二度寝しない有効な方法はある?二度寝が身体に与える影響や原因も解説
朝起きるのが辛く「あと5分」「あと10分」と二度寝してしまう方も多いのではないでしょうか。 しかし長時間の二度寝や三度寝、四度寝と複数回繰り返すものは日中の活動に支障をきたす場合があります。 二度寝を予防するには、具体的な対策を知って、日頃から実践することが重要です。
このコラムでは二度寝を防止する方法や二度寝の原因や身体に良い二度寝、推奨しない二度寝などもあわせて詳しく解説していきます。 |
二度寝してしまう原因とは朝起きるのが辛くて二度寝をしてしまった経験がある人は多いはずです。 特に冬場の寝起きの眠気は抗いがたく、つい「あともうちょっと」と自分を甘やかしてしまいがちです。 そもそも二度寝をしてしまう理由とは何が考えられるでしょうか? 順番に確認していきましょう。
睡眠不足二度寝をしてしまう原因としてまず考えられるのが、睡眠不足になっているということです。
人によって適切な睡眠時間が異なるため一概にはいえませんが、成人の睡眠時間は6〜9時間の方が約80%を占めるため、これが一般的に平均的に必要な睡眠時間であるといえるでしょう。 自分に必要な睡眠時間はどのくらいなので、どのタイプに属するのかを詳しく知りたい場合は「睡眠時間の個人差について解説!【ショート・ロング・バリアブル】 あなたはどのタイプ?」の記事をご覧ください。
しかし、必要な睡眠時間が足りていないと、不足した睡眠はどんどん溜まっていきます。 これを「睡眠負債」といいます。 睡眠不足になると、この睡眠負債を解消しようとして二度寝をしたくなるというメカニズムが働くのです。
睡眠時間が短い日本で、さらに子どもや働く世代の睡眠時間は、世界で最も短いといわれています。 中でも特に仕事や育児、家事を担う場合の多い40代の女性は男性よりも睡眠時間が短く、睡眠不足の状態が習慣化している恐れがあるそうです。 また、十分な睡眠時間を確保しているのにも関わらず、朝起きても眠気がとれなくて二度寝してしまう場合は、1日のパフォーマンスを下げることにもつながってしまいます。
睡眠の質の低下眠りの質が低いと、十分に睡眠時間を確保できていても、睡眠不足と同じ状態になり起きても寝た気がせず、つい二度寝をしたくなってしまいます。 睡眠の質を下げる習慣として「眠る直前までスマホやPCを見ている」「就寝前にアルコールや喫煙、カフェインを摂取している」などの行動があげられます。
また、寝室寝具環境が不適切な場合も睡眠の質の低下につながります。
睡眠の質を高めるためには、寝室の温湿度を適切に保つことが大切です。 夏は26~28℃、冬は15〜18℃前後が望ましく、湿度は通年50〜60%が理想です。 また、明るすぎる部屋や音のうるさい環境では、途中で目が覚め、深い眠りを得ることができないので注意が必要です。
さらに寝具も重要です。使用している寝具が身体に合っていないと、睡眠の質の低下につながります。 睡眠時間はしっかり確保しているのに、疲れや眠気が取れないといった症状がある場合は、ふとんの買い替えも検討することが大切です。
また、なんらかの睡眠障害が発生すると、睡眠の質が低下することがあります。 睡眠の質を低下させる可能性のある睡眠障害について解説します。
・睡眠時無呼吸症候群 睡眠時無呼吸症候群とは、睡眠障害の1つで眠っている間に無呼吸状態が繰り返される病気です。 喉の気道が塞がり、息ができず、呼吸が止まっている状態になってしまいます。 英語では「Sleep Apnea Syndrome」といい、その頭文字をとって「SAS(サス)」とも呼ばれています。 気流(呼吸)が止まってしまうため、脳は酸素不足に対応するために覚醒状態になり、心拍数を増加させます。 その結果、睡眠の質が低下し翌日の眠気や二度寝の原因になります。 また心拍数を増加させるため、循環器にも負担が掛かります。
眠っている間の無呼吸になかなか気付くことができない、もしくは気付いても「大丈夫」「大したことはない」と放っておいてしまうことが多いとされていますが、早期に適切な検査や治療を受けることが大切です。 医療機関で診察を受けて、治療するようにしましょう。 睡眠時無呼吸症候群についてもっと詳しく知りたい場合は「あなたや家族は大丈夫?! 睡眠時無呼吸症候群とは?症状や原因などを解説」の記事をご覧ください。
・中途覚醒 眠りに入ったあと、翌朝起床するまでの間に何度も目が覚めてしまう状態のことを中途覚醒といいます。 途中で目が覚めると、眠りが浅い・ぐっすり寝た気がしない・昼間眠いなど睡眠の質が低下し、翌朝の倦怠感や二度寝に繋がります。 人間は加齢とともに睡眠に関するドーパミンやセロトニンなどの神経伝達物質の分泌量が減り、眠りが浅くなっていきます。 そのため中高年や高齢者では中途覚醒をすることが多くなります。 中途覚醒について詳しく確認したい場合は「眠りが浅い?!寝ても途中ですぐ起きてしまうのはなぜ?原因や改善策を解説」の記事を参考にしてみてください。
他にも夕方から夜間、特に就寝する直前に脚に虫が這っているようなむずむずする感じが出る「むずむず脚症候群」や体内時計が知らない間に乱れてしまう「概日リズム睡眠障害」などがあります。 「むずむず脚症候群」は就寝前に現れることが多いため、寝付きが悪くなり睡眠時間が少なくなりがちです。 就寝中に脚への不快感で起きてしまうこともあり、二度寝や日中の眠気を誘う原因になります。 「概日リズム睡眠障害」は例えば朝に眠気が来て夜には眼が冴えてしまうという生活パターンになってしまった場合、明け方になってようやく眠気が生じるので、一度眠ったとしても二度寝の誘惑が強くなります。 さらには起きなければいけない時間に起きられないこともあります。 一度乱れてしまった体内時計は、個人では精神力が強くなければ正すことは難しいのが現実です。
こういった症状がある場合は適切な医療機関を受診し、医師に相談してみることをおススメします。
心身に疲れやストレスを抱えている心や身体へのダメージが二度寝につながることも あります。 本来は、睡眠をとることで心や身体の疲れを解消できるのですが、心身が緊張すると、頭や目が冴えて眠りが浅くなってしまいがちです。 不安や心配なことがあると、眠れなくなったり、夜中に起きてしまったりしたという経験を皆さん1度はしたことがあるのではないでしょうか。 このように、強いストレスを感じた状態でベッドに入ると眠りが浅くなるため、翌日まで疲れが残ってしまう場合があります。
心身の疲れが取れず強いストレスを抱えたままだと、「眠気が取れない」「身体がだるい」と感じやすく、二度寝をしやすくなってしまいます。
身体に良い二度寝と身体に悪い二度寝がある?
基本的に二度寝にメリットはないといわれていますが、回数や時間を意識して守ればいい効果もあるといわれています。 ここでは二度寝する際の注意点についてみていきましょう。
身体に良い二度寝とは一般的に、二度寝は身体に良くないとされていますが、短時間で一度だけであれば、二度寝はむしろ、心にとっても身体にとっても良い効果があるともいわれています。
起きてどうしても眠たい時は、適切な方法で二度寝をするのも選択肢の1つです。
携帯などのアラームで起きても、あと少しと二度寝をすると、非常に幸せな気持ちになりますよね。 この時、体内ではストレス耐性を担うホルモン「コルチゾール」が多く分泌されています。 コルチゾールは目覚める1〜2時間前から急激に分泌が盛んになるので、二度寝をすることでコルチゾールが分泌する時間が長くなることになります。 そうすることで心はウォーミングアップを行い、ストレスに負けない状態をつくることができます。
また、二度寝をしている間は心地よい音を聞いたときに多く分泌される「エンドルフィン」も分泌されるともいわれています。 エンドルフィンは、リラックス効果があり緊張を和らげたりするとされています。
ただし、二度寝を10分以上すると、第一段階の睡眠であるノンレム睡眠の深い段階であるレム睡眠に入ってしまうため、二度寝の域を超えてしまいます。 二度寝する際は「5分間を一度だけ」にしましょう。
5分だけ二度寝するとストレス軽減効果や幸福感が得られ、その日1日のストレス耐性も高まるので、元気に朝を迎えることができます。
短時間の二度寝をとる時は、二度寝の仕方を工夫することが大切です。 例えば、カーテンを開けたり、照明をつけたりして寝室を明るくする、5分後に鳴るように目覚ましや睡眠アプリをセットするなどの方法を行うと、二度寝が短時間で収まります。
身体に悪い二度寝とは前述した通り、どうしても二度寝したいときは、5分以内で1回限りにするようにしましょう。 また、まどろむ程度ならば20分以内に収めるのが鉄則です。 それ以上眠ったり、2回3回繰り返したりすれば、起きるのがつらくなり、夜の睡眠に影響が出る可能性があるため、二度寝をするときは時間と回数を守ることが大切です。
二度寝が身体に与える影響
長時間または何度も繰り返す二度寝は身体に影響を与えます。 体内時計や自律神経にも影響があるので、結果として以下のようなことを引き起こす要因になります。
体内時計が乱れる毎朝のように習慣的に不適切な二度寝をしていると、体内時計に乱れが生じます。 人の身体には体内時計が備わっており、朝、光を浴びると脳にある体内時計の針が進み、時計がリセットされて活動モードに切り替わります。 また、体内時計からの信号でメラトニンの分泌が止まります。 メラトニンは目覚めてから14〜16時間程経つと体内時計からの指令が出て徐々に再度分泌が高まり、その作用で深部体温が低下して、休息に適した状態に導かれ眠気を感じるようになるのです。
二度寝をすることで起床時間がバラバラになっている方は睡眠リズムが乱れがちです。 睡眠リズムが崩れると眠りが浅くなり、熟睡感のなさを補うために二度寝をしてしまい、また夜に眠れなくなってしまう…という負のループに陥ってしまう可能性もあります。
体内時計は自律神経の働きにも影響を与えているため、体内時計が狂うことで自律神経もバランスを崩し、だるさや疲れ、めまいといった全身への悪影響が出てきます。
自律神経が乱れると睡眠にも影響を及ぼし、睡眠の質が悪くなる要因にもなるので注意が必要です。
疲労が蓄積しやすくなる二度寝をして短い睡眠を繰り返しても、疲れはなかなかとれません。
睡眠中は、脳が活発に動いている「レム睡眠」と、身体と脳が休んだ「ノンレム睡眠」が約90分周期で繰り返されており、この睡眠サイクルは一晩に約4〜5回続きます。
本来起きるべき時間に再び寝てしまうことで、私たちは浅い眠りである「レム睡眠」を迎えます。 レム睡眠のとき、身体は休息状態でも脳は活動して覚醒状態にあるため二度寝は質の低い浅い睡眠になってしまうため、二度寝して睡眠時間を増やしても疲れは取れにくいことが多いです。 睡眠全体のうち、約75%がノンレム睡眠、約25%がレム睡眠といわれていますが、二度寝をすることでこの睡眠周期のバランスが崩れ睡眠の質が低下する可能性があります。
結果として「疲れが取れない」「疲労が溜まりやすくなった」などと感じることになります。
肥満や生活習慣病を引き起こす可能性が高まる気分に任せた二度寝が習慣化して2週間程経過すると、太りやすい状況をつくってしまうといわれています。 人間の体は、起床後の活動に備えて、朝に「コルチゾール」というホルモンが多く分泌され、血糖値が上がる仕組みになっています。 本来ならそのまま起きて活動するため、エネルギーで相殺されて血糖値は下がりますが、再び眠りについてしまえば血糖値は上がったままになります。 これは食事をした後にすぐに眠るのと同じ状況です。 上がった血糖値を下げようとして分泌されるのが、血中の糖分を脂肪に変える「インスリン」というホルモンです。 インスリンには脂肪を身体に溜め込む作用があるため、肥満に繋がりやすくなると考えられます。 肥満になることで、高血圧や睡眠時無呼吸症候群といった病気のリスクが高まってしまいます。
また、二度寝が常習化すると一転、身体が不要だと判断し、「コルチゾール」は減少するとされています。
「コルチゾール」の働きには血糖値の上昇に加え、ストレスの中和作用もあるため、分泌量が減れば気力が低下し、うつ病のリスクも上昇します。 また、コルチゾールの減少は認知症リスクも上昇させるともいわれているので注意が必要です。
二度寝をして睡眠リズムを乱してしまうことは肥満や生活習慣病の発症を引き起こす要素となってしまうのです。
二度寝を予防するのに有効な5つの方法
二度寝を防ぐにはどのような方法が有効なのでしょうか。 代表的なものをご紹介します。
目覚まし時計の形状や置き方を工夫する朝日を浴びるのはおススメですが、自然の光の場合、曇りや雨の日は強い光を浴びることができないので、その場合はタイマー機能付きの照明等を活用すると良いでしょう。 光で起こしてくれる「光目覚まし」はおススメです。 光目覚ましの中には光の強さを調節できる機能や、設定した時刻から徐々に明るくしていくという機能が備わっているものがあるので、自分の好みに合わせることができます。
目が覚めた直後は眠くて何も気力が湧かない場合が多く、手の届くところにアラームがあると無意識のうちに止めてしまうこともあります。 目覚まし時計やスマートフォンは、強制的に起き上がらざるを得ない場所に置く状況を作りましょう。
睡眠アプリを導入する私たちの睡眠には浅い眠り「レム睡眠」の状態と深い眠りの「ノンレム睡眠」状態のサイクルがあります。 一般的な目覚まし時計を使用した場合、自分の眠りの状態にかかわらずアラームを鳴らすので、深い眠りの状態で叩き起こされるとイライラしたり、アラームを止めた後も強烈な眠気を引きずってそのまま寝たりしてしまう可能性が高くなります。
睡眠アプリには、眠りの浅い状態の時に起こしてくれるという便利な機能を持つものがあるのでおススメです。 眠りの浅い状態で起きれば、すっきりと起きることができます。
スマホをご利用の方は、「二度寝防止 アプリ」で検索して、ご自分にあったアプリを試してみてはいかがでしょうか。 いくつか代表的なものをご紹介します。
「二度寝防止アラーム」・・最大8種類のタスク設定を出来、解かないとアラームがOFFできない 「あさとけい」・・遅刻防止!出発時間をカウントダウン方式でお知らせしてくれ、天気予報も教えてくれる 「アラームクロック」・・お気に入りの音楽で優しく起こしてくれるカスタマイズ型のアプリ
どれも無料なので、気になる場合は1度ダウンロードして使用してみることをおススメします。
起床したあとの楽しみをつくる朝の楽しみを作ることで、起床のモチベーションを高めたり、朝の時間を有意義に使う「朝活」を習慣にすることも有効です。
「起きたら大好物を食べる」、「朝起きたらお気に入りの音楽を聴く」くらいのすぐに取り入れられるものや「始業前の時間帯にランニング」、「習い事」など慣れてきたら少しハードルを上げてみても良いでしょう。
また、楽しみとまではいかなくても、「毎朝やること」のルーティーンを決めておくと二度寝防止になります。 ただし、朝の楽しみや朝活は起きるためのモチベーションになるかもしれませんが、早起きした分だけ、就寝時間を早めることが大切です。 睡眠時間を削って寝不足になって結果として日中眠くなって仕事や勉強のパフォーマンスが低下してしまう可能性があるので、早起きした分だけ夜も早く眠るよう意識しましょう。
部屋を適温にしておく特に冬場は、寒くてふとんから出られず、知らないうちに二度寝していたという経験をした方も多いかと思います。 その場合は暖房のタイマーを活用し、起床する30分前くらいから18〜20℃程度になるように部屋をあたためるように設定しましょう。
反対に夏場は、快適に寝るための室温は26℃〜28℃程が推奨されています。 また室内の湿度が高く汗が乾きにくい環境だと、不快に感じて寝つきが悪くなる原因にもなるので、湿度は50〜60%程が理想的といえます。
エアコンの設定を行う際に、風が直接身体に当たらないように風向きを上向きに設定することが重要です。 さらに寝室をより涼しく眠りやすい環境にするためには、エアコンと一緒にサーキュレーターや扇風機を活用しましょう。 サーキュレーターや扇風機を上向きに回して室内の空気を循環させてあげると、室温の差がなくなります。
また、フィルターや熱交換器などの掃除をして、エアコン本来の性能を発揮できるように定期的なメンテナンスを行いましょう。
水分を摂り、目薬をさす目が覚めたら、まずは水分を摂るようにしましょう。 季節を問わず、人間は寝ている間に汗をかき、体内の水分を失っているので寝起きの水分補給は有効です。
枕元に水を入れたペットボトルやタンブラーを置いておくと気軽に水分補給できるのでおススメです。 冬で寒い時には白湯も良いと思います。
さらに水分を補給した後に目薬をさす習慣を取り入れてみましょう。 目薬をさすと必然的に目がぱっちり開くので、二度寝防止にも効果的です。 クールタイプの目薬だと爽快感があり、シャキッとと目覚めることができます。
まとめ
今回は二度寝をしないための方法や二度寝の原因をご紹介しました。
日々慌ただしく過ぎていく中で、睡眠時間を確保することはなかなか難しいかもしれませんが、規則正しい睡眠リズムを身につけることで多少のストレスや疲れも吹き飛ばせるような心と身体をつくることができます。
二度寝の良い効果は取り入れて、デメリットとなる部分もしっかりと意識しながら生活習慣の改善に取り組むことが毎日の活力へとつながっていきますので、気になる方はぜひ参考にしてみてください。 |
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