寝られない時にツボを押すと眠りやすくなる? お悩み別の安眠を誘うツボや押し方のポイントなどをご紹介
「寝つきが悪い」「夜中に目が覚めてしまう」「十分に眠った感じがしない」などのお悩みの方はありませんか。
身体には不眠や安眠に効果的な「快眠のツボ」があり、効果的に押すことで悩みを解消できる効果が期待できます。
このコラムではお悩み別の詳しいツボの位置や押し方、ツボ押し以外の寝られない時のおススメの対策法もご紹介します。
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なぜ寝られない時にツボを押すと効果が期待できる?
ツボは東洋医学から生まれた療法で、人の身体に約360か所あるとされており、ツボを刺激することで全身に流れる気を調整することができるといわれています。
気は、体内に張り巡らされている「経絡(けいらく)」を通って、それぞれ対応する身体の部位や内臓に働きかけます。 経絡には気の出入り口である「経穴(けいけつ)」があり、この位置が「ツボ」です。 ツボは経絡に沿って、全身に点在しています。 ツボを刺激することで気を調整して気の流れがスムーズになると、経絡とつながる臓腑(ぞうふ)が活性化されて、体調が整うという仕組みです。
ツボが寝られない時に役立つ理由としては、寝られない原因にアプローチするツボを刺激することで、心身の不調を緩和して不眠を改善する効果を高められるためです。
ツボ押しは東洋医学の観点からだけではなく、西洋医学においてもツボを押すことで神経への刺激情報が脳へ伝達されて、影響を及ぼすことが判明しています。
また、どのような不眠の原因でも解消するためには自律神経のバランスを整えることが大切です。
自律神経とは、身体の働きを調整する神経のことで、「交感神経」と「副交感神経」のことをいいます。 主に交感神経は身体の働きを促し、副交感神経は反対に休ませるといった役割を持ち、このバランスが重要でこれが乱れると不眠の原因になります。 ツボを押すことでリラックスし、副交感神経を優位にすることで眠りやすい状況をつくることが可能です。
【お悩み別で紹介】安眠効果の高いツボ
眠れない原因は、生活環境や睡眠環境の変化、身体的痛みやホルモンの変化などそれぞれですが、悩みや不安、ストレスなどが強い時に起こりやすいとされており、自律神経の乱れを整えることで安眠効果を高めることが期待できます。
ここではお悩み別でおススメのツボをご紹介していきます。
考え事や不安があり眠れない方におススメ【百会・ひゃくえ】
百会は、「鼻の延長線上と両耳を結んだラインが交わる位置」で頭頂部の近くにあるツボです。 頭頂部よりは、少しだけ前の方にあるので注意してください。
気持ち良さを感じる程度の強さで、小さい円を描くように刺激してみましょう。
百会は全身の気を補い、自律神経を整え、ストレスやイライラした気持ちを落ち着けたり、全身の疲労感を和らげて、不眠症の症状を改善させます。
百会という名前は「多くの経絡が会うところ」が由来です。 その名のとおり、いくつもの経絡が交わっていることで万能ツボとも呼ばれ、睡眠だけでなくさまざまな症状に効果が期待されているツボになります。 頭痛や肩こり、目の疲れなどに効果があったり、抜け毛を予防し発毛を促進する効果も期待できます。
冷えや足の疲れなどで眠れない方におススメ【湧泉・ゆうせん】
湧泉は、「足裏の土踏まずの斜め上辺りで、足の指を曲げて力を入れた時に1番へこむ場所部分」にあるツボです。 足の裏の縦の中心線と、足裏を横に3等分して約3分の1のところが交わる辺りです。
両手の親指でツボを押さえ、残りの指8本は足の甲に当てながら、足先に押し出すイメージで押すと上手く力が入ります。 力が入りにくい場合は、握りこぶしの関節部分やツボ押し棒などを使うと、しっかりと押すことができます。 また、青竹を踏んだり、足裏でゴルフボールを転がしたりする方法も心地良く刺激することができおススメです。
血行促進や疲労回復、倦怠感や足の冷えやむくみ解消に効果があるとされています。
不安やストレスでイライラして眠れない方におススメ【内関・ないかん】
内関は、「手首を曲げた時にできる一番太い横ジワの中央から、ひじに向かって人差し指から薬指まで3本分移動したところにあるくぼみ部分」です。
押すとピリピリとした刺激を感じるので、親指を斜めにし、指先の側面を使って優しく押しましょう。 イタ気持ち良い強さで押しながら、吐く息を長く2〜3回深呼吸をすると自律神経のバランスを整えて穏やかな気分にさせてくれるので、不安やイライラが落ち着くはずです。
また、酔い止めやつわりの緩和でも有名なツボです。 その他、天気等による体調不良の症状緩和や予防、ストレスが関係する胃腸の不調、吐き気、胸やけ、ヒステリー、動悸、めまい、ふらつきなど幅広い心身のトラブルに効果が期待できるといわれています。
肩こりやハリが気になって眠れない方におススメ【天柱・てんちゅう】
天柱は、「後頭部の髪の生え際付近の左右2か所の部分」のツボです。 首筋の髪の生え際の中心、筋肉に挟まれたくぼみを探します。 くぼみを中心として左右に親指1本分の幅程度ずらし、筋のような状態になっているところが天柱のツボです。
両手の親指や手の平で、頭を持ち上げるようにして、じんわり力を入れて5秒押したら力を抜く動作を3〜5回繰り返します。 息を吐きながらゆっくりと押し、頭を後ろに傾けるのがポイントです。
天柱は自律神経の乱れを整えて、さまざまな疲れやこりを緩和する万能なツボといわれています。 消化器や循環器にも作用するとされ、幅広い不調に対応するツボです。 特に首や肩のこりやハリ、目の疲れやかすみなど頭部から首にかけての疲れに効果が期待されています。
鼻づまりで眠れない方におススメ【迎香・げいこう】
迎香は「小鼻(鼻柱の左右のふくらみ)の脇の部分」のツボです。
ツボの押し方は、気持ち良い程度の強さで、5秒ほど押してその状態でキープ します。 そしてゆっくりと指を離します。 これを数回繰り返します。
鼻の通りを良くする即効性のある有名なツボで、鼻の通りを良くし、副交感神経を優位にすることで、睡眠力を高める効果が期待できます。
「迎香」の由来は、字のごとく「香りを迎え入れる」という意味であり、鼻づまりや匂いがわからない方におススメです。 また、美肌のツボとも呼ばれ、顔のたるみやむくみの解消にも役立つといわれています。
寝られない時にオールマイティーに作用する3つのツボどのタイプの人にも効果が期待できる基本ツボの「安眠」と「失眠」と「丹田」をご紹介します。
各症状に合わせたタイプ別のツボを押し、余裕があれば再度この3つの基本ツボを押すのが理想的です。
安眠【あんみん】
安眠は「耳の後ろを触ると骨が出っ張っている部位の下側には、くぼみがあり、その1〜1.5cmほど下にある」ツボです。 その名の通り副交感神経を優位にして眠気を誘うツボともいわれています。
親指を使い、ツボを押さえ、ゆっくりと力を加えていきます。 その際に両手を広げ、親指以外の4本の指で頭を支えるようにすると押しやすくなります。 左右のツボに両手を固定し、頭を左右にゆっくりと動かして刺激していきます。 回数は左右3〜5回が目安です。
睡眠不足の人ほどツボの周辺が固くなっていることが多く、少し痛みを感じるかもしれませんので、刺激しすぎない程度の強さで行いましょう。
失眠【しつみん】
失眠は、「足の裏側でかかと中央の少しへこんだところ」にあるツボです。
足の裏のかかと付近は他の部分よりも皮膚が硬いため、親指で押すよりも、握りこぶしの関節部分や拳で10〜20回ほど軽く叩いたり、湯たんぽなどで温めるたりするだけでも十分に刺激を与えることができるので効果的です。 また、ふとんに横になった状態で両ひざを立ててかかと部分をふとんにゆっくりとこするようにしても良いでしょう。
失眠は、神経を落ち着かせ眠気を誘う効果の他にも足の血流改善やむくみ、膝関節痛、下半身の冷えなどにも効果が期待されています。
丹田【たんでん】
丹田は、「おへその3~5cmほど下当たりにある」部分のツボです。 関元(かんげん)とも呼ばれ、全身の気が集まる場所としても知られています。
丹田は、押すというよりもそっと包み込むイメージを持つことが大切です。 座った状態や寝転がった状態で両手の平を重ねて丹田の上に置き、深呼吸をします。 この時、女性は右手を下にして男性は左手を下にすると良いとされています。 目を閉じて丹田に気持ちを集中させ1〜2分程度継続しましょう。 その際はゆっくりと呼吸しながら、リラックスすると効果的です。
交感神経を鎮めて心身をリラックスさせることで睡眠導入効果が期待されるほか、血行改善やお腹や腰の痛み軽減にも効果があるといわれるツボです。
ツボ押しの効果を高めるためのポイント
ツボ押しの基本としては、正確な位置にこだわりすぎずに行うことがポイントの1つです。 ツボの大体の位置を実際に揉んでみて、筋肉が硬くなっていたり、刺激した際に「気持ち良い」と感じることができればその場所の刺激で問題ないとされています。
その他にツボを押す時のポイントをまとめたので試してみてください。
●押す強さ:「イタ気持ち良い」くらいの強さ ▼注意点 強く押しすぎないよう注意してください。 痛みで覚醒してしまわないように優しく刺激してあげましょう。 ●時間:3秒~5秒程度 ●回数:3~5セットを目安に ●呼吸:ツボを押しながらゆっくり深く呼吸をする(息は止めない)
そのまま寝られる状況で焦らずじっくりと行うことが大切です。 トイレや歯磨きなどは済ませてから寝室の照明を落として行うと良いでしょう。
ツボ押し以外に寝る前にするおススメのこと
ツボ押し以外にも安眠のためにすると良いとされていることはたくさんあります。
特におススメの8つのポイントをあげているので、参考にしてみてください。
●運動と食事のタイミングに気をつける ●入浴で活動モードから休息モードに切り替える ●寝る1時間前にデジタル機器はOFFに ●次の日の準備をしておく ●部屋の照明の色を暖色や間接照明にする ●眠る1~2時間前からリラックスタイムを設ける ●お休み前のストレッチを習慣化する ●その日の嬉しかったことを3つ思い出す
この8点の詳細含めて、寝る前にすると良いことは「今こそ睡眠の質を上げたい!寝る前にすると良い8つのことを徹底解説!」にて詳しくお話ししていますので、そちらも一緒にご覧ください。
まとめ
今回は眠れない時におススメのツボをご紹介しました。
睡眠不足は日中のパフォーマンスにも影響してきます。 質の高い睡眠を十分にとるためにも効果の期待できるツボの存在は知っておくと役に立ちます。
仕事中や作業中どうしても眠くなる方は「眠気覚ましに即効で効果あり?!眠気解消のツボや簡単な対策をご紹介」をご覧ください。
さらにツボ押し以外にも睡眠を味方につけるために効果的な対策も意識してみましょう。
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