寝不足が仕事に与える影響とは? 寝不足の原因や仕事のパフォーマンス向上方法を解説!
寝不足とは十分な時間眠っていないために、活動時間帯に眠気、頭痛、倦怠感などが生じるものです。 その結果「頭がボーっとする」「集中力が低下し、仕事や勉強が捗らない」「ミスが多くなる」など、深刻な問題を引き起こす可能性があります。
このコラムでは、寝不足が仕事にどう影響してくるかや仕事のパフォーマンスを上げるためのコツを朝と夜の行動に分けてご紹介します。 |
寝不足は仕事にどのような影響を与える?
寝不足のまま仕事を続けると、どのようなトラブルが起こるのでしょうか。 考えられるものを順番にご紹介します。
仕事のパフォーマンスが下がる寝不足のまま仕事をすると、日中の注意力や集中力が低下して仕事の効率や質といった全体のパフォーマンスに大きく影響します。 脳がうまく働かないため、例えば通常なら1時間でできる作業に倍以上の時間がかかったりするなど作業効率が下がってしまう可能性があります。 仕事の効率が低下すると「仕事が終わらないため、残業をする」→「帰宅が遅くなり睡眠時間の確保ができない」→「翌日の業務にも支障がでる」という悪循環に陥るケースもあるでしょう。 仕事で最大限のパフォーマンスを発揮するためにも、十分な休養が必要です。
仕事のミスが増える寝不足は集中力や意欲の低下を招きやすいため、普段はしないようなミスを引き起こす可能性が高くなります。 仕事上のミスが起きると職場や取引先にも迷惑をかけるだけでなく、場合によっては顧客に大きな損失を与えてしまうかもしれません。
ミスが増えてしまうと同僚や上司、お客様からの信頼を失ってしまいます。 そうならないためにも、きちんと生活習慣を整えて睡眠時間を確保することが重要です。
情緒不安定になり、人間関係が悪化する寝不足が続くと、ストレスが蓄積しやすく、感情のコントロールが難しくなるので、人間関係にも支障をきたす可能性があります。 情緒が不安定になり、ひどくなるとうつ状態にも陥ります。 不安、恐怖、怒りなど感情のスイッチをオンにする脳の扁桃体が、睡眠不足が長期間続くと簡単に興奮しやすくなるのです。
マイナスの感情が簡単にオンになってしまうことで、普段は気にならないようなことでもイライラしてしまったり、些細なことでストレスを感じたりします。 周りの人間に強く当たったり、不信感を抱く可能性が高まった結果、人間関係が悪化させてしまうことにつながります。
病気にかかりやすくなる睡眠不足の状態が続くと、頭痛や身体の痛み、消化器系の不調などが表れるとされています。 そして免疫力が低下しやすくなるので、体調を崩してしまう人も多いでしょう。 さらに寝不足や不眠が生活習慣病の危険を高めることも分かっています。 よく見られる病気は、高血圧、心血管疾患、糖尿病などで、時には命に関わることもあります。
病気になることは自分が辛いだけでなく、お客様や会社に迷惑をかけることにもつながりかねません。 しっかりと睡眠時間を確保し、体調管理することもビジネスパーソンにとっては重要なことです。
また、睡眠時間が不足すると、食欲を増進するホルモン「グレリン」の分泌量が増え、逆に食欲を抑えるホルモン「レプチン」の分泌量が低下します。 レプチンは、満腹中枢を刺激し、「食欲の抑制」と「消費エネルギー増進」の作用があるため、分泌が低下すると太りやすくなってしまい、結果として肥満やメタボリックシンドロームの危険を高めてしまうこともあります。
寝不足な状態が長期的に続く場合は、疲労を感じる方が少なくありません。 そうなると、動きたくなくなり、日中の活動量が減少します。 活動量が減ると、摂取したカロリーは十分に消費されません。食欲は増しているのに動かないということは、消費されなかったカロリーは体内へ蓄積されます。 こういったサイクルで身体に脂肪が蓄積しやすくなるので、睡眠時間の確保はもちろんのこと、食生活の見直しや定期的な運動を行うように心掛けましょう。
寝不足の代表的な原因は?
寝不足の状態が起きる原因は何なのでしょうか。 代表的なものを解説していきます。
ストレス日常生活の中で、私たちには様々なストレス(負荷)がかかっています。 自律神経には交感神経と副交感神経の2種類があり、交感神経が優位になると「心と身体が緊張・興奮状態となり活動モード」になります。 副交感神経が優位になると「心と身体をリラックス状態に導き休息モード」になります。 日中は交感神経が優位になり、夕方から夜にかけて副交感神経が徐々に優位になって上手く自律神経のバランスを保っています。 しかし、このリズムがストレスによって乱されてしまうと、夜になっても交感神経が刺激されて優位になり、副交感神経に切り替えることができなくなってしまいます。 その結果、眠れなかったり、寝つきが悪くなったり、たとえ眠れたとしても深い眠り(ノンレム睡眠)が十分でなく浅い眠り(レム睡眠)が多くなり、夜中に何度も目が覚める、睡眠時間は確保しているのに熟眠感ないという状態になります。
仕事や家事・育児などタスクが多い日本人の平均睡眠時間は世界的に見ても1番短いことがわかっており、特に40代の女性がその傾向にあるといいます。 仕事の他に家事や育児などもこなし、やるべきことが多く睡眠時間が減り、結果寝不足になってしまうのです。 また、特に都市部においては仕事の残業時間が長かったり、通勤に時間がかかるなども寝不足を引き起こす原因となっています。
PCやスマホによる夜型の生活私たちは、通常日中は光を浴びて明るい環境で過ごし、夕方から夜にかけて暗くなる環境で過ごしています。 体内時計の働きによって自律神経が睡眠リズムを適切に調節しています。 そして、夜になると覚醒から睡眠の状態へと導かれます。
PCやスマホの進化・普及は寝る時間が削られるだけではなく、体内時計を調節しているメラトニンの分泌を低下させます。 夜にPCやスマホでブルーライトを浴びてしまうと体内時計の調節が乱れ、睡眠と覚醒のリズムが崩れます。 その結果、寝不足や自律神経の乱れが生じて、体調不良を引き起こすことにつながります。
仕事をする上で「快眠」が必要な理由仕事で成果を上げたいなら、「快眠できていること」は非常に重要です。 その理由を3つご説明します。
1つ目は睡眠がメンタルや幸福度に及ぼす影響は、食事や運動よりも強く、睡眠が十分取れていないと気分が落ち込み、幸福度は格段に低下してしまうためです。 睡眠不足の状態が続くことで、ストレスを感じやすくなります。 そのような睡眠状態やストレス状態が長期的に続くと、メンタルヘルス不調につながる可能性が高まります。 睡眠はただ身体を休めるだけでなく、記憶や気分調節などの精神面にも大きな影響を及ぼしていることを理解しましょう。
2つ目は、快眠していると仕事のパフォーマンス・効率が上がるためです。 睡眠時間を確保し、質も良いと、昼間のパフォーマンスが大きく変わってきます。 脳がしっかり整理され、身体の疲労も回復することで、学習能力や記憶力も上がって、仕事でもこれまで以上のパフォーマンスを発揮できます。
3つ目は快眠することで、コミュニケーションや人間関係が円滑にいくためです。 仕事をしていくうえで、上司や同僚との信頼関係は非常に大切です。 また、取引先やお客様とのコミュニケーションも重要なポイントになります。 快眠できていると他人を思いやる気持ちが向上し、自己中心的にならずにきちんと周囲の状況や感情を察する余裕ができます。 もし人間関係がうまくいかず疲れているという人は、コミュニケーション・スキルの向上などに目を向ける前に、まずは質の高い睡眠でゆっくりと心を身体を癒してみるとうまくいくかもしれません。
ひとりひとりの睡眠が充足すれば、生産性はあがり、創造的になり、意欲が増し、新たな挑戦を生む可能性が高まります。 さらにメンタル不調に陥るリスクを下げ、ミスや事故の予防にもなります。 結果として、個人の成功と企業の価値を上げることにつながります。
仕事のパフォーマンスを上げるためのコツ【朝編】
朝を制するものが快眠を制するといっても過言ではありません。 仕事のパフォーマンスを向上させるために朝に意識していただきたいコツをご紹介します。
コーヒーは起床してから1時間以上経過してから飲む朝のコーヒーはカフェインの効果で元気にしてくれるのですが、寝起きのコーヒーについては注意が必要です。 人は目覚めるとストレスに抵抗したり、体内でエネルギーをつくり出す「コルチゾール」というホルモンが分泌されます。 寝起きのコーヒーを習慣化してしまうと、このコルチゾールを自発的に分泌する能力が低下してしまうのです。 朝起きてからコーヒーを飲むベストなタイミングは、目覚めてから1時間以上経ったコルチゾールが低下していくタイミングになります。 ここで飲むと午前中の覚醒が持続してくれます。 また、午後は昼食後や14時〜16時の間にコーヒーを飲むことで眠気対策になります。 夕方以降はカフェインの効果が一般的に6〜8時間継続することがあると考えて、コーヒーは飲まないか飲んでもカフェインレスにするなど工夫しましょう。
朝日を浴びる習慣をつける私たちの体内時計は24時間ちょうどではなく、少し長めに設定されています。 そのままにしておくと次第にずれてしまうのですが、朝日を浴びることでリセットできます。 朝起きたらカーテンを開け、しっかり朝日を浴びましょう。 夜の快眠につながります。
また冬は日照時間が短く、起床時間になっても朝日が昇っていないことがあります。 雨やくもりなど、天気の悪い日も同様に朝日を浴びるのは難しく、朝起きづらいと感じることがあるでしょう。 その場合は照明をうまく活用することをおススメします。 朝起きるための照明は、「白く」「強い」光が効果的です。 調光・調色機能がついてタイマーもセットできる照明や光を照射することができる目覚まし時計など様々な商品も販売されています。
ベストな朝食のポイント一般的には人間は朝に食事を摂ることで体内時計にスイッチが入り、目覚めが良くなり、午前中のパフォーマンスが向上すると考えられています。 しかし、夕食が多めで体重の多い方(特に男性)は無理に朝食をとる必要ないともいわれています。 この場合は、前日の食事で蓄えられたエネルギーが起きてすぐに使える状態なので、朝食を食べると過剰摂取になる可能性があるためです。
また、朝食が進まない方は「果物」や「スープ」を取り入れるだけでもエネルギーになり、午前中のコンディションを上げることができます。 さらに朝食ではできるだけタンパク質を摂取するように心がけましょう。 タンパク質を取り入れた方が頭がスッキリし、午前中の集中力アップが期待できます。
適度な運動の後に難しい仕事に取り掛かる前述した通り、朝起きてから1時間後がストレスに抵抗するホルモンであるコルチゾールが1日で1番多く分泌されます。 つまり、人間にとって朝は、最強にストレス耐性が備わっている状態なのです。 最もベストな朝の活用法としては少し運動した後に「難しい仕事を朝のうちにすること」です。 SNSやメールチェックなどの情報はストレスになるので、朝一の最重要事項が終わったあとにすることをおススメします。
仕事のパフォーマンスを上げるためのコツ【夜編】
仕事のパフォーマンスを上げるためには夜の過ごし方にもポイントがあります。
ベストな入浴の3つのポイント入浴をシャワーで済ます方が増えていますが、湯舟につかる最大のメリットは仕事モードのスイッチを強制的にOFFにできることです。 人間は一時的に深部体温を上げることでその後下がる際に眠気が誘発されやすくなります。 寝る1〜2時間前にゆっくりと浸かりましょう。
肩までしっかり浸かる全身浴は、リラックス効果が最も高まります。 全身浴は、水圧と浮力の作用によって、筋肉の緊張をほぐし、血行を促進します。 心身ともに回復が期待できます。 入浴の際には次の3つのポイントを意識してみましょう。
①リラックス効果が最大に保証できるのは全身浴 ②38~40℃の湯温がおススメ ③時間は20分程度
寝る前のスマホ・PCをやめる方法良質な睡眠を得るためには、就寝前にテレビやスマホを見ることは避けましょう。 スマホやゲームを操作することで、脳が活動的になり睡眠を妨げます。 また、スマホやテレビからのブルーライトも睡眠に影響を与えます。
本当はダメだとわかっていても眠る前にテレビやスマホなど、ブルーライトを浴びる習慣がある人は、ブルーライトカットメガネを使用したり、カットシートをつけたりする工夫をして、さらに冷えピタをおでこに貼って頭を冷やすことも意識してみてください。 脳の温度はブルーライトを浴びることでも上がります。 オーバーヒート気味になった脳の神経をクールダウンしてあげましょう。
また、自分の意志ではやめられない場合は「ナイトモード」の活用もおススメです。 指定した時間に画面が暗くなったり、白黒になったりする機能なので、やめやすくなります。 さらに「スクリーンタイム」といった指定した時間に強制的にロックがかかる機能もあります。 物理的にスマホを寝床から離れた場所で充電するなどして視界に入らないようにする方法も一定の効果は期待できます。
寝る前のストレッチで身体をほぐす就寝前に軽いストレッチをすることで、リフレッシュができます。 下記がストレッチ方法です。 ・手首・足首のストレッチ・・・手や足がポカポカしてくるまでゆっくり回します。 温まって手足から熱が放出される事で、身体の深部体温が下がり、眠気が起こりやすくなります。 ・腕のストレッチ・・・大きくゆっくり腕をまわすだけで、肩甲骨周辺の緊張が和らぎ、 筋肉が柔らかくなります。 ・首のストレッチ・・・たっぷりと深呼吸しながら首を大きくゆっくり回します。 右に3回まわしたら、左に3回と続けます。ポイントは深呼吸にあわせてゆっくりと回すことです。
身体の緊張部分をストレッチしてリラックスすることは、快眠につながります。
寝不足で眠くなってしまう場合の対処法万全な状態で眠ったとしても、仕事中眠くなってしまうこともあるでしょう。 そのような時でも簡単に眠気を覚ます方法をご紹介します。
眠気解消のツボを押すツボ押しのメリットとしては、どのような場面や場所でも手軽に行えることです。 押す際の注意点としては、強さは痛みを感じる一歩手前にすることが大切です。 ツボを押すと、神経の通りがスムーズになるといわれています。 ツボを押すやり方や場所に関しては「眠気覚ましに即効で効果あり?!眠気解消のツボや簡単な対策をご紹介」をご覧ください。
誰かと会話をする孤独感や静寂は眠気を誘発する要因の1つです。 人と会話を交わすことで脳に刺激が加わり、眠気覚ましになります。 時間があれば、同僚や友人に話しかける・雑談をするなど、会話の時間を設けてみましょう。 コミュニケーションを取ることで、気分がリフレッシュし、眠気を吹き飛ばすことができます。
仮眠をとる寝不足になると、日中強い眠気を感じてしまいます。 眠気が酷いときは、お昼時間などを利用して15〜30分ほど仮眠をとりましょう。 睡眠時の状態には大きく分けて浅い眠りの「レム睡眠」と深い眠りの「ノンレム睡眠」があり、一定の感覚で交互に訪れます。 入眠後すぐに深いノンレム睡眠に入り、15〜30分の短時間睡眠では、睡眠の深さの4段階あるとされるノンレム睡眠のステージ2ほどで目覚めることになります。 それ以上深いステージの睡眠は夜にとっておかなければならないので、仮眠は必ず30分以内が鉄則です。
仮眠をとると寝不足や疲労が解消され、思考力が戻るため、仕事のパフォーマンス低下も防げるはずです。 遅くても15時ごろまでにとるようにしてください。 これ以上遅くなると体内時計が乱れて睡眠リズムが安定しにくくなります。 仮眠・昼寝についてさらに詳しく知りたい方は「昼寝(パワーナップ)は疲労回復に効果的!昼寝をするときに気をつけたいポイントとは?」をご覧ください。
顔や首をクールダウンさせる顔や首を冷たい水で洗ったりすることで、交感神経が刺激され効果的に眠気を覚まし、すっきり爽快感を得ることができます。
洗顔の他にも歯磨きは、眠気を感じたときに瞬時にリフレッシュする方法の1つです。 歯磨きを行うことで口の中を清潔に保ち、口臭を防ぐことができます。 清潔感があると、気分もスッキリし、眠気を吹き飛ばすことができるでしょう。
まとめ今回のコラムでは寝不足が仕事に与える影響についてご紹介しました。 寝不足のまま仕事をすると、通常では考えられないようなケアレスミスをしたり、効率が下がってしまったり、気持ちに余裕が持てずに人間関係が悪化してしまう可能性が高まります。
ご自身が寝不足になっている原因を明らかにして、改善に努めることが大切です。
しかし、生活習慣を改善しても眠れない場合や自分だけでは解決できない場合、何らかの病気や薬の副作用が睡眠障害を引き起こしていることもあります。 眠れないまま朝になってしまうような日が続くようでしたら、医療機関を受診して相談してみることをおススメします。 |
寝具のメンテナンス情報やぐっすり眠れるコツが満載
新着記事