寝る時に暖房はどうしたらいい? 効率的な暖房の使用方法や気になる乾燥対策なども解説!
冬になると「身体が冷えて眠れない」「寒くて途中で起きてしまう」「朝寒さでふとんからなかなか出られない」などのお悩みはありませんか?
寝室の暖房をどうしようかと考える方は多いのではないでしょうか。 エアコンなどの暖房をつければ、部屋は暖かくなりますが、エアコンを使う場合、温風による喉や肌などの乾燥が心配になります。
またひと晩中つけっぱなしだと睡眠の質や電気代も気になるところです。
このコラムでは就寝時の効率的な暖房の使用方法や注意点、乾燥対策もあわせてご紹介していきます。
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寝室に暖房が必要と感じる時期はいつ頃?
冬は日中の活動量も減り、日照時間も短いことから快適な睡眠をとるには少し難しい時期です。 寝室で暖房を活用することで冬でも睡眠の質を落とさずにしっかりと休息していくことが重要です。
寝室の暖房は、室内温度が20℃以下になったらいつでも使えるように準備しておくようにしましょう。
地域においても夜と朝とでは気温差が激しいため、寝る時に室内温度が20℃でも朝方にはぐっと冷え込む可能性があります。 16℃以下になると、快適な睡眠が得られなくなると考えられているため注意が必要です。 その年によって多少の変動はありますが、基本的に11月になれば、沖縄以外の地域で寝る時に暖房が必要になるでしょう。
また、9月から10月にかけて気温差が激しくなるため、東北地域では少し早めに9月中に、その他の地域では10月中に寝室の暖房を準備しておくと良いかもしれません。
寒い季節に快眠するための効率的な暖房の使用方法
睡眠の質が落ちやすい冬の時期を上手に乗り切るためにエアコンの暖房を活用していきましょう。
ここでは効率的な方法を順番にご紹介していきます。
就寝前に掛けふとんや毛布をめくっておく
寝室の暖房を寝床に入る30分前からつけて、掛けふとんや毛布をめくって寝具も暖めるように対策しておくと、ふとんに入った時にヒンヤリ感を感じずに身体が冷えることもなくなり、寝付きが良くなります。
設定温度は19~22℃程度
暖房の温度は、19〜22℃に設定すると快適に過ごせるといわれており、寝る時も同様です。 掛けふとんの質や個人差もありますが、一般的に16℃以下になると寒くて目が覚め、逆に22℃以上であっても睡眠に支障がでると考えられています。
しかし、必ずしも室内温度=設定温度になるわけではないので、室内がきちんと温まっているか、20℃を目安に暖房の設定温度を19〜22℃に合わせて確認していきましょう。 寝室には温湿度計を置いておくと客観的に数字で見ることができるので、便利です。
静音モードや弱風モードで風向きは上向き又はスイングさせてもOK
寝ている時に暖房を使っていて音が気になる場合は、静音モードや弱風モードを利用すると良いでしょう。 暖房時の場合、風向きは下へ向けるのが基本とされていますが、睡眠中は身体に風が当たると不快に感じることもあるため、上向きか、スイングでも構いません。
また、深夜から明け方の冷え込む時間帯は、エアコンが室温を上げようとして運転音が大きくなる可能性もあるので、設定温度は極端に上げすぎずに19〜22℃にしましょう。
寝る30分程前から暖房で寝室を暖める
就寝時に暖房をつけはじめると、暖かくなるまでに時間がかかり、スムーズに入眠できなくなる可能性があります。 そのため、寝る30分前を目安に暖房をつけて、部屋を温めておくようにしましょう。
また、前述したように掛けふとんや毛布をめくって寝具も暖めておくことが基本ですが、それでも寒いと感じる場合は、湯たんぽやふとん乾燥機を使って確実にふとんの中を保温しておくのもおススメです。
起きる1時間程前からタイマーで暖房を稼働させる
気温は深夜から明け方にかけて最も低くなるため、就寝中も暖房をつけたままにするのがおススメです。 ただし、一晩中暖房をつけるのに抵抗がある方もいるでしょう。 その場合は、寝る30分前から就寝後1〜2時間、翌朝起床する1時間前に暖房が稼働するようにタイマーを設定するのが便利です。
起床前に寝室を温めておくと、寒くてなかなかふとんから出られない状況を避けられて寝付きだけでなく寝起きもよくなるでしょう。
エアコンの暖房で乾燥するのはなぜ?エアコンの暖房で乾燥するのは、室内の空気に含まれる水分が減ってしまうからではなく、室内の温度が上がると、湿度(相対湿度)が下がるためです。
空気中に含まれる水分量は、温度が高くなるほど増加し、温度が低いと減少する特徴があります。 例えば温度が20℃の時と温度が10℃の時では、20℃の時の方が多くたくさんの水分を含むことができます。
冬は室温が低くなるため、元々空気が含むことができる水分量が少なくなります。
そこでエアコンの暖房を利用すると、部屋の湿度は上昇しますが、同時に湿度が減少し、乾燥状態になってしまいます。
加湿機能のあるエアコン暖房もありますが、一般的にはないタイプのエアコンが多いため、その場合は空気を直接暖めるあたためることで部屋全体の温度を上げるので、水蒸気は発生しません。 乾燥した環境では、湿気の多い植物や飲み物、衣類、そして身体から水分が奪われ、肌や喉の乾燥を引き起こす原因となります。 特にエアコンは部屋全体を均等に暖めるため、広範囲に影響を与え、乾燥を更に促す可能性があります。 一方で、石油ストーブやガスファンヒーターは、燃焼時に水蒸気を発生させるため、エアコンに比べて乾燥しにくい特徴があります。
暖房の乾燥ダメージを抑えるための3つの対策
暖房の乾燥によるダメージを軽減させるためには具体的にどのような対策をすれば良いのでしょうか。 有効な3つの方法を順番にご紹介します。
加湿器を使用する
加湿器は、湿度を効果的に上げてくれる家電です。 最近では、様々な形状や機能を持つ加湿器が販売されています。
加湿器単体の製品はもちろん、加湿機能が備わった空気清浄機、アロマ対応のタイプ、エアコンと連動して湿度と温度を調整できるもの、さらにはデスクで使える小型の加湿器など、用途に応じた豊富なラインナップが揃っています。 エアコンの暖房を使用するお部屋の広さに適したものを選ぶようにしましょう。
水分補給とマスクの着用
室内の加湿や肌の保湿といった「外側のケア」を行いながら、こまめな水分補給で「内側のケア」も同時に行うことが理想的です。 冬場でも定期的に水分を取って、喉の潤いを保つよう心掛けましょう。
さらに、鼻や喉の乾燥対策にはマスクの着用がおススメです。 空気が乾燥していても、マスクの内側は呼気による湿気で適度に保たれるため、粘膜の乾燥を防ぐことができます。
室内を潤す工夫をする
乾燥が気になる時は部屋の中を水拭きすることでも乾燥対策になります。 特に壁やフローリング、窓などの大きな面を水拭きすると効果的です。 また、カーテンに霧吹きを吹きかけて部屋の中を潤す方法もあります。 カーテンから水分が蒸発するため、乾燥を防げます。
また、1か月に1度ほどカーテンを丸洗いして、そのままカーテンレールに掛けて乾かすのもおススメです。
ただし、加湿しすぎると窓ガラスに結露が生じたり、室内にカビが発生する原因になることがあります。 過度な加湿には注意し、適切な湿度管理を行うようにしましょう。
暖房以外に冬の睡眠の質を向上させるためのポイント
体温コントロールを上手にすることで冬でも睡眠の質を落とさず、快適に眠れるようになります。 ここでは重要な5つのポイントをご紹介していきます。
寝床内気候を意識する
「寝床内気候」とは、寝具と人との間にできる空間の温度や湿度のことを指します。 快適な寝床内気候を実現するためには、夏は室温を26℃に、冬はふとんを使用するため16〜19℃、湿度は通年で50〜60%が理想的とされています。 この環境で眠ることで、過剰な寝汗を防ぎ、最小限に抑えることができます。 季節に応じた寝具やパジャマの素材を選び、理想的な寝床内気候を保つことが「良い眠り」につながります。
適正なパジャマを着用する
スウェットやジャージなどの部屋着を着てそのまま眠っていませんか? 部屋着はリラックスできますが、あくまで起きている時の活動着です。 スウェットやジャージ素材の多くは化学繊維で作られており、ごわつきやすく、蒸れやすい特性があります。 そのため、睡眠中に違和感を感じやすく、暑さや寝苦しさの原因になることがあります。
睡眠の質を向上させるためには、きちんとパジャマを着用することが大切です。 冬には、長袖と長ズボンのセパレートタイプで、襟元やズボンの裾が冷気を遮るデザインであれば、寒さ対策に効果的です。 特に、綿素材のパイル地や多重ガーゼ地、コットンニット製のパジャマは、保温性が高く、肌触りも良いため、おススメです。
寒い時期でも、極端に厚手のものや着込みすぎを避け、ふとんを掛けてちょうど良いパジャマを選ぶことが、快適な睡眠をサポートします。 パジャマについて詳しく知りたい方は 「パジャマの基礎知識や選び方は? 季節ごとのおススメ素材やパジャマで得られる安眠効果をご紹介」の記事をご覧ください。
靴下と厚着は控える
寝る時に靴下や厚着をすることは、体温調節の妨げになるため控えた方が良いです。 身体は、睡眠中に自然に体温を下げることで深い眠りに入る準備をしますが、過剰に暖めるとこのプロセスが妨げられ、眠りが浅くなることがあります。
また、靴下や厚着をしすぎると、身体が自然に熱を逃がしにくくなり、逆に体温調節がうまくいかなくなることがあります。 そのため、過度に暖めすぎず、身体を適度に包み込む寝具の使用がおススメです。
敷きふとん・マットレスにプラスアイテムを取り入れる
実は寝床内の熱のほとんどは敷きふとんを通して逃げていきます。 また、寝床内の保温の約60%は敷き寝具、約40%は掛け寝具が担っているとされています。
冬に人気のマイクロファイバーの敷き毛布(敷きパッド)は温かいですが、主にポリエステル素材で作られているため、吸放湿性が低く、蒸れやすく静電気が発生しやすいというデメリットがあります。 熱がこもりすぎたり、ふとんの中の湿度が高くなると、暑さや寝苦しさを感じ、結果として睡眠の質が低下してしまいます。 敷き寝具に加えるパッドやシーツは、吸放湿性に優れた天然繊維を使用したものを選ぶと、より快適な睡眠環境が整います。 特にウールは吸湿発散性と保温性を兼ね備えた優秀素材なのでウールの敷きパッドはおススメです。
寝る1~2時間前にお風呂に入る
寝る1〜2時間前に38〜40℃のお風呂に入ると、体温が一時的に上昇し、その後の自然な体温の低下が身体に「睡眠時間」の合図を送ります。
特に冬は外気温が低く、体温が下がりやすいので、入浴後の体温変化がより顕著になります。これにより、深い眠りを促し、スムーズな入眠が期待できます。 また、寒さで固まった筋肉をほぐす効果もあり、冬の寒さによるストレス解消にも役立ちます。
まとめ
冬の睡眠の質を高めるためにも、暖房を使って寝室の温度を20℃前後に保つようにしましょう。 また、喉や肌の乾燥を防ぐためにも、暖房を使う時は加湿器や部屋や身体を潤す工夫をしながら部屋の湿度が40〜60%になるように調整しましょう。
暖房の効率を上げるためには、寝室に断熱性の高いカーテンを使用したり、フィルター掃除をこまめにしたりすることがおススメです。
起きる少し前にタイマー設定でオンにすると寝起きもスッキリとするでしょう。 寒い季節もぐっすり眠れるように、ぜひ今回ご紹介したポイントを参考にしてみてください。
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