安眠体質を手に入れよう!体内リズムを理解し意識した行動がポイント
睡眠は私たちの元気を保つために欠かせない要素の1つです。
疲労回復はもちろん、予防医学の側面からも睡眠の効果は注目されています。 脳と身体をより良い状態に整えてくれる毎日の眠り・・ 良質な睡眠を生み出すリズムは意識すると誰でも作ることができます。 眠れない、スッキリ起きられないと感じている人ほど、体内リズムを整えることが安眠体質を手に入れる重要な鍵になるかもしれません。 睡眠の質=人生の質とも言い換えることが出来ます。
体内の自然なリズムを理解して、睡眠の効果を更に引き出してみませんか。
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そもそも体内リズムって何?!
私たちは朝が来ると自然に目覚めて、決まった時間にお腹が空き、夜になると眠くなります。そして、どういうわけか24時間のサイクルで活動しています。 その理由は、身体の中に“見えない時計”が備わっているからです。 不思議に思えますが、体内時計というのは感覚的な話ではなく、物理的にこの“見えない時計”の働きで毎日決まった時間に色々なホルモンが分泌されて、睡眠と覚醒を繰り返す身体のリズムが生まれます。
人間は約24時間10分周期※で日中は活動モードに夜は休息モードになるという体内リズムを持っています。 体内時計の周期は地球の1日の24時間周期とは微妙な時間のズレがありますが、実はこのズレは日常生活の様々な刺激によって自然に時刻合わせを行っているのです。
刺激の中で1番影響力があるのは「光」です。 朝起きて太陽の光を浴び、その刺激で体内時計はリセットされて次の24時間が始まります。 代表的なものに「太陽や人工的な光」「時計など時間がわかるもの」「食事」「運動」「仕事や学校」などがあります。これらによって、体内リズムが24時間へとリセットされることで、私たちは日々規則的な生活を送ることができているのです。 ※過去に体内時計は25時間とされることもありましたが、最新の研究では体内時計は約24時間10分とされています。ただ、これはあくまでも平均値で個人差があります。
眠りとの深い関係とは?皆さんはどんな時に眠くなりますか? 「疲れが溜まっているとき」「日中にたくさん動いたとき」「暗い部屋にいるとき」・・・様々な情景が浮かんでくるかもしれませんが、実は眠気を感じるのは大きく2つの要素が絡み合っています。
【疲れたから眠くなる】 脳や身体が疲れて眠くなる状況です。これは十分に睡眠を取らないと回復しないので、気力ややる気では補えません。疲労による眠気にはあらがわずにスッと受け入れましょう。
【夜になったから眠くなる】 人間に備わっている体内時計が生理機能(睡眠、目覚め・体温・血圧・代謝・ホルモン分泌etc)をコントロールしているので、夜になると自然と活動モードから休息モードになって眠くなるのです。 睡眠にはメラトニンとセロトニンという2つのホルモンが深く関わっていて、特に「メラトニン」は=「睡眠ホルモン」と言われており睡眠を促進する作用を持つホルモンです。
朝、光を浴びると脳にある体内時計の針が進み、時計がリセットされて活動モードに切り替わります。 また、体内時計からの信号でメラトニンの分泌が止まります。 メラトニンは目覚めてから14〜16時間程経つと体内時計からの指令が出て徐々に再度分泌が高まり、その作用で深部体温が低下して、休息に適した状態に導かれ眠気を感じるようになるのです。
なぜ体内リズムの乱れが起こるのか?人間が自然に持ち合わせている神秘的な体内時計のリズムですが、乱れさせないためには日常生活において直面する様々な場面でちょっとした意識が必要です。 体内リズムが崩れやすい代表的な原因と対策をリストアップしてみたので、当てはまるなと思ったものはぜひ改善してみてください。
原因① 朝きちんと同じ時間に太陽の光を浴びていない 光は体内時計をリセットし、1日をスタートさせるのに絶大な効果があります。 初めは早起きが大変ですが、徐々に楽になって続けていくと習慣化され、朝方になっていきます。曇の日も雨の日も太陽の光は届いているので、カーテンを開けて窓際に行ったり、ベランダに出ればOK。 体内時計のズレは、生活習慣やその期間によって個人差があるので、1回浴びただけではリセットされないことも。まずは1ヶ月を目標に続けてみましょう。
原因② 夜寝る前に強い光を浴びている メラトニンの分泌は主に光によって調整されています。就寝前に強い光を浴びると体内時計の働きが乱れてメラトニンの分泌が抑えられます。これが睡眠覚醒リズムが乱れる原因となります。 朝日と同じような光を夜にも浴びることで、体内時計は1時間、2時間と後ろにズレていくことになります。 パソコン、スマホ、テレビ、ゲームなどは寝る1時間前には完全にOFFにしましょう。
原因③ 食事の時間が一定ではない 食事を抜いたり、バラバラの時間に取ったりすると摂食と関係のある臓器の時計遺伝子が防衛反応を起こして、体内時計にズレが生じます。 起きてから1時間以内に、朝食をとるのがベスト。夕食は寝る2~3時間前までに済ませるのが理想的です。 食べる量は朝食と昼食で7割、夕食は少なめの3割を目安にし、「腹八分目」がおすすめです。
原因④ 運動不足 慢性的な運動不足は日中の活動モードを完全にONにすることが出来ず、メリハリや刺激や少ないと体内時計も微妙にズレてきてしまいます。 朝食後の午前中や寝る1~2時間前までに軽い運動やストレッチを、夕方に有酸素運動や筋トレをすると効果的です。
原因⑤ ソーシャルジェットラグ(週末の朝寝坊や過度な夜更かし) 平日の疲れを癒すために休日にある程度ゆっくり起きることはOKですが、寝過ぎはNGです。 体内時計の調節のためには、寝る時間よりも起きる時間のほうが重要! 平日も週末も起床時間は可能な限り同じにするのが好ましいですが、差があったとしても1時間以内にしましょう。 さらにできるだけ夜更かしは避けて早寝早起きの習慣を意識することが大切です。
原因⑥ 昼夜逆転生活をしている 受験勉強や仕事の夜勤、シフト勤務等で昼と夜の生活が逆転したり、海外旅行や出張による時差ボケなど、ライフスタイルによって眠る機会が妨げられることがあります。 体内時計をコントロールする「時計遺伝子」は東洋人は西洋人に比べて、夜勤に適応できる遺伝子を持つ人が少ないとも報告されています。 生活上やむを得ない場合は、夜勤中に2時間程度の仮眠を取ったり、逆に強い光を浴びたり、帰宅時にサングラスを掛けて部屋は遮光カーテンを使用するなど、昼夜が逆転していても体内リズムを整える工夫をしていきましょう。
体内リズムが乱れるとどうなる?原因はわかっても乱れてしまったものを改善するのはなかなか根気がいりますよね。けれど私たちの身体の中でリズムを刻んでいる体内時計にはこんなに重要な役割があるのです
● 自立神経のバランスを調節する ● ホルモンの分泌を調整する ● 免疫力を高める
実は体内時計には、脳にある「親時計」と全身の隅々の細胞にある「子時計」の2種類があります。 親時計と子時計は自律神経やホルモンを介して連動し、様々な作用をもたらしていると考えられています。 それぞれの体内時計の細胞の中には「時計遺伝子」と呼ばれる遺伝子が多数存在し、互いに働きあって正確にリズムを刻んでいます。 ところが不規則な生活が続いたりすると、時計遺伝子に異変が生じ、体内時計を狂わせてしまうことに繋がります。 例えば食欲を抑えるホルモンや食欲を促すホルモンの濃度に異常が生じてしまえば、メタボリックシンドロームや糖尿病といった生活習慣病、がん、アルツハイマー型認知症などの病気のリスクが高まっていくことも。
「24時間型」と言われる現代社会においては、夜更かしや暴飲暴食、運動不足、シフト勤務などで生活習慣が一定でなく、体内時計を乱しやすい環境といえます。 体内時計の乱れが続くと、睡眠覚醒リズムが乱れて不眠症状も引き起こすことに繋がってしまいます。
リズムをコントロールするための1日のスケジュール体内時計を正常に動かし、健やかな身体の状態を保つためには規則正しい生活が必須です。 「食事」「運動」「睡眠」という3大要素はどれも重要で、それぞれがリズムに合った最適なタイミングで行う為のポイントがあります。
【朝】 ● 毎日決まった時間に起き、太陽の光を浴びる ● 起床後1時間以内に朝食をとる ● 朝食後~昼食前に軽い運動(ラジオ体操や散歩など)をする
【昼】 ● 12時前後にランチをとる ● 仕事中は90分ごとに休憩をとる
【夕方~夜】 ● 15~19時に有酸素運動や筋トレをする ● 夕食は朝食を食べてから12時間~14時間以内、寝る時間2~3前には済ませる ● アルコールを飲むなら20~21時に ● 寝る1~2時間前に入浴を済ませる ● 寝る1時間前にはパソコン、スマホ、テレビ、ゲームは終わらせる
安眠体質になるためのまとめ安眠体質になるためのポイントをおさらい!
普段は日常や生活に追われて、「そんなことまで気が回らない」「考える余裕がない」という方がほとんどだと思います。 規則正しく生活したいと思っていても、仕事や家事などさまざまな状況によって実行できないことも多いですよね。 その場合には、1週間のうち1~2日だけでも上記のようなタイミングを参考にして、食事、運動、睡眠のリズムを整えましょう。毎週同じ曜日に行うと、体内時計のズレをリセットしやすくなります。
自分の身体を気にしてケアしてあげられるのも、心から労わってあげられるのも、少しの工夫で体質を変えることができるのも自分の意識です。
意識して行動したことをまずは1つ、習慣化させて眠りを味方につけて元気に過ごしていきましょう! |
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