足だけが冷たい末端冷え性とは?!原因やすぐに試したい対策をご紹介
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「足の冷え」に悩んでいる人は意外に多くいます。
寒い冬の季節はもちろん、夏でもエアコンなどによる室温コントロールによって、一年中足が冷えて困っている人も少なくありません。 冷たさのあまり、場合によっては痛みやしびれをともなうケースや感覚がなく足先が冷た過ぎて夜も眠れないということも。
足の末端冷え性は放っておくと様々な健康問題を引き起こす可能性があるため、自分の身体に合った方法で対処することが大切です。
このコラムでは、特に足の末端冷え性について原因や改善のための対策、さらに予防する際の注意点などもあわせて解説していきます。
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なぜ足だけが冷たくなる?末端冷え性とは?
最近年齢や性別を問わずみられる傾向として話題になっているのが「低体温化」です。 平熱が下がっていると身体が冷えやすくなり、体調にも少なからず影響をもたらします。
また外気温が下がってくると、手足が冷たくなる傾向があるのが「末端冷え性」です。
私たちは、重要な臓器が集まる身体の中心部を一定の温度(37℃前後)に保とうとしています。 特に寒いときは、中心部に血液を集めて、体温を維持しようとするので、末端にある手や足には血液が行き渡りにくくなり、冷えを強く感じるようになってしまいます。 脇の下で計る体温と比べ、手足の温度が10℃以上低くなるケースもみられます。
悪化してしまうと足が冷たくて睡眠の質が低下したり、夜中に足の冷えを感じて何度も目覚めてしまったり、睡眠リズムが乱れて体調を崩してしまう人も少なくないので注意が必要です。
末端冷え性を引き起こす原因
末端冷え性は、本来働くべき体温調節機能がうまく機能していない状態であり、主な原因として考えられるのは以下の5つです。
順番に解説していきます。
自律神経の乱れ
ストレスや不規則な生活などがきっかけで、体温調節の命令を出す自律神経がうまく機能しなくなることがあります。 自律神経の乱れは、血管を収縮させることがあり、足先の冷えの原因のひとつとされています。
自律神経には交感神経と副交感神経があり、状況によってどちらかが優位となり体温を調整しています。 しかし近年はエアコン設備が整っている環境が増え、季節を問わずほぼ一定の室温で過ごせるようになりました。 そのため気温に対する感覚が鈍くなり、自律神経が乱れやすくなっているともいえます。
またストレスも自律神経を乱れさせる大きな要因です。 自律神経の乱れは体温調節の他に腸など内臓の働きにも影響をおよぼし、基礎代謝の低下にもつながります。
筋力の低下
女性は男性に比べて筋肉が少ないため、筋肉運動による発熱や血流量が少ないことも女性に冷え症が多い原因の1つと考えられています。 また、男女関係なく足先は筋肉が少ないため、特に寒い時期には血液の流れが悪くなる傾向にあります。 運動不足の人も総じて筋肉量が少ないため、冷えやすくなります。 筋肉は運動することにより熱を作り出します。 さらに筋肉は伸縮することによって全身に血液を循環させるポンプの役割も担っています。 筋肉量が低下すると熱量の生産が減り、全身の血の巡りが悪くなって、冷えが生じやすくなります。
血液循環の悪化
身体全体の血液循環が悪いことにより手足の血液循環も悪化します。 手足の血液の巡りが悪いと、冷え性を引き起こす原因となります。 さらに、貧血も血液循環を悪化させる一因です。
貧血により酸素を運ぶ赤血球が不足すると全身のエネルギー代謝が低下し、体内で生成される熱が減少するため、冷えやすくなります。 足先が冷えると、足先だけではなく手や顔、背中まで冷えてしまう可能性があります。 血液の循環が悪化している証拠であり、全身が冷えやすくなる原因の1つになりかねません。 冷え性が慢性化すると自然と緊張状態になり、睡眠の質の低下に直結するので、エアコンなどを利用し、部屋全体を温めたり、服装を工夫して体温を保つことが重要です。
食生活の乱れ・鉄分不足
食事や栄養バランスの乱れは、筋肉量の低下・血行の悪化などを引き起こし、冷え性の原因となります。特にミネラルやビタミン、鉄分不足には注意が必要です。 ミネラルやビタミンなどの栄養素が不足すると、血管の働きが低下し、冷え性を悪化させてしまいます。 特にビタミンEや鉄分などは血液の質を高める効果があるので積極的に摂り入れるよう意識してみましょう。
さらにカフェインやアルコールなどは血管を収縮させる作用があるので、摂りすぎに注意しましょう。
また食生活の乱れは、基礎代謝の低下にもつながります。 足先が冷えると風邪を引いたり、免疫力が低下する可能性が高くなります。 冷えが長期化してしまうことは慢性的な体調不良の原因のひとつです。 日常的な体調管理などに加えて食生活のコントロールも非常に重要といえるでしょう。
ストレス
冷え性の中でも「末端冷え性」の原因で、多いとされているのがストレスです。
ストレスが身体に与える影響は多岐にわたりますが、ストレスによる過緊張状態が続くと結果として血液の循環が悪くなることがあります。
ストレスが原因で、交感神経の活動が過剰に優位になると血管が収縮し、血行が悪くなるため冷え性を招きます。 リフレッシュできる時間を設け、なるべくストレスを溜め込まないようにしましょう。
足の冷えを改善する5つの対策
足の冷えの改善方法として5つご紹介します。
マッサージをする
【マッサージ】ふくらはぎ ふくらはぎは足の血行改善に非常に大切な部位です。 ふくらはぎをマッサージし、足に滞っていた血液を流していきましょう。
【マッサージ方法】 1. 両手で左右どちらかの足首を覆うように持つ 2. 足首から膝に向かって、軽く圧迫するように下から上へマッサージをする 3. 左右各5~10回程度を目安に行う ポイントは心臓へ血液を戻すように意識することです。
自分が心地よいと思える力加減でマッサージしてください。 ふくらはぎのマッサージは冷えの改善だけではなく、足のむくみや疲れの解消も期待できます。 身体が温まっているお風呂上がりに行うと、より効果的です。
ツボを刺激する
【足ツボ】「八風(はっぷう)」 足指の間にある足ツボ「八風(はっぷう)」のマッサージ方法をご説明します。 八風を刺激すると、足先の血行がよくなります。
【ツボの刺激方法】 1. 小指と薬指の間にある八風を手の親指で押さえる 2. 痛気持ちいい程度の力加減で押しながら、3秒程度もみほぐす 3. 小指側から親指の方へ順番に行う
痛みを感じやすいツボなため、力の入れすぎには注意してください。 足の冷えがひどい場合は2〜3セット行うとよいでしょう。
ゆっくり湯舟に浸かる
お風呂に浸かってゆっくり身体を温めてください。 38〜40℃のぬるま湯に20〜30分浸かるのがおススメです。 42℃以上の熱いお湯では、交感神経が活性化されてしまうため寝つきが悪くなります。 熱めのお湯が好きな方は入浴時間を5分程度にとどめておきましょう。
また入浴する時間は、寝る1〜2時間前がよいです。 入浴によって上がった深部体温が徐々に下がっていき、寝つきがスムーズになります。
足首を温める
冷え改善の基本対策として、「3つの首を温める」ことを意識してみましょう。 3つの首とは、首・手首・足首のことです。 ここには血管が集中しているので、温めると血流が良くなり、全身の温度を高めます。 しかし足先の冷え対策として靴下を重ね履きする場合は、締めつけがきついものを履くと、血液の流れを妨げる要因になりかねません。 そのため、重ね履きする場合はゆったりとした靴下を選ぶようにして、枚数は3枚以下で調節するようにしましょう。 さらに就寝時には足首を温めるレッグウォーマーがおススメです。 締め付けがきつくなく、肌触りのよいのもがよいでしょう。 シルクやコットン、麻などの素材を使用したものは、肌触りが良く、睡眠中の蒸れも防げます。 レッグウォーマーにはショートタイプとロングタイプがありますが、寝ている時に使用する場合は足首を中心に温めるショートタイプが適しています。 就寝時の足先の冷えが気になる方は、「ふとんに入っても足が冷たい!安眠のための対処法とは?」の記事もあわせてご覧ください。
足の運動をする
冷えを改善するには、体温を上げられる身体づくりが大切です。 そのためには熱を生み出すための筋肉をつけることが必須です。
運動は体温を上げる最も効果的な方法の1つとされており、特にふくらはぎの筋肉を鍛えることで、血液の循環が促進され、足先の冷えが改善される可能性があります。
【ふくらはぎに効果的なストレッチ方法】 1. 壁に手をついて立つ 2. かかとを上げてつま先立ちをする 3. 数秒キープした後、かかとを下ろす 4. 5回ほどくり返す
ふらつかないように、しっかり壁を使って身体を支えてください。 このストレッチをするおススメのタイミングは、ふとんに入る前です。
末端冷え性を予防するために注意したい点は?
冷え性を予防するためにはどのようなことに注意をして過ごせばよいのでしょうか。 順番に確認していきましょう。
規則正しい生活を意識する
不規則な生活が続くと体内時計にズレが生じ、自律神経が乱れる原因になります。 規則正しいリズムで生活し、体内時計を整えることが冷え対策にもつながります。
体内時計は、毎朝太陽の光を浴びることでリセットされるので、できるだけ毎日決まった時間に起きて、太陽の光を浴びるようにしましょう。 さらに朝起きてから1時間以内に朝食を摂れば体内時計のメリハリは加速し、自律神経のバランスが整いやすくなります。
運動を取り入れる
運動は血行を良くし、体温を上げる効果があります。 特に有酸素運動やストレッチなどは足の末端にも血液を送りやすくなるのでおススメです。
先ほどご紹介したふくらはぎのストレッチの他にここでは、つま先の運動を紹介します。 簡単にできて、血流を促す効果があるのでぜひ日常生活の中に取り入れてみてください。
【つま先上げ運動】 1.足の裏が地面に着いた状態でつま先を上げ、かかとだけが地面に着くようにする 2.そのままキープし、再びつま先を地面に着ける 3.1と2を10回ほど繰り返す。
上記の運動は、1日3回以上を目安に行いましょう。
食べ物に気を使う
食べ物が身体に対してどう働くかという「食性」に着目してみるのもおススメです。 身体を温める「熱性」や「温性」の食べ物は、冷え性に効果的な食材といえます。
代表的なものは、にんにく、ねぎ、生姜、にらなどの香味野菜です。 また、かぶ、かぼちゃ、長芋などの野菜も「温熱性」の食材です。
反対に旬の食材でも、白菜、ごぼう、れんこんなどは「寒涼性」なので、摂り過ぎに注意しましょう。 さらにバナナやマンゴーなど南国で採れるフルーツは、身体を冷やすといわれています。 加えて南国が原産のコーヒーや、発酵していない茶葉である緑茶は身体を冷やす効果があり、アイスでなくてもホットでも同様だといいます。 おススメは発酵させて作った紅茶やウーロン茶、焙煎されているほうじ茶などです。
食材と共に注意したいのは、「温度」です。 冷たい食べ物や飲み物をできる限り避け、水分も常温のものや温かいスープ、お茶などを摂ることで、体温を適切に保つことができます。 中長期的に続けることで、自律神経の調整と体温調節をサポートし、冷えを対策することができるでしょう。
夏でも足だけ冷えるのはおかしい?
夏でも足だけ冷えることは、意外と多くの人が陥っている症状になります。 原因としては前述した通り自律神経の乱れが主な原因となり、加えてエアコンの影響が大きく関わっています。
温度設定の低いエアコンの効いた室内で長時間過ごすと、身体の末端、特に足先が冷えやすくなり、末端冷え性の症状になることがあります。
寝る前のエアコンの使い方に関しては「夏におススメの快適寝具素材と寝苦しい夜の安眠対策! 眠りを味方につけて暑い夏も元気に過ごそう!」で解説していますので、ご参照ください。
また、エアコンの影響で足の冷えがどうしても気になるという方は、エアコンなしでも寝られるおススメの方法を「寝苦しい夜にエアコンなしでも快適に寝る方法は? 熱帯夜の対策やエアコン使用時の注意点などご紹介」で解説していますので、ご興味がある方はそちらもあわせてご覧ください。
まとめ
「末端冷え性」は足の冷えを引き起こす状態で、その背景にはさまざまな原因と健康リスクが潜んでいます。 特に、睡眠不足や免疫力の低下は全身の不調をもたらす可能性があるため、日頃からこれらに対する予防策を意識することが大切です。
食事や服装、室内の温度管理など、生活のあらゆる面から改善できる方法があるため、自分ができることから始めることが冷えを緩和する鍵となります。
もしも、さまざまな対策を講じても冷えが改善されない場合は、医療機関での相談を検討するのも一つの選択肢です。
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