ロングスリーパーは治る?睡眠時間の減らし方や良質な睡眠を得るポイントを解説
「ロングスリーパーになる原因や治す方法を知りたい」 「しっかり寝ているのに、昼間眠くてたまらないので困っている」
このようなお悩みはありませんか?
今回は、ロングスリーパーになる原因やデメリット、睡眠時間の減らし方、睡眠の質を高める方法について解説します。
ロングスリーパーと混同されやすい疾患の特徴や、睡眠時間の活用方法についてもわかります。
ロングスリーパーの方や、睡眠時間が長くて困っている方はぜひ参考にしてみてください。
|
ロングスリーパーとは?
ロングスリーパーとは、1日に必要な睡眠時間が長い人を指します。
米国睡眠医学会によると、大人であれば、1日の睡眠時間が10時間以上の人がロングスリーパーと定義されています。 子どもの場合、同世代の平均的な睡眠時間よりも、2時間以上長い睡眠時間が必要な子どもが該当します。
次に、睡眠時間ごとの定義やロングスリーパーになる原因を解説します。
睡眠時間によって呼ばれ方が異なる
睡眠時間の長さによって、呼ばれ方が異なります。 米国睡眠医学界が作成した睡眠障害を分類し、症状や経過・疫学・誘因などをまとめた睡眠障害国際分類では、以下のように分類されています。
● ショートスリーパー:6時間未満 ● バリアブルスリーパー:6~9時間 ● ロングスリーパー:10時間以上
割合は、ショートスリーパーが5~8%、バリアブルスリーパーが80~90%、ロングスリーパーが5~10%程度とされています。 しかし、割合については不確実な部分もあります。 例えば、ショートスリーパーの多くは、質の良い睡眠で短時間でもしっかり休息を得ていたり、昼寝などで睡眠不足を補っている場合もあると考えられます。 そのため「6時間程度の睡眠で日中の活動に支障のない」医学的な意味でのショートスリーパーは、1%程度とされています。
なぜロングスリーパーになるのか
ロングスリーパーになる原因は明確にはわかっていません。 しかし、遺伝の可能性が示唆されています。
親と子が共にロングスリーパーの家系が存在していたり、睡眠時間に関わる遺伝子変異が確認されていたりするためです。 一方で、遺伝ではなく、親の生活スタイルや習慣が子どもに影響を与えているとも考えられます。
また、神経伝達物質のセロトニンやドーパミンが少ないと睡眠時間が長くなることがわかっています。 そのため、個人の特性としてこれらの神経伝達物質の分泌量が少ないケースもあるでしょう。
ロングスリーパーと過眠症の違い
ロングスリーパーは睡眠時間が十分であれば、生活に支障はありません。
一方、睡眠障害などの疾患が原因の場合、夜間どんなに長く睡眠をとっていても、昼間も眠くなってしまいます。
特に、ロングスリーパーと混同されやすい過眠症は、夜間十分な睡眠を取っていても、仕事中や授業中でも発作のように居眠りを繰り返す症状が出るものもあります。 また、数日にわたって眠り続けてしまうなど、日常生活に支障をきたす疾患です。
過眠症の種類と特徴
過眠症は、頭部外傷や脳血管疾患などの身体疾患や、緊張感、不安などの精神疾患の一症状として表れるケースがあります。
身体疾患や精神疾患に当てはまらない場合、中枢性過眠症が疑われます。 脳の睡眠を調節する機能がうまく働かずに、過眠を引き起こす疾患です。
中枢性過眠症には、ナルコレプシー・突発性過眠症・クライネーレビン症候群などがあります。 中枢性過眠症は脳の機能に障害が起きているため、睡眠時間を長くとったり、睡眠の質を上げたりしても効果が見られないのが特徴の一つです。
ロングスリーパーのデメリットは?
一般的に十分に眠っていると判断されやすい7~8時間の睡眠は、ロングスリーパーにとっては寝不足の状態です。
しかし、病気ではないため、周囲の理解を得るのが難しいことがあります。
また、睡眠時間が長い分、1日の活動時間も少なくなってしまいます。
活動時間が短くなる
ロングスリーパーは、1日の中で、自分でコントロールできる時間が少ないのがデメリットです。 24時間のうち10時間を睡眠時間にあてると、残りの14時間で仕事・学業・家事といったさまざまな用事をこなさねばなりません。 限られた時間で何をするか、どれからやるかなど優先順位付けし、効率的に動く必要があります。
仕事や学業を優先せざるを得ない環境では、家族や友人と過ごしたり、一人でゆっくりしたり、何かに挑戦したりするフリータイムを失ってしまう可能性があるでしょう。
病気ではないため改善が難しい
疾患として扱われないロングスリーパーは、投薬治療が難しい傾向があります。 たとえ治療を行ったとしても、ショートスリーパーのような短時間睡眠で日常生活を送るのは困難といえます。
本来のパフォーマンスを発揮するのに長い睡眠が必要でも、置かれた状況や環境によっては眠る時間を削らざるを得ない場合もあるでしょう。 結果、仕事中や授業中に居眠りをしたり、集中力を欠いたりして能力が発揮できず、成果が得られないケースも考えられます。
健康につながる睡眠時間とは
睡眠時間と健康には深い関わりがあります。 短時間睡眠の状態が長く続くと、病気になりやすかったり、突然死につながったりするという話はご存じの方も多いでしょう。 近年では、睡眠時間は短すぎても長すぎても健康に悪影響を及ぼすことがわかってきました。
長すぎても短すぎても健康にはよくない
短い睡眠時間は、免疫に悪影響を及ぼします。 睡眠時間が5時間に満たない人は、8時間眠る人と比較して風邪の悪化による肺炎のリスクが1.4倍になるとの報告があります。
また、コロナ禍に行われた医療従事者を対象とした調査では、夜の睡眠時間が1時間長いと、コロナ感染リスクが12%低く抑えられるというデータもあるのです。
一方、睡眠時間が長すぎると、肥満リスクが上昇します。 また、虚血性心疾患や、脳梗塞での死亡リスクも増加します。
高齢者では、年齢で推奨されるより長く眠る習慣があると、大脳の老化が早まり認知機能が低下するとされているのです。
自分にあった睡眠時間を知るのが大切
人はそれぞれ、必要な睡眠時間が異なります。 夜間ぐっすり眠れて、昼間は頭がすっきりした状態で過ごせるなら、4時間であろうが、11時間であろうが、その人にとっての適正な睡眠時間です。
長く眠るべきであるにも関わらず、現代社会において、平均的な睡眠時間しか取れずに慢性的な寝不足に陥っているケースもあるでしょう。
まずは、自分にあった睡眠時間を知るのが大切です。 個人の睡眠時間に関しては「睡眠時間の個人差について解説!【ショート・ロング・バリアブル】 あなたはどのタイプ?」でより詳しい情報を載せておりますので、ご興味ある方はご参照ください。
健康を維持しながら睡眠時間を減らす方法とは?
ロングスリーパーは体質のため、眠る時間を極端に削ることは困難です。 とはいえ、少しでも活動時間を増やしたい場合、次の2つの方法で眠りの改善に取り組んでみるとよいでしょう。
●睡眠の質を高める ●眠る時間を少しずつ削りながら、自分に最適な睡眠時間を見つける
2つの方法について解説します。
睡眠の質を高める
質のよい睡眠とは、スムーズに入眠し、深く眠り、翌朝すっきり目覚められる睡眠です。 良質な睡眠が得られれば、睡眠の長さに関わらず脳や身体が十分に休息を取れるため、健康を維持しやすく、パフォーマンスも上がります。 つまり、良質な睡眠によって効率的な身体の機能の修復と脳の疲労回復が行えれば、今までよりも睡眠時間が短くなっても翌日しっかり活動できる可能性があるのです。
睡眠の質を高めるための具体的な方法は以下の通りです。
●日中に仮眠を取る ●就寝の3~4時間前までに軽めの夕飯を摂る ●夕食後は、照明を少し暗くする ●就寝の1~2時間前に、入浴やストレッチなどで体温を少し上げる
これらの習慣を取り入れ、徐々に睡眠の質を向上させましょう。
また、上記以外にも他に睡眠の質を上げる方法はたくさんあります。 「今こそ睡眠の質を上げたい!寝る前にすると良い8つのことを徹底解説!」では、寝る前にすると良い8つのポイントや起床時にできる睡眠の質を向上させるコツなどを紹介していますので、ぜひ参考にしてみてください。
無理のない睡眠時間を探る
ロングスリーパーが睡眠時間を減らすためには、無理のない範囲で少しずつ睡眠時間を調整する方法も有効です。 まず、現状の睡眠時間を把握し、1~2週間ごとに15分ずつ短縮していきます。
起床時間は変更せず、就寝する時間を遅くするとよいでしょう。
睡眠時間を減らしても日中の集中力や体調に問題がないかを確認しながら少しずつ進めましょう。
もし疲れや日中の眠気が強く感じられた場合、さらに睡眠時間を削ることは避け、逆に少し時間を増やして調整します。
こうして最適な睡眠時間を見つけることが、健康を損なわずに効率的な生活を送るための鍵となります。
睡眠は学びに活かせる?睡眠学習は効果あり
視点を変えて、長い睡眠時間を活かすのを考えてみるのも一案です。
昔、日本でも一時話題になった「睡眠学習」は、近年の研究によって一定の効果が見込めることがわかってきました。
ノンレム睡眠時に外国語の音声を聞くと、起きた後に外国語を思い出す確率があがったという報告があります。 また、外国語の単語をいくつか教え、そのまま勉強するグループと、途中で仮眠を取ったグループに分けた実験も行われ、仮眠を取ったグループの方がテストの成績が良好でした。
さまざまな報告によると、睡眠学習は記憶の定着や固定化につながるため、単語などの復習に向いた方法とされています。
睡眠時間の活用方法の一つとして、検討してみてはいかがでしょうか。 睡眠学習についてもっと知りたい方は、「睡眠学習は意味がない?科学的根拠から効果的なやり方や注意点について解説!」の記事で詳しく解説しています。
良質な睡眠を得るためのポイントとは
良質な睡眠を得るためには、生活習慣と環境の見直しが重要です。 質の良い睡眠は、自分に最適な長さで、適切なタイミングで取るのが大切なポイントです。
眠りが浅いと感じられる人は、下記の記事も参考になります。 「眠りが浅い?!寝ても途中ですぐ起きてしまうのはなぜ?原因や改善策を解説」
生活習慣を見直す
良質な睡眠を得るには、生活習慣の見直しと改善が欠かせません。
●毎朝同じ時間に起床して、朝日を浴びる ●朝食を摂る ●適度な運動をする ●湯船に浸かる
人の生活サイクルは24時間単位ですが、体内時計の周期は約25時間のため、生活サイクルと1時間のずれがあります。 毎日同じ時間に起きて、朝日を浴び、朝食を摂るなどの日常的な刺激が、生活サイクルと体内時計のズレを修正しているのです。 ズレが修正できないと、睡眠や覚醒のリズムが乱れて眠りの質に悪影響を及ぼします。 そのため、生活習慣を見直して、適切に改善することが大切です。
睡眠環境を整える
眠りの質の向上には、眠る前のクセや寝室の環境も影響します。
●眠る前は電子機器の使用を控える ●清潔で睡眠を阻害しない寝具を使う
体内では、朝日を浴びてから約14時間後に、体を休息モードにして眠気を促すメラトニンの分泌量が増えていきます。 しかしスマートフォンなどの電子機器が放つブルーライトの光が、メラトニンの分泌を妨げます。 朝日の光にも含まれるブルーライトを浴びることで、脳がまだ日中だと勘違いしてしまうためです。
また、寝具もなるべく清潔で心地のよいものを使うとよいでしょう。 汗や湿気でシーツがしっとりしていたり、枕カバーが臭ったりすると睡眠モードの脳に影響し、睡眠の妨げになる可能性があります。
良質な睡眠を得るには寝具も大切
良質な睡眠には、ふとんや枕、毛布、シーツなどの寝具やパジャマなどの寝衣を清潔に保つのも重要です。 人は、一晩におよそコップ1杯分の汗をかくとされています。 また、新陳代謝によって、睡眠時も皮脂がはがれおち、寝具に付着していきます。 日常的に使う寝具は汚れやすく、心地よい眠りのためには、寝具はできるだけ清潔にしておくのが望ましいといえるでしょう。
「おうちdeまるはち」のクリーニングは、こだわりの水洗いによって、ふとんの傷みは最小限に止めながら、中綿の汚れはしっかり落とす特徴があります。
自宅で洗濯しにくい掛けふとんや敷きふとんは、ふとんクリーニングを利用するのがおすすめです。
「おうちdeまるはち」のふとんクリーニングサービスは、スタッフが自宅にお伺いしてふとんの袋詰めと集荷をするため、事前準備や発送などの面倒な手間が一切かかりません。 ぜひお気軽にご依頼ください。
まとめ
ロングスリーパーは、大人の場合10時間以上、子どもの場合年齢ごとの平均的な睡眠時間より2時間以上長い睡眠が必要な方を指します。
ロングスリーパーは疾患ではなく体質であるため、睡眠時間を大幅に短縮するのは難しい傾向にあります。 しかし、睡眠の質を向上させることで、これまでよりも短い睡眠時間で脳や身体の休息を得られる可能性が高まるでしょう。
良質な睡眠には、生活習慣の見直しが効果的です。 また、寝具もなるべく清潔なものを使うようにしましょう。
重くかさばるふとんは自宅での洗濯が難しいため、洗濯の頻度が少なくなってしまいがちです。 そのため、シーツや枕カバー、軽い毛布などは、自宅で洗濯し、ふとんはクリーニングに依頼するのが便利でおすすめです。
「おうちdeまるはち」のクリーニングを活用し、いつでも清潔なふとんで快適で良質な睡眠につなげてください。
|
寝具のメンテナンス情報やぐっすり眠れるコツが満載
新着記事