ふとんに入っても足が冷たい!安眠のための対処法とは?
「ふとんに入っても、足が冷たい」という悩みはありませんか?
「足の冷え」は入眠の妨げになるだけでなく、健康にも大きな影響をおよぼすことがあります。 そのまま放置せず、対策を施しましょう。
ここでは足が冷える原因や対処方法についてご説明します。 「足の冷え」の対策をしっかり行い、安眠へとつなげましょう。 |
ふとんに入っても足が冷たい原因は?ふとんに入っても足が冷たい原因として「冷え性」の可能性が考えられます。 血行が悪くなり、温かい血液が手足の先まで張り巡らされている毛細血管に流れなくなるために起きる症状です。
寒い時期だけに起きる症状だと思われがちですが、最近は夏でも冷房による足の冷えに悩む方も増えています。 一般的に冷え性は男性より女性の方が多く、不眠や便秘・頭痛などさまざまな症状を引き起こすこともあります。
では、なぜ冷え性が起きるのでしょうか? その原因について詳しくみていきましょう。
筋力の低下筋肉量が減少すると冷えが起きやすくなります。
筋肉は運動することにより熱を作り出す重要な器官です。 また、筋肉は伸縮することによって全身に血液を循環させるポンプの役割も担っています。
筋肉量が低下すると熱量の生産が減り、全身の血の巡りが悪くなることに…。 そのため冷えが生じやすくなります。
特にふくらはぎは、足の血液を心臓へと送り返す大切な筋肉。 「第二の心臓」と呼ばれるほど重要視されています。 足の筋肉量の減少は、足の冷えに直結するといっても過言ではありません。
筋肉量を維持・向上させられるように、日ごろから適度な運動やストレッチを取り入れるとよいでしょう。
基礎代謝の低下基礎代謝が低下すると体内で作られる熱量が少なくなり、冷えの原因となります。
基礎代謝とは、人間が生きるために最低限必要なエネルギーのことです。
人は身体を意図的に動かさなくても、体温を維持したり、呼吸や消化をしたり生命維持に必要な活動をしています。 そのためにエネルギーが必要です。 どの程度必要なのかは個人によって異なり、同じ人物でも筋肉量や年齢などさまざまな要因で変化します。
基礎代謝量は、1日の消費エネルギーの約60~70%。 基礎代謝の低下は、全体的なエネルギー消費量の低下につながります。
エネルギーが作られないと、同時に作られる熱量も低下。 そのため全身の体温が低下しやすくなります。
基礎代謝を上げるためには、筋肉を増加したり食生活を見直したりすることが効果的です。 腸内環境を整えることもエネルギー代謝アップにつながります。
食生活の乱れ食事制限による無理なダイエットや、栄養バランスの偏った食事が冷え性を招くことがあります。 必要な栄養素が不足し、体内で作られるエネルギーが少なくなるためです。 また野菜のみや、麺類のような単品料理ばかりなど食の偏りがあると冷え性になりやすいとの研究結果も報告されています。
バランスの取れた食事を3食しっかり取るように意識することが大切です。 加熱したものを食べるようにしたり、しょうがや玉ねぎなど身体を温めるといわれる食材を積極的に摂取したりするとよいでしょう。
安眠をサポートする食事について詳しく知りたい方は、こちらの「眠りと食事の話し|安眠をサポートする栄養素と食事とは?」をご覧ください。
血液循環の悪化冷え性は、手足の先まで血液が十分循環していないために生じます。 つまり身体全体の血液循環が悪いと、より手足の血液循環は悪くなります。 低血圧や血管系の疾患を持つ方は血液が滞りやすいため、注意が必要です。
また貧血も血液循環を悪化させる要因のひとつです。 さらに貧血は酸素を運搬する赤血球の量が少なくなるため、全身のエネルギー代謝が低下してしまいます。 そのため体内で作られる熱量が減り、冷えにつながります。
特に女性に多いといわれている鉄欠乏性貧血。 食事内容を見直し、無理なダイエットはしないようにしましょう。
ストレス冷え性の中でも「末端冷え性」と呼ばれるものの原因で、多いとされているのがストレスです。
ストレスによる過緊張状態が続くと、血の巡りが悪くなります。 ストレスが原因で、交感神経の活動が過剰に優位に。 すると血管が収縮し、血行が悪くなるため冷え性を招きます。
リフレッシュできる時間を設け、なるべくストレスを溜め込まないようにしましょう。 コーヒーなどカフェインの含まれているものではなく、リラックス効果のあるハーブティーを取り入れるとリフレッシュタイムを作れます。 身体を温める効果のあるカモミールやジンジャー、ローズマリーなどのハーブティーがおススメです。
自律神経の乱れ体温を調節しているのは自律神経です。 この自律神経が乱れると体温調節がうまくいかず、冷えの原因となります。
自律神経には交感神経と副交感神経があり、それぞれが状況によって優位となり体温を調整しています。 近年は冷暖房設備が整っている環境が増え、季節を問わずほぼ一定の室温で過ごせるようになりました。 そのため気温に対する感覚が鈍くなり、自律神経が乱れやすくなっています。
またストレスも自律神経を乱れさせる大きな要因です。 自律神経の乱れは体温調節だけでなく、腸など内臓の働きにも影響をおよぼし、基礎代謝の低下にもつながります。
自律神経を整えるためには、規則正しい生活を送り、バランスの取れた食事を心がけましょう。 適度な運動やストレスを溜めない生活を意識することも大切です。
ふとんに入っても足が冷たいときの対処法「足が冷たくて眠れない」 「どうにかする方法はないの?」 と頭を悩ませている方もいるでしょう。
すぐに誰でもできる2つの対処法についてご説明します。 ぜひ実践してみてください。
湯船に浸かって身体を温めるお風呂に浸かってゆっくり身体を温めてください。 38~40℃のぬるま湯に20~30分浸かるのがおススメです。
42℃以上の熱いお湯では、交感神経が活性化されてしまうため寝つきが悪くなります。 熱めのお湯が好きな方は入浴時間を5分程度にとどめておきましょう。
また入浴する時間は、寝る1~2時間前がよいです。 入浴によって上がった深部体温が徐々に下がっていき、寝つきがスムースになります。
心地のよい眠りにつく方法について詳しく知りたい方は「眠りが浅い?!寝ても途中ですぐ起きてしまうのはなぜ?原因や解決策を解説」をご覧ください。
手足のマッサージやストレッチを行う手足のマッサージやストレッチも血行改善に効果的です。 リフレッシュにもなるため、ストレス解消にもおススメです。
今回は簡単にできるマッサージとストレッチを5つご紹介します。
【マッサージ】ふくらはぎ ふくらはぎは足の血行改善にとても大切な部位です。 ふくらはぎをマッサージし、足に滞っていた血液を流していきましょう。
【マッサージ方法】 1. 両手で左右どちらかの足首を覆うように持つ 2. 足首から膝に向かって、軽く圧迫するように下から上へマッサージをする 3. 左右各5~10回程度を目安に行う
ポイントは心臓へ血液を戻すように意識することです。 自分が心地よいと思える力加減でマッサージしてください。
ふくらはぎのマッサージは冷えの改善だけではなく、足のむくみや疲れの解消も期待できます。 身体が温まっているお風呂上がりに行うと、より効果的です。
【マッサージ】足ツボ「八風(はっぷう)」 足指の間にある足ツボ「八風(はっぷう)」のマッサージ方法をご説明します。 八風を刺激すると、足先の血行がよくなります。
【マッサージ方法①】 1. 小指と薬指の間にある八風を手の親指で押さえる 2. 痛気持ちいい程度の力加減で押しながら、3秒程度もみほぐす 3. 小指側から親指の方へ順番に行う
痛みを感じやすいツボなため、力の入れすぎには注意してください。 足の冷えがひどい場合は2~3セット行うとよいでしょう。
素早くマッサージを行いたいときは、次の方法でマッサージをしてみてください。
【マッサージ方法②】 1. 足の指の間に手指を挟み込み、握手をするようにする 2. 握ったり離したりをくり返す 3. 手足交互に力を入れて、10回程度握り合う
マッサージ後に白湯など温かい飲み物を飲むと、老廃物やリンパの流れがよくなるためおススメです。
【ストレッチ】指先グーパー 手足の指をグーパーするストレッチです。 寝たままでもできるため、ふとんに入った状態でもできます。
【ストレッチ方法】 1. 横になりリラックスした状態で手足をしっかり握る 2. パーで指を開く 3. 10回程度くりかえす
指を開くとき、一本ずつ離れるようにするのがポイントです。 また足を天井に上げた状態でグーパーするとより効果的です。 足を上げることで足に滞った血が心臓に戻ってきやすくなります。
【ストレッチ】手足をぶらぶら 手足をぶらぶらさせるストレッチです。 全身の血流がよくなり、リラックス効果もあります。
【ストレッチ方法】 1. 仰向けに寝て、両手両足を天井へ向けて上げる 2. 力を抜き、手首足首をぶらぶらさせる 3. 30秒2セットを目安に行う
少し早くぶらぶらさせると、より血流がよくなります。 ふとんの上でもできるため、寝る前にぜひ試してみてください。
【ストレッチ】つま先立ち 最後にご紹介するのは、ふくらはぎに効果的なつま先立ちのストレッチです。
【ストレッチ方法】 1. 壁に手をついて立つ 2. かかとを上げてつま先立ちをする 3. 数秒キープした後、かかとを下ろす 4. 5回ほどくり返す
ふらつかないように、しっかり壁を使って身体を支えてください。 つま先立ちストレッチをするおススメのタイミングは、ふとんに入る前です。
ふとんに入っても足が冷たいときにおススメのアイテムここまで足の冷えを改善する方法をご紹介しました。 しかしすぐに足の冷えが完全に解消されないこともあります。
そこで足の冷えに効果的なアイテムを3つご紹介します。 温めすぎて寝苦しくならないように、自分に合ったアイテムをうまく活用してみてください。
温かいタイプの敷きパッド敷きパッドを温かいものにしてみましょう。 起毛タイプのものや、遠赤外線わたが入っているものがおススメです。 ただしアクリルやポリエステルなどの化学繊維が使用されている場合、蒸れやすいため寝苦しく感じることがあります。 吸放湿性に優れている天然繊維が使用された敷きパッドの方が、快適な睡眠を得られるでしょう。
遠赤外線わたが入っている敷きパッドは、電気を使わず身体の芯まで温めてくれます。 遠赤外線の毛布もあるため、あわせて使用するとより効果的です。
レッグウォーマー足首を温めるレッグウォーマーがおススメです。
締め付けがキツくなく、肌触りのよいのもがよいでしょう。 シルクやコットン・麻の素材を使用しているものであれば、肌触りがよく、睡眠中も蒸れにくいです。 レッグウォーマーには大きくわけてショートとロングの2タイプがありますが、なるべく足首だけ温めてくれるショートタイプのものがおススメです。
「靴下ではだめなのか?」と疑問に思う方がいるかもしれません。 靴下をはいたまま寝ると蒸れたり、熱がこもったりすることがあります。 すると足先から熱放散がうまくできず、良質な睡眠の妨げとなる可能性があります。
またゴムの締め付けがキツすぎると足の血行が悪くなり、さらに冷えやすくなる恐れも。 靴下を利用したい場合は、ふとんに入る直前まで着用し、ふとんに入ったら脱ぐようにしてください。
湯たんぽ湯たんぽでふとんの足元付近を温めておくのもよいでしょう。 最近は昔ながらの金属製の湯たんぽだけでなく、プラスチック製のものなどさまざまな素材のものが販売されています。 加熱方法もお湯入れ式ではなく、電子レンジ対応のものや充電式のものなど使用しやすいものが登場しています。
使い勝手のよいものを選んでください。
湯たんぽを使用するとき、気をつけてほしいポイントがあります。 ふとんに入る30分〜1時間前に湯たんぽをセットし、寝るときには取り出しておいてください。 湯たんぽを入れたまま寝てしまうと、暑すぎて睡眠の妨げになったり、低温やけどになったりするリスクがあります。
良質な睡眠を得られるよう、使い方には注意してください。
まとめ
多くの方が悩んでいる「足の冷え」。 「冷えは万病のもと」といわれるように、そのままにしていてはなりません。
今回、足の冷えを解消するマッサージやストレッチ・アイテムを中心にご紹介しましたが、いろいろな方法を試しても改善されない場合は医療機関を一度受診してください。 気づいていなかった病気が隠れている可能性があります。
足の冷えが起きる原因はさまざまです。 冷えを解消し、睡眠の質を確保できるように、しっかり対策をしましょう。 |
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