昼寝(パワーナップ)は疲労回復に効果的!昼寝をするときに気をつけたいポイントとは?
皆さんは昼寝ときくとどんなことを想像しますか。 「子どもがするものなのでは?」 「怠けている、さぼっている」 と感じる方が多いかもしれませんが、実は短時間の昼寝は「パワーナップ」とも呼ばれ様々な効果があるのをご存知でしょうか。
このコラムでは昼寝のメカニズムや効果的に昼寝をするポイントなどを解説しています。 「集中力や記憶力をアップさせたい」「日中の眠気に悩んでいる」という方はぜひ参考にしてみてください。 |
人はなぜ昼間に眠くなるのか昼食を終えて午後の仕事を再開すると、睡魔が襲ってくるという経験をした方も多いのではないでしょうか。 午後に眠くなるのは昼食後にお腹がいっぱいになったからだからだ、と思われがちですが実は食事とはあまり関係なく、もともと人間に備わっている体内時計の働きが大きいのです。
睡眠と覚醒のリズムは、身体の中に“見えない時計”が備わっているから起こる現象です。 体内時計というのは感覚的な話ではなく、物理的にこの“見えない時計”の働きで毎日決まった時間に色々なホルモンが分泌されて、睡眠と覚醒を繰り返す身体のリズムが生まれます。
実は人間の脳は1日に2回、起床から約8時間後と22時間後に眠くなるリズムが備わっています。 この1回目の眠気である起床から約8時間後が、午後の眠気の大きな要因です。
また、その他に睡眠不足や血糖値の上昇による眠気も考えられますがいずれにおいてもこの昼間の睡魔には短時間の睡眠(昼寝・パワーナップ)が効果的なのです。
昼寝(パワーナップ)の効果とは
午後の早い時間に取る短時間の昼寝(パワーナップ)は、眠気をスッキリさせて作業効率アップが期待できるほか、疲労やストレスを低減させるといったメリットがあります。 具体的に期待できる効果について解説していきます。
疲労が回復してスッキリするパソコン作業や大量の情報を処理する場合は、脳に休息を与えてあげることが必要なので、「午後は眠気で頭が回らない」と悩んでいる方により効果が期待できます。
睡眠時の状態には大きく分けて浅い眠りの「レム睡眠」と深い眠りの「ノンレム睡眠」があり、一定の感覚で交互に訪れます。 入眠後すぐに深いノンレム睡眠に入り、15〜30分の短時間睡眠では、睡眠の深さの4段階あるとされるノンレム睡眠のステージ2ほどで目覚めることになります。 それ以上深いステージの睡眠は夜にとっておかなければならないので、昼寝は必ず30分以内が鉄則です。
集中力・記憶力が上がり作業効率が向上する15〜30分ほどの短時間睡眠では前述したように脳の疲れを取る効果があるため、脳が活性化された結果として、朝一のような冴えわたる集中力・記憶力も甦ります。 これにより一度低下した吸収力も再上昇し、知識もグイグイ脳内に浸透していきます。
また、眠気により作業効率が落ちるような場合でも、短時間睡眠を取り入れることで仕事のミスを減らすことができたり、作業効率の向上も期待できるでしょう。
ストレスを緩和させる大学の研究によると、短時間の睡眠により眠気を解消することは、ストレスの低減効果が期待できる可能性があるといわれています。
例えば、昼食後などに眠気がある状態で無理に仕事を続けると思うように仕事が捗らずストレスを感じたり、集中力や注意力が低下し、ミスを起こしてしまうと精神的ストレスを感じることもありますが、この昼寝(パワーナップ)を取り入れるとそのストレスを緩和させることが可能になります。
昼寝をするのに適した時間は
昼寝(パワーナップ)の効果を最大限に得るためには、ノンレム睡眠の状態で適度な深さで眠る必要があります。 ノンレム睡眠は脳が休んでいる状態で、レム睡眠は脳が働いている状態です。
先程も説明しましたが、睡眠の深さには4段階あり、うとうと舟をこぐ睡眠は睡眠段階「1」に相当しますが、脳を休める効果はほとんどありません。 寝入りの5分程がこのステージ1とされることが多いです。 ですが、睡眠段階「3」以上の深睡眠に入ると、夜間の深睡眠を妨げることになってしまいます。 また、脳が深く眠るために、そのタイミングで起きたとしても、眠気や倦怠感が残ってしまいます。
昼寝(パワーナップ)は睡眠段階「2」に行うことがとても大切です。 睡眠段階「2」の状態で目覚めるとノンレム睡眠の効果で脳は休息を取れ、また眠り自体もそこまで深くなっていないのでスッキリと起きることができます。 年代別に適正な昼寝(パワーナップ)時間をみていくと、若年層(20〜30代)では15〜20分間程度、中高年(40~50代)では15〜25分間程度、高齢者(60代以上~)では30分程度が最適な昼寝の時間となります。
<効果的な昼寝(パワーナップ)推奨時間> 若年層(20〜30代)・・・15~20分 中高年層(40~50代)・・・15~25分 高齢者(60代以上~)・・・30分
また、夕方に寝ると夜間の睡眠を妨害してしまいますので、昼寝をするなら15時までにしましょう。
効果的に昼寝をするために気を付けたいポイント
昼寝(パワーナップ)最大の問題点は、継続して行えるかどうか。 昼寝(パワーナップ)の効果を理解していても習慣化できない、広く浸透しない理由は、周囲の環境が重要になるからと考えられます。 会社勤めをされている全ての方が、昼寝できる職場環境とは限らないのです。 ここでは効果的に昼寝をするためのポイントをご紹介しますが、ご自身の環境に応じて無理のない範囲で取り入れられるものから始めてみてください。
昼寝前にカフェインを取るコーヒーや緑茶、紅茶などのカフェイン飲料は、飲んでから覚醒効果が出るまで約15〜20分かかるとされているので、昼寝前に飲むと起床時に頭がスッキリした状態を発揮します。 しかしカフェインは体内に残るため、日中のカフェインの取り過ぎには注意が必要です。
アラームで起床時間をセットする年代に合わせた15分〜30分の短時間で起きることが大切です。 アラームをセットした上で、例えば「15分経ったら起きる」と自分に言い聞かせるようにしましょう。 このように自己覚醒法を使って目覚めると、起床する前から交感神経系活動が高まり、目覚めがよくなることが期待されています。 また、アラーム音は穏やかな音で気持ちよく起きるのも昼寝の効果を上げるコツです。
アイマスクで光を遮る部屋の照明を消したり、ブラインドやカーテンを閉めたりすることで光を遮断することが理想的ですが、職場や仕事上他の人と同じ空間にいながら昼寝(パワーナップ)を実践しようとすると高確率で光を遮断できないケースがあります。
そのような環境の場合は、昼寝用にアイマスクを用意しておくと良いでしょう。 アイマスクで周囲の光を遮断し、落ち着いて昼寝に集中することができます。
音環境を意識するスムーズに入眠するためには、音環境も意識しましょう。
眠りに入るためには木々のそよぐ音や鳥の声などの自然音やクラシックのように歌詞がなく落ち着いた音楽がおススメです。 職場では様々な生活音や仕事上の音が気になると思いますので、イヤホンやヘッドホンをつけて昼寝に入るための音環境を整えていきましょう。
完全に横にならないお伝えしたように効果的な昼寝のためには、睡眠段階「2」の状態で起きることが必要です。 椅子やソファなどに座りながら寝る方が眠りが深くならないため、昼寝には適しています。 その際に頭を壁やヘッドレストなどにもたれかけてもよいでしょう。
身体の締め付けをなくし、リラックスする身体の締め付けを可能な限り減らすことはより迅速に眠りに入るためにも、意外と大切な要素です。 特に椅子で昼寝をする場合、前かがみになるとネクタイは首元を想像以上に締め付けます。 男性の方ならネクタイを外し、数分間でもリラックス出来る環境を整えたり、女性の方も、可能な範囲でリラックスできるスタイルを模索していくことがベストです。
おススメの姿勢は椅子に座って直立不動個人的にお勧めな姿勢は、椅子に少しもたれた状態での、直立不動です。 この直立不動の姿勢がおススメの理由としては、「だらしない印象を周囲に与えない」、「よだれやいびき出にくい」「髪型が崩れにくい」「イヤホンやアイマスクが外れない」などがあげられます。
回数を重ねるごとに短時間でも眠りやすく、より効率的な睡眠が可能になると思いますので、継続して試してみてください。 また、机にうつ伏せても顔に跡が付かない、腕が痛くならないなどのお昼寝グッズもありますので、ご自身のスタイルにあった姿勢であれば取り入れても良いかと思います。
まとめ
お昼から午後3時までの間にとる15〜30分ほどの昼寝は、眠気をスッキリさせて集中力や作業効率アップが期待できるほか、疲労やストレスを軽減させるといったメリットがあります。
ただし、長時間の昼寝は目覚めても眠気が残ったり、逆効果になったりする可能性があります。
昼寝(パワーナップ)では、目をつぶるだけでも脳の処理を約8割軽減させることが可能だといわれています。 これは私達の目から入る視覚情報が、脳の仕事を圧迫しているためです。 目を閉じ光を遮断することで、脳を効率的に休ませることが可能になります。 まずはそこから始めてみるのもいかがでしょうか。 短時間睡眠の効果を理解し、効率よく取り入れて、日中のパフォーマンスをより良いものにしていきましょう。 |
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