやシーツの生地を傷め、寿命を縮めてしまうこともあります。 ふとんカバーは目立った汚れがなくても、定期的に洗濯をして清潔に保ちましょう。
カバーやシーツの洗濯方法についてさらに詳細を確認したい方は「ふとんカバーを洗濯する頻度は?洗濯方法とキレイに仕上げるコツ」や「枕カバーの清潔を保つ理想の洗濯頻度は?洗う際の注意点もご紹介!」をご覧ください。
収納方法に気を配るふとんを長期間収納しておく場合は、収納の仕方にも気を配りましょう。 大切なのは、ふとんの生地と中材を傷めないようにすることです。 例えば敷きふとんは掛けふとんよりも重いので、重ねて収納するときは掛けふとんが上にくるようにします。 また、スペースを取るからといって圧縮袋を使用するのは避けるようにしましょう。 圧縮袋はふとんの生地や中の素材を傷めてしまい、かさが減る原因になります。 羽毛ふとんは特に、NGです。 基本的にはふとん用の不織布などの通気性のあるケースに入れるのが好ましいです。 また、収納場所の湿気にも要注意。 収納する前に天日干ししてしっかり湿気を発散させることに加えて、時々収納場所の扉を開けて換気をするようにしましょう。
定期的にクリーニングに出すふとんを清潔に長持ちさせるためには定期的にクリーニングに出すこともおススメです。 自宅では難しい隅々までの洗浄やしっかりとした乾燥もプロに依頼すれば、完璧に仕上げてくれます。 ふとんのクリーニングなら、ぜひ「おうちdeまるはち」をご検討ください。
「おうちdeまるはち」は、高級ふとんメーカーが専門工場で丁寧にクリーニングを行っています。 1985年からふとんクリーニングを開始し、累計実績枚数は国内トップクラスの640万枚。 使用している水にこだわり、洗浄と乾燥まで徹底して質の高いサービスをご提供しています。
「おうちdeまるはち」のこだわりについては 「シリーズ企画:おうちdeまるはちふとんクリーニングのココがポイント! 水へのこだわり編」 「シリーズ企画:おうちdeまるはちクリーニングのココがポイント! 洗浄のこだわり編」 「シリーズ企画:おうちdeまるはちクリーニングのココがポイント! 乾燥のこだわり編」 をご覧ください。
「おうちdeまるはち」は、スタッフがご自宅までふとんを取りに伺います。 そのため、袋詰めなどの面倒な作業は不要です。 ぜひ「おうちdeまるはち」に、気軽にお問い合わせください。
まとめ
毎日私たちの眠りを支えてくれているふとん。 1度購入するといつの間にか長い年月が経ち、買い替え時がわからなくなるものです。
ですが、こんなにも長時間汗や湿気を吸いながら心地よい睡眠をもたらしてくれている働きものの寝具たちの買い替えのサインを見逃してしまい、「まだ平気だろう」「もったいない」と使い続けると身体の痛みやアレルギーを引き起こす可能性があります。
それぞれの素材や体質・使用環境によって寿命は異なりますが、適切なタイミングをきちんと把握して快適な眠りを維持していきましょう。
|
寝具のメンテナンス情報やぐっすり眠れるコツが満載
新着記事