寝具メーカーが解説する羽毛ふとんの選び方!重視するポイントや使い方の工夫もご紹介
羽毛ふとんを買いたいと思ってネットや店頭でみても、いまいち選び方がわからない……。 という方も多いのではないでしょうか。 購入前に選ぶポイントや知っておいて欲しいことなど、老舗寝具メーカーの視点から記事にまとめました。 ぜひ羽毛ふとんをお選びいただく際にお役立てください。 |
そもそも羽毛ふとんってどんなもの?羽毛ふとんとはダウンを使用している比率が50%を超える掛けふとんのことです。 50%以下の場合は羽根ふとんといわれます。
羽毛ふとんの特徴は軽くて保温性や放湿性に優れている点です。 使用されている水鳥の種類は主にグース(ガチョウ)・ダック(アヒル)に分けられ、それぞれの特徴を把握し、自分に合った選択をすることが大切です。
また、ダウン(ダウンボール)はふわふわとした水鳥の胸毛で、軽くて柔らかくとってもあたたかいです。 スモールフェザーは名前の通り小さな羽根で、腹部に生えている小さなフェザーのことです。 羽根部分に生えているフェザーよりもカサカサ感は軽減されますが、軽さとあたたかさはダウンに及びません。
羽毛ふとんに使われる鳥の種類は「グース」と「ダック」の2種類です。 それぞれ特徴をご説明します。
グース(ガチョウ)一般的にグースはダックと比較して身体が大きいので、より大きく上質なダウンボールを採取できます。 グースダウンを使用した羽毛ふとんの方が、高価になる傾向があります。 ただし、若くて未成熟なグースよりも、長期間飼育された大人のダックの方がダウンボールは大きくなるので、飼育期間もチェックすることが大切です。 親鳥になるまで飼育されたグースは「マザーグース」と呼ばれ、もともと大きなグースが長い期間をかけて成長しているため、マザーグースのダウンボールは格別に大きく貴重です。
ダック(アヒル)ダックの方が身体が小さいため、採取されるダウンボールの大きさが小さいということがいえます。 ただし、飼育期間や品質によってはグースよりも保温性が高いこともあります。
また、ダックとグースとでは、ダックのほうが強い臭いを感じます。 特に飼育期間が短い未成熟のダックほど、臭いが強い傾向にあります。 羽毛が臭う原因は様々ですが、グースは草食、ダックは雑食です。雑食のダックは肉も食べるため、草食のグースよりも身体に油脂がつきやすくなります。 その油脂の臭いが、ダックから発せられる臭いなのです。
洗浄度が高いものであればそんなにひどい臭いはしませんが、気になる方はグースを選んだ方がよいかもしれません。
羽毛ふとんを選ぶ際に重要な5つのポイント
羽毛ふとんを実際に選ぶときに重視するポイントを5つに分けて解説していきます。 基本的に①〜⑤の順番でご自身にどんなものが適しているか確認してみることをおススメします。
①サイズ敷きふとんやマットレスがシングルサイズの場合なら、羽毛ふとんをシングルではなく、セミダブルサイズにすると、より暖かく快適な寝心地になります。 寝返りしてもすきまからの冷気が入りにくく、保温力がアップします。
また、寝返りの多さや一緒に寝る人数などによって、適切なサイズが変わります。 例えばダブルサイズの敷き寝具で2人で寝ている場合には、クイーンサイズ以上のものの方がふとんの取り合いにならなくて済みますし、2人の体感温度や体質が異なる場合にはシングルを1枚ずつ使用してもよいかもしれません。
②住環境・体質羽毛ふとんはご自身のお住まいの地域や住宅の環境を考慮して選ぶことが大切です。 この数十年間で日本の住宅事情は急激に高気密・高断熱化へと変化していきました。 住んでいる環境が変われば羽毛ふとんの選び方も変わってきます。 以前は「あたたかさ」が最も重要視されていましたし、現在も多くのメーカーが保温性を重視して、二層式や複雑なキルティングのものをラインナップしています。
しかし特に都市部のマンションなどでは、通常の羽毛掛ふとんでも暑いといわれるようになりました。 少し中身の充填量を減らしたタイプや厚みや調整できるような2枚重ねタイプ(デュエットタイプ)などが人気です。
さらに昨今は通気性に劣るポリエステル系の側生地が多く使用されるようになり、綿生地に比べると非常に蒸れやすくなっています。
また、体質(暑がり・寒がり)かによっても選び方が異なります。 女性に多い冷え性の方は保温性だけでなく、速暖性が求められます。 生地が重いと温まるのが遅くなりますし、できるだけ身体にフィットして熱をにがさないキルティングが求められます。 一方、男性に多い汗かき・暑がりの方は、湿気を素早く逃がすための通気性が重要となります。 通気性が悪いと湿気がこもり、蒸れて不快になります。
③側生地使用している側生地は羽毛の保温性や使用感に重要な役割を与えます。 ポリエステルや綿、シルクやテンセル、レーヨンなど様々な素材の生地が出ていますが、基本的には「超長綿」という綿100%の生地がおススメです。 吸湿発散性に富んでおり、中身のダウンもきちんと呼吸ができて蒸れにくく、快適に使用できるためです。
綿の側生地には具体的に2つの見るべきポイントがあります。 1つ目は番手と呼ばれる「糸の太さ」を表すもので、2つ目は「織り方」です。
一般的には生地に使われる糸の太さ(番手)が細く、高密度に織られた生地の方が、羽毛が吹き出しにくく、柔らかく軽いので身体に添ってくれるので羽毛ふとんに適しています。 例えば40番手よりも80番手の方が糸は細くなり、数字が大きくなる程反比例して糸は細くなります。 綿の糸の太さは、太いもので40番手、細いもので300番手までありますが、羽毛ふとんに使用されているのは主に60、80、100番手となっており、80・100番手の側生地は肌触りもかなり良質で、糸が細い分側生地の重量も軽くなります。
さらに羽毛を圧迫せずに、たっぷりと羽毛が拡がるようにするには、できるだけ軽い生地の方が良いとされています。
2つ目のポイント「織り方」については大きく分けて3種類の織り方があります。
【サテン織り】 「朱子織・繻子織(しゅすおり)」とも呼ばれるサテンは、日本の羽毛ふとんで最も多く使用される織り方です。 糸同士が交差する点が少なく、縦糸または横糸のどちらかがほとんど表面に現れない織り方です。 そのためサテンで仕上げられた生地は、柔らかい手触りと独特な光沢をあわせ持つという特徴があります。 摩擦に弱いというデメリットはありますが、高級な羽毛ふとんで使われることが多いです。
【平織り】 平織りは、縦糸と横糸を交互に組み合わせるベーシックな織り方です。 シンプルな織り方のため、通気性が高く生地の重さも軽く仕上がります。 デメリットとしてはしわになりやすいという点がありますが、耐久性に優れており、3つの織り方のなかで最も羽毛が側生地から飛び出しにくい織り方といえます。
【ツイル】 「綾織(あやおり)」や「斜文織(しゃもんおり)」とも呼ばれているツイルは、生地の表面に斜めの線ができる織り方です。 重量が増してしまうデメリットはありますが、しわになりにくく、丈夫で厚みがあります。 平織りと比べると耐久性はやや劣りますが、表面がしなやかで光沢もあり、身体を包み込んでくれるようなフィット感のある生地に仕上がる織り方です。
④キルティング(縫製)キルティングという側生地の縫製方法によっても保温性は変わってきます。 様々な特殊なキルティングを施している羽毛ふとんも販売されていますが、大きく分類すると3つのキルティングに分けられます。
1つ目は昔からある裏表を直に縫うヨーロッパキルト(直キルト)です。
このキルティングは縫い目に羽毛が入らないので温かい空気が逃げてしまうので、夏の肌掛けふとんやダウンケットなどに使用されることが多いです。 湿気も逃げやすいので、心地よく使えるのですが、冬用の羽毛ふとんには不向きといえます。
2つ目は、表地と裏地の間にマチテープと呼ばれるテープで仕切りを作る立体キルトというキルティングです。
この仕切りがあると生地を縫い合わせる部分に高さが生まれるので羽毛のふくらみを邪魔することなく空気を含み保温力が高くなります。 普通に四角く区切るものもあれば、さまざまな工夫を凝らしたものもあります。 四角く区切るものだとマス目はシングルサイズで4×5マスの20マスが一般的ですが、5×6マスの30マスというものもあります。 マス目の数が多くなると中の羽毛が移動しにくく、あたたかさが均等に保たれると同時にドレープ性(身体へのフィットしやすさ)もアップするので快適に使用することができます。
3つ目は、立体キルトの縫い目をずらして2枚合わせた2層キルトです。
生地を縫い合わせる部分をずらすことによって、立体キルトよりもさらにあたたかさが逃げにくくなる特徴があります。 特に寒冷地にお住まいの方におススメです。 デメリットとしては、間に1枚布があるので少し重くもなることと他のキルティングよりも複雑で手間も掛かるため価格が高くなることが挙げられます。
⑤ダウン(中身)羽毛ふとんを選ぶときに1番初めに考えた方がよいと思われがちなダウンの質についてですが、①~④までの部分で自分に合うものはどれかとある程度目安を決めてからこのダウンに向き合った方が失敗しない選び方ができると思います。
ダウンにはチェックするべきポイントが他の項目よりも多く、中身が見えないため判断する材料に困ることもありますが、順番に説明するので根気よくお付き合いください。
【鳥の種類や産地】 羽毛にはグース(ガチョウ)とダック(アヒル)の2種類があるとご説明しましたが、基本的にグースはダックに比べて身体が大きいため、ダウンボールと呼ばれる羽毛が大きく、ダウンボール1個あたりの毛の本数も多いので、より保温性に優れます。
羽毛の産地はグースとダックでも異なりますが、緯度が高く寒さの厳しい地域の水鳥のものほど良質とされています。 羽毛ふとんでよく使用されているのは、「ポーランド産」「ハンガリー産」「ドイツ産」「フランス産」「アメリカ産」「中国産」が多いのですが、いずれも冬は極寒であり、鳥自身が生き抜くためには、格段に保温力のある羽毛が必要になるためです。 しかし、同じ国で生産された羽毛でも、飼育期間、飼育環境、飼育方法により一概にランク付けはできません。 例えば「ポーランドの羽毛は良くて中国は悪い」というような区別の仕方はできないので、先入観やイメージは持たずにチェックすることが大切です。
【ダウン率】 羽毛ふとんには、ダウンとスモールフェザーが含まれています。 50%以上ダウンを使用しているのが羽毛ふとんの定義で、羽根ふとんは、スモールフェザーが50%以上のものを差します。 一般的に、ダウンの率が高いほど保温力が高く、スモールフェザーの率が高いほど低くなります。 ダウン率80%は、羽毛ふとんの良さを感じることができる最低ラインのダウン率といえます。 真冬だと少し寒く感じる方もいるかもしれません。
ダウン率が90%あると、ふとんの表面を触ってもスモールフェザーのかさかさした感じはほとんどわかりません。 使用したときの柔らかさ、ふかふか感に違いを感じられます。
羽毛の精製技術が発達した今もダウンだけを100%選別することは困難です。 どうしても数%程度のフェザーや「ダウンファイバー」と呼ばれる細いダウンが混ざってしまうので、ダウン100%という商品は存在せず、最高級の羽毛ふとんでもダウン率は95%程度になります。 羽毛ふとんの良さ、睡眠の質改善を求める場合はダウン率93%以上のものがおススメです。
【充填量】 羽毛の適正充填量は特別に定められた規格はないのですが、一般的にシングルサイズで1.0~1.2kg、ダブルサイズで1.3~1.6kg、春秋用の合掛けふとんで0.6~0.8kg、夏用の肌掛けふとんで0.2~0.4kgが適正量とされているようです。 ただ、この量は羽毛の品質などにより微妙に変わってきますので、すべての商品に当てはまるものではありません。
見るからにパンパンに羽毛が詰め込まれていたり、「羽毛増量」と表記されている羽毛ふとんは注意が必要です。 たくさん詰め込まなければボリュームが出ない未熟なダウンを使っている可能性があります。 羽毛の量が適正かどうかを見極めるには、実際にふとんを押してみて、戻り具合をみるとよいでしょう。
羽毛には跳ね返るような弾力はないので、押してみてすぐに戻ってくるような弾力があるときは、羽毛が詰め込まれすぎている場合があります。 手で押して、じわじわとゆっくり戻ってくるくらいが理想です。
また、暑がりの方はダウンの充填量を減らし、ダウン率は高いものがおススメです。 良質なダウンには、湿度が高くなるとダウンボールが閉じて湿気を逃す天然のエアコン機能がそなわっています。 良いダウンは寝汗による湿気をふとんの外に排出しようとしてくれますので、暑がりの場合は充填量を下げたものを検討することがポイントです。
【ダウンパワー】 羽毛の良し悪しを測る基準にダウンパワーがあります。ダウンパワーとは、羽毛のふくらむ力を数値化したものです。 羽毛にふとんの中と同じ圧力をかけた時の、1g当たりの体積をdp(cm3/g)で表します。
ふくらみが大きいほど空気をたくさん含んであたたかくなるので、ダウンパワーが大きいほど高品質な羽毛と言えます。 鳥の種類や産地、飼育日数の違いでダウンボールの大きさは変わりますが、ダックはグースよりも身体が小さいので、ダウンパワーは300〜350dp程度が一般的、400dpに近いほどダウンボールが大きいと推測できます。 一方、グースは身体が大きいので、グースなのにダウンパワーが低い場合はダウンの質を疑ってみた方が良いかもしれません。 グースなら400dp以上を目安に羽毛ふとんを選ぶと良いでしょう。
ラベルなどに表記してあるので、チェックしましょう。
【洗浄度】 羽毛ふとんの洗浄度とは、「羽毛がどれだけ綺麗に洗浄されているか」を表す、JIS規格で定められた数値のことです。 羽毛に付着した汚れを溶かした水を、底の目印がどのくらいの深さまで見えるかを測ります。 洗浄度が高いと得られるメリットは以下の2つです。
・羽毛に付着した汚れが落とされているため清潔 ・羽毛の油脂が適度に除かれているため特有のニオイが少ない
洗浄度において世界一厳しいとされる日本の品質規格において、JIS規格では洗浄度500mm以上を求めていますが、においに敏感な方や心配な方は1000mm以上を選ぶのがおススメです。 洗浄度は購入の際に確認しておきましょう。
羽毛ふとんを選ぶときは自分で触って、体感できる店舗に行くのがおススメ
今はインターネットや通販でもたくさんの羽毛ふとんを取り扱っています。 「時間がないから・・」「わざわざ店舗に行くのが面倒・・・」と簡単に羽毛ふとんを選んでしまい、届いてから「イメージと違う」「においがきつい」「重すぎる」など失敗したというお声を多く耳にします。
頻繁に買い替えるものではない羽毛ふとんなので、ぜひご自身で店舗へ行って触ったり、実際に掛けてみたりして体感してから購入していただきたいです。 店員さんに質問して知識を深めたり、疑問を解消することで間違いない買い物ができるはずです。
羽毛ふとんの使い方の工夫
納得のいく羽毛ふとんを選んだあと、実際に使う際の工夫をご紹介します。
カバーの生地や質にもこだわる羽毛ふとんの側生地にも注意して選んでいるので、直接肌に触れるカバーもこだわってみましょう。 ふとんカバーの素材は、主に「化学繊維」と「天然繊維」の2つに分けられます。 化学繊維のふとんカバーで代表的な素材は、ポリエステルやレーヨンなどです。 化学繊維のカバーは気軽に水洗いができたり、軽量だったりと、利便性の高い素材といえます。 しかし、湿度を調節することが苦手な素材でもあります。 そのため、熱がこもりやすく寝苦しさを感じることがあります。
一方、天然繊維には、シルク・綿・麻などがあります。 天然繊維の素材は、肌触りの良さが特徴です。そして、最大のメリットとして湿度を保つ機能があります。 快適な寝心地を求めるのであれば、天然繊維を選ぶことをおススメします。
ただし、天然繊維のふとんカバーでも柄がプリントされている場合、プリントに化学染料を使用しているものもあるので注意が必要です。 化学染料が使用されていると、吸湿・発散性、生地の柔らかさなどが損なわれてしまいます。 天然繊維であれば、無地のカバーをおススメします。
保温力を上げるための重ね掛けのポイント羽毛ふとんを使用しても寒いと感じる季節や重ねて毛布を掛けたい場合、毛布の素材によって順番が変わります。 綿やウールなど天然繊維の毛布の場合は、羽毛ふとんの下に掛けましょう。 天然繊維の毛布は吸放湿性に優れているため、汗による湿気を吸収して快適な環境を保ってくれます。 特にウールは湿気を熱に変えてくれるため、よりあたたかく眠れるでしょう。
アクリルやポリエステルなどの化学繊維でできている毛布の場合は、羽毛ふとんの上がおススメです。 吸放湿性にあまり優れていないため、羽毛ふとんの下にすると湿気がこもりやすくなり、蒸れの原因となります。
また羽毛ふとんそのものが吸放湿性に非常に優れているため、身体と羽毛ふとんの間に化学繊維の毛布を挟むと、羽毛ふとんの機能を損ねてしまう可能性があります。 化学繊維の毛布は羽毛ふとんの上にかけ、羽毛ふとんの保温性を高めましょう。
重ね掛けについてもっと詳しく知りたい方は「毛布とふとんをかける順番は?適切なかけ方であたたかさがアップ!」の記事をご覧ください。
羽毛ふとんの日常メンテナンスQ&A
せっかく購入した羽毛ふとん、日常にどんなメンテナンスをすれば長く快適に使用できるのでしょうか。 ここではよくある質問の代表的なものをご紹介します。
Q1.羽毛ふとんは天日干ししてたたいてもOK?羽毛ふとんに限らず、ふとんたたきは表面のホコリを落とす程度にしましょう。 ふとんたたきを使用して叩くとホコリが落ちているように見えますが、実は中わたの繊維がつぶれてしまい、強く叩くことによってふとんが傷んでしまいます。 さらにダニの死骸を粉砕して空気中に舞い上がりやすくしてしまい、叩いている時に舞い上がったホコリを自分で吸い込んでしまう可能性も。
また、羽毛ふとんの場合は、目詰め加工した部分から羽毛が吹き出す原因にもなり、ふとんの寿命が低下してしまいます。 通常は軽く手でホコリを払うくらいで十分ですが、ふとん叩きを使用する際は、表面を撫でるように横にすべらせ、ホコリを取り除くようにしましょう。
Q2.上手に保管する方法を教えてくださいふとんの環境として好ましい環境の条件は「高温多湿ではないこと」と「空気が循環していること」の2つです。 特にふとんにとって湿気は大敵です。
ふとんは人が寝ている間にかくと言われている約コップ1杯分の汗を毎日吸っていたり、梅雨時期や冬には結露にも影響を受けて湿気を含みやすいので、注意が必要です。 羽毛ふとんは上に掛けているもので、中身のダウンも動物性なので吸湿発散には優れていますが、汗や湿気を多く含んでしまうと、カビの発生やダニが繁殖する原因につながります。
ダニが発生する好条件は温度が20〜30℃、湿度60〜80%とされており、まさにふとんはダニにとって良い環境となっています。 ダニはどこからでも家に入ってきますし、カビを餌に繁殖するのですが、ふとんにカビは発生させたくないものです。
天日干しがしにくい冬には、ふとん乾燥機を利用しましょう。 ふとんをしっかり乾燥させてくれ、ダニの繁殖予防にもなります。 就寝前の1時間程度、乾燥機を使うことをおススメします。 ふとんが暖まるため、寝付きもよくなります。
シーズン終わり、ふとんの収納に圧縮袋を使う方も多いと思いますが、羽毛ふとんを圧縮袋へ入れることは避けてください。 羽毛が折れたり、壊れたりする可能性があります。 また側生地にフェザーの羽根軸が刺さり、生地を傷めてしまう恐れも。 圧縮袋はビニール製が多いため、湿気がこもり、カビが発生する可能性もあります。 さらに長期間圧縮していると、かさ高が戻りにくくなったり、臭いが残ったりします。 羽毛ふとんの収納に、圧縮袋の利用はおススメできません。 ふとん用の不織布ケースや専用の袋を使用するようにしましょう。
Q3.羽毛のにおいが気になったらどうすればいいですか?羽毛には、種類にかかわらず特有のにおいがあります。これは油脂分が原因ですが、油脂分を完全に除去してしまうと羽毛の寿命が短くなってしまうため、製造工程で洗浄・殺菌を行っても、においを完全に消すことは難しいのが現実です。
もしにおいが気になったら、まず風通しのよいところで陰干しをしましょう。 羽毛ふとん内に含まれる湿気を取り除くと、羽毛の油分が溶け出しにくくなり、臭いが和らぎます。 湿度と気温が高い環境にあった場合、羽毛そのものが熱を含んでいる可能性があります。 陰干しをして、羽毛が持つ熱を取り除きましょう。
干す時間は、日中の天気のよい時間帯がおススメです。 夕方まで干したままにしておくと、冷たくなった空気により逆に湿気を含んでしまうことがあります。 日中、片面1〜2時間程度ずつ干すようにしてください。
さらに羽毛ふとんの中は空気がこもりやすく、臭いもたまりやすいので羽毛ふとんの中の空気を入れ替えましょう。
羽毛ふとんをたたみ、上から押して空気を出します。 あまり強くやりすぎると中の羽毛を傷つけてしまうため、ゆっくり体重をかけるようにしてください。 ある程度空気が抜ければOK。これを3〜4回繰り返してください。
他にもふとんの丸洗いやにおいが気にならないような保管方法について詳しく知りたい場合は「羽毛ふとんがくさい!原因と対策を徹底解説」の記事を参考になさってください。
まとめ
羽毛ふとんの選び方をいろいろな視点から解説しました。
1度購入すると買い替えのサイクルは平均10年以上とされている羽毛ふとん。 安い買い物ではないので、ご自身の体質や住宅・寝室環境に合ったものを選ぶことが大切です。
今はインターネットや通販でもたくさんの羽毛ふとんを取り扱っていますが、実際に店舗やショールームに足を運んで触って試してみることをおススメします。
快適な羽毛ふとんを手に入れて睡眠の質を上げて、笑顔を増やしていきましょう。 |
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