花粉症の辛い症状で寝られない! 原因や対処法を知って花粉症に負けない睡眠術を身につけよう
花粉症とは、スギやヒノキといった植物の花粉が原因となるアレルギー症状の1つです。 花粉症の症状は、外気にさらされている鼻と目にあらわれやすく、くしゃみや鼻水・鼻づまり、目のかゆみやのどの違和感などがみられます。
また、花粉症は医療用語で「季節性アレルギー性鼻炎」と呼ばれています。 重症化すると、鼻の諸症状がひどい状態になる人も少なくありません。 特に花粉症の時期は夜に症状が強くなり、寝られなくなって睡眠不足に陥る方が多くなります。
このコラムでは夜に症状が悪化する原因やそれぞれの症状別のおススメ対処法、花粉症に負けない日常生活で意識したい注意点などをご紹介していきます。 |
花粉症の症状が夜になるとひどくなる原因は?花粉症の症状があらわれると、目のかゆみや鼻水、鼻づまり、くしゃみなどの諸症状が起こるため、夜になかなか寝付けず、不眠や寝不足になってしまう可能性があります。 場合によっては日常生活に支障をきたすことも考えられます。 ここでは夜に花粉症状がひどくなる原因について確認していきましょう。
日中に吸ってしまった花粉が時間差で影響しているため花粉に対するアレルギー反応は、アレルゲンを吸い込んでから数分~数十分内に起こる「即時相反応」と、6〜10時間くらいあとになって起こる「遅発相反応」の2つがあります。
花粉を吸い込んだ直後に、目のかゆみや鼻水、くしゃみなどのアレルギー症状が出る「即時相反応」は、水や洗浄液で花粉を目や鼻の粘膜から取り除くと、症状が治まります。 即時相反応とは異なり、時間を置いて症状があらわれる「遅発相反応」は、目や鼻から花粉を取り除いても炎症が治まらず、粘膜の腫れや鼻づまりなどの症状が続く可能性があります。 また、日中に吸い込んだ花粉が原因で、「遅発相反応」が原因で寝る前や夜間に鼻づまりやせき、息苦しさなどの症状が出ることもあります。 昼間に吸い込む花粉の量が多ければ多いほど、「遅発相反応」によって、夜の症状が悪化し、結果として睡眠が妨げられてしまいますので、日中の花粉対策をきちんと行うことが、睡眠時の花粉対策にもつながります。
外出先でついた花粉を家の中に持ち込んでいるため知らず知らずのうちに、室内に花粉を持ち込んでいることも原因の1つです。 部屋を換気する際に入ることもありますが、洗濯物やふとんを外干ししていた場合、衣類や寝具に花粉が付着したまま取り込むことで、室内に花粉が舞うこともあります。
さらに外出時に花粉が服や髪の毛に付着している可能性も十分あるでしょう。 帰宅した際はまず玄関先で花粉をはたいて取り除き、すぐに洗面所で手洗い・うがい・洗顔などをして素早く花粉を除去する習慣をつけることが大切です。
花粉症の薬の効果が薄れるため花粉の時期は、花粉症の薬を服用している方も多いかと思います。 飲むタイミングによっては花粉症の薬の効果が切れ、夜に症状がひどくなる可能性もあります。
ですが、薬は用法や用量を守ることで症状に効果を発揮します。 「薬が切れてきた気がする」などといって、服用間隔を自己判断で変えないよう注意しましょう。
また、飲み薬と点鼻薬や点眼薬を併用するなど症状によって試してみるのもおススメです。 花粉症の症状を最小限にとどめるためには、花粉が飛散し始めたときから飛散のピークを過ぎて症状も気にならなくなるまでの期間は花粉症の薬を服用しておくようにしましょう。
夜には副交感神経が優位になるため夜入浴すると日中に付着した花粉を洗い流せて、リフレッシュできるのですが、お風呂上がりは、くしゃみや鼻水がひどくなりやすい傾向があります。 さらに、お風呂上がりは寒暖差によって、アレルギー症状が出やすいこともあります。
一般的に入浴をすると副交感神経が優位になって、副交感神経優位の状態は、くしゃみや鼻水を引き起こしやすくなるといわれています。 副交感神経の働きが強くなるとこれらの症状が出やすくなりますが、「活動モード」の交感神経と「休息モード」の副交感神経のバランスが乱れていると、花粉症の症状を悪化させてしまいます。 自律神経を整えるような食事や運動、睡眠など生活習慣を意識してみることも大切です。
眠りやすくする症状別の適切な対処法花粉症といっても様々な症状があります。 複合的に出る方もいますが、それぞれの症状別におススメの対処法を解説していきます。
【鼻水・鼻づまり】への対処法寝る前に蒸しタオルなどを使用し、鼻のまわりを温めてみると、血行がよくなることで鼻腔が広がり、一時的に鼻のとおりがよくなることが期待できます。 電子レンジで温めた蒸しタオルを鼻のつけ根に2〜3分程あてたり、マグカップに熱湯を入れて温かい蒸気を吸い込んだりすると、鼻水の症状が和らぎます。
鼻の粘膜は自律神経の影響を強く受け、副交感神経が優位になると粘膜が膨張して異物の侵入を防ぐようになっています。 夜に鼻づまりが起こりやすいため、横向きで鼻づまりの側を上にして睡眠をとると、下側のわきの血流が減少して、鼻の通りが改善されることがあります。
また、鼻づまりに効果的なアロマを試してみるのもおススメです。 例えば「ティーツリー」はペパーミントのような清涼感があるので、レンジで温めた蒸しタオルにこのアロマを1滴たらし、鼻のまわりにのせると鼻の通りが良くなるといわれています。 ただ清涼感があるだけに目が覚めてしまう可能性もあるので、1回に使用するのは1滴が適量とされています。
さらに就寝前にハーブティーを取り入れる場合は、ミントティーがおススメです。 ポイントは、お湯の温度と飲むタイミングで、少し熱めの60℃ぐらいの温度で就寝前30分前からゆっくり飲んでみると良いでしょう。
【のどのイガイガ・咳】への対処法のどのイガイガや咳などの違和感は、花粉のアレルゲンを洗い流すことと吸い込まないようにすることが有効な対処法になります。
のどに付着した花粉のアレルゲンを洗い流すのには「うがい」が効果的です。 顔を上に向けてのどを洗うようなイメージで行うことがポイントです。 また、その後はのどを乾燥させないように保湿することが大切です。 常温の水やぬるま湯を、少しずつこまめに飲むようにしましょう。
夜に「マスクをつけて寝る」というのも有効な対策の1つです。 就寝中に花粉を吸い込まないようにすることで、夜から朝にかけての症状を軽減できるでしょう。 通気性の良いマスクや就寝用のぬれマスクなどを選んで使用するようにします。 また、寝室の湿度を50〜60%に保てるように加湿器を併用することもおススメです。
【目のかゆみ】への対処法目のかゆみを落ち着かせる対処法は、まず冷やしてみましょう。 清潔なタオルを冷水に浸したり、保冷剤をタオルに包んだりして目もとにあてます。 冷やすことで炎症が少し治まるとかゆみも和らぐとされています。
また、目を洗う際は水道水ではなく、市販の洗眼液や人工涙液を使用するのが良いでしょう。 人工涙液の場合は2〜3滴さして、あふれた分を軽くティッシュで拭き取れば、目の表面は十分に洗うことができます。 さらに冷蔵庫で冷やして使うとスッキリし、気分のリフレッシュも期待できます。
夜の花粉症状を抑えるために気をつけること
花粉の時期に特に気をつけるべきことを順番にご紹介していきます。
こまめに掃除や洗濯をする室内の花粉をなくすため、こまめな掃除や洗濯を心がけましょう。 花粉シーズンの洗濯物は室内干しにしたり、寝具はふとん乾燥機を使ったりするのがおススメですが、どうしても外に干したい場合は、花粉の飛散量の少ない午前中が良いでしょう。 午前10時までは外干し、その後は室内に取り込んで部屋干しに切り替えるのが良いです。 また、朝から雨の日は、花粉が開花できず花粉量が少なくなるので、雨の日を利用して上手にお部屋の換気を行いましょう。
室内に入り込んだ花粉は床やカーテン、ソファなどに付着し、歩いたり座ったりするたびに空気中に飛散します。 部屋はこまめな掃除を心がけ、花粉を最小限に抑えましょう。 特に花粉が入ってきやすい玄関のドアや窓の近くは、入念に掃除することをおススメします。 晴れている日の換気は、窓を開けるときは幅10cm以下に留めた上で、レースのカーテンを引くなどして、外からの花粉をなるべくシャットアウトすることも重要です。
また、寝具やシーツ・カバーを清潔に保つことも非常に大切です。 花粉のシーズンに外干しすると花粉が付着し、夜間の症状の悪化につながります。 シーツやカバーは部屋干しするか、外に干しても室内に取り込むときに屋外で花粉を払うなど注意しましょう。 ふとん用のクリーナーやふとん乾燥機などを利用し、花粉シーズンはふとんの外干しを避けるのも有効な対策のひとつです。
ふとん(寝具)の花粉対策については「【ふとんの花粉対策6選】花粉シーズンに快適な睡眠を保つために」の記事で詳しく解説していますので、ぜひ参考にしてみてください。
花粉を付着させないための行動を意識する外出すると、身につけているものや髪の毛には花粉がついてしまいます。 家に入る前に外で、服やカバン、髪などについた花粉をしっかり払い落とすようにしましょう。
外出する際はマスクや眼鏡、帽子を着用することで、花粉との接触を抑えることができるので取り入れてみましょう。 眼鏡は防御カバーのついた花粉症用のものであればより効果が期待できます。
また、外出時には花粉がつきやすい素材の衣服を控えるのも有効です。 毛足の長いウールやアクリル素材は、花粉が絡みやすいため注意し、綿やポリエステルなどの化学繊維やツルっとした素材に変えてみましょう。 さらに静電気防止スプレーや花粉をブロックする柔軟剤も販売されているので、外出時に試してみると良いかもしれません。
窓やドアをしっかり締めて、空気清浄機を使用する「適切な換気以外の窓は締める」、「必要外に玄関のドアを開け閉めしない」など気を付けてはいても花粉シーズンは、室内に知らないうちに花粉が持ち込まれてしまいがちです。 日常のふとんの片づけや着衣脱衣などでも、部屋の中に花粉は舞います。 ぬれたタオルやフローリング用のシートなどで拭き掃除をこまめに行い、室内に花粉が蓄積されるのを防ぎましょう。
さらに空気中の花粉を除去する空気清浄機が有効です。 空気中に飛散している花粉は、空気中の湿度が高いほど床に落ちやすくなるため、加湿器を併用するか、加湿機能が備わった空気清浄機の使用がおススメです。 設置場所のポイントとしては、部屋の入り口付近や玄関に設置すると、高い効果が得られます。 また、空気清浄機の吸い込みと吹き出し口を塞がないようにすることで、室内の空気が効率よく循環し、空気の質を向上させることができます。 そのため、壁や家具などとの距離は適切に保つことが大切です。 花粉対策には空気清浄機を24時間連続して運転するのが理想とされています。 そして、生活シーンやホコリの発生量に合わせて風量を使い分けることが重要です。 例えば、掃除中や洗濯物を取り込んでたたむ際には大風量で素早くキャッチし、それ以外の日常生活では内部センサーに任せる自動運転がおススメです。 就寝中は音も気になるので、最小の風量に調整するようにしましょう。
食事・アルコールなど生活習慣の見直しを行う花粉の時期は特に生活習慣の見直しが大切です。
喫煙や飲酒は花粉症の症状を悪化させる一因のため、なるべく控えましょう。 タバコ・アルコールは鼻の粘膜を刺激し、鼻の諸症状が悪化する可能性が高まります。
食事では、意識的に乳酸菌やビタミンD、食物繊維を摂取するよう意識すると腸内環境を整えて免疫機能を正常にしてくれるので花粉症対策に効果があるとされています。 ビタミンDを多く含む代表的な食品は、干ししいたけやイワシ、シラス、紅鮭などで、食物繊維はわかめやヒジキ、芋類などなので、それらと乳酸菌を取り入れつつ、バランスの良い食事を目指しましょう。
そして運動不足が続くと、身体・心の健康状態が低下し、それによって免疫力も低下し、花粉症の症状が重くなる可能性があります。 適度な運動は免疫力の向上はもちろん、ストレス発散にもなります。
まとめ気候も良く気持ちも明るくなる春は、いろいろな場所に出掛けたくなります。 しかし、気温が高く天気の良い日は大量の花粉が飛散してしまうのが現実です。
就寝時にはゆっくり休みたいのに、なぜか外にいるとき以上に花粉に悩まされることが多い・・・ ということを減らすためにも、夜に花粉の症状が悪化する原因や対処法、少しでも症状を抑えるために気を付けるポイントなどを理解し、実践してみることが大切です。
リラックスした状態で快眠できるよう、花粉症に負けない対策のためにぜひ参考にしてみてください。 |
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