ベッドマットレスの有効なダニ対策とは?タイプ別の駆除や予防方法を解説
ベッドのマットレスは、毎日使うので寝汗や髪の毛などの汚れがたまり、ダニが繁殖しやすくなりますが、敷きふとんと違って、気軽に天日干しやクリーニングをすることはできないので、どうやってダニ対策をすればいいのか分からないという方も多いのではないでしょうか。
ダニはアレルギー性鼻炎の原因となるばかりか、アトピー性皮膚炎、気管支喘息など、さまざまなアレルギー性疾患を引き起こす原因にもなりかねないため、きちんと対策をしておくことが大切です。
このコラムでは、ベッドのマットレスのダニを駆除するときの方法や、ダニ予防に適したアイテムなどを紹介していきます。 |
ダニが発生する条件とは高温多湿の環境(気温25℃、湿度70%以上)は、ダニにとって生息しやすい環境です。 現代の住宅は気密性が高いため、梅雨はもちろん、冬の暖房の効いた室内も高温多湿となり、1年中ダニの発生する条件を満たしています。
寝具の中に住んでいる主なダニは「ヒョウヒダニ」です。 ダニは、食べカスやホコリ、人間のフケなどをエサとしています。 一見キレイに見えるふとんですが、寝ている間に剥がれ落ちたフケやアカが付着しています。
さらにふとんやマットレスは、繊維が密集しています。 そこはまさにダニにとって、外敵から身を守るため、隠れるのに絶好の場所です。 自分自身が隠れるだけでなく、卵を産むのにも安全な場所となります。 ダニの平均寿命は約3カ月前後ですが、生きている間に100個程の卵を生み、大量に増え続けます。
ダニを放置するとどうなる?ダニを放置することで、どのような悪影響が及ぶのでしょうか。 ダニ対策の重要性を知るためにも、確認しておくことが大切です。
気になって眠れないマットレスにダニがいるのを見つけてしまった場合、そのふとんで眠ることに抵抗を感じる方がほとんどだと思います。 たとえ気づいたダニが少しだとしても「ほかにも何十匹、何百匹のダニが潜んでいるのではないか?」と思うと、気になって眠れません。
またダニが発生しているということは、寝具が清潔な状態ではない可能性もあります。 そのような環境では質のよい睡眠が確保できず、朝起きたときに「ぐっすり眠れた気がしない」「疲れが取れていない」などと感じることが増えていってしまいます。
アレルギー症状を引き起こす人を刺すことはないヒョウヒダニですが、死骸やフンによってアレルギーが引き起こされることがあります。 ダニがいるマットレスを使うことによって、 寝ている間に死骸やフンを吸い込み、それが原因で次のようなアレルギーが現れることもあります。
・アトピー性皮膚炎 ・気管支喘息 ・アレルギー性結膜炎 ・アレルギー性鼻炎
特に小さなお子さまに特に心配な「アトピー性皮膚炎」や「気管支喘息」「アレルギー性鼻炎」の約7割が、原因はダニだと言われていることも… アレルギー対策のためにも、ダニを適切に除去することが望ましいです。
ベッドマットレスに有効な3つのダニ対策ダニの種類や被害についてご説明しましたが、しっかりとダニ対策を行えば問題ありません。 ここではマットレスのダニ対策についてご説明します。 ダニ対策は「駆除→除去→予防」の順番で行う必要があります。
ダニを駆除する■側生地を高温で洗濯&乾燥させる 側生地を取り外すことができるタイプのマットレスなら、こちらの方法がオススメです。 60℃以上のお湯で洗浄し、乾燥機で30分程熱を加えることでダニを退治できます。
ただし、側生地が高温や乾燥機使用に適応している素材なのか事前に確認することが大切です。
■クリーニング業者 費用は高いですが、マットレスのクリーニングを請け負っている業者さんもいます。 ダニはもちろん、カビや汗染みなどの汚れも一掃することができます。
費用は一般的にシングルサイズで9,000円〜15,000円程が相場ですが、マットレスの種類によってはクリーニングができない場合もあります。 ご自宅のマットレスの仕様を確認し、依頼する前に対応可能か問い合わせを行いましょう。
■ふとん乾燥機で熱処理 朝晩2回の熱処理を、3日程度続けて行うことで、ダニ退治効果を期待することができます。 ダニは暗い場所に移動する性質があるため、部屋の電気を消し、ダニが表面へ出てくるのを1時間ほど待ってから、ふとん乾燥機をかけると効果的です。
こちらも高温での処理が可能な素材かどうか、行う前にマットレスの仕様を確認しておく必要があります。
■薬剤処理 マットレスのダニ駆除が可能な薬剤が市販されています。 ダニ退治用のグッズにはたくさんの種類がありますが、必ず寝具用を使いましょう。 比較的簡単で安価にダニを退治することができますが、薬剤の使いすぎには注意してください。
ダニを取り除くダニを退治しただけで安心できません。 マットレスにはまだダニの死骸や糞、抜け殻などダニアレルゲンと呼ばれる、アレルギーの原因となる物質が付着しているため、ここではダニアレルゲンの除去方法について紹介します。
ダニ退治が終わっても、そのままにしていると寝ている間にフンを吸い込んでしまうことがあるので、ダニ退治と除去は一連の流れとして行う必要があります。
マットレスクリーナーのような専用のものがあれば良いですが、もしでなくても、吸引力の高い掃除機であれば効果は期待できます。
特に「マットレス表面の枕を置く位置」や「マットレスとベッドフレームの隙間」、「カバーの縫い目の隙間」はダニが多く潜んでいる場所なので、ダニの死骸、糞などのダニアレルゲンも同様に多いと考えられます。 注意してじっくりと掃除しましょう。
ダニを予防する今後もまた再度ダニが発生する可能性もあります。 最後に、ダニの再発を防ぐ方法を紹介します。 定期的なお手入れと日常的なマットレスの保護が重要です。
■マットレスのお手入れ方法 1:【毎朝】起きたら掛けふとんを外して湿気を逃す 2:【週に1回】ベッドシーツを交換・洗濯する 3:【2週間に1回】マットレスを壁に立てかけて通気する 4:【1ヶ月に1回】ベッドとマットレスに掃除機をかける 5:【半年に1回】マットレスをローテーションする(天地・上下を変える)
また、マットレスの上にそのまま寝ていたり、シーツ1枚ではマットレスの保護は不十分です。 ベッドパッドなどを併用して湿気と汚れからマットレスを守りましょう。
さらにダニ発生の予防策としては、防ダニシーツが効果的です。 さまざまな素材が使用されていますが、シーツとしておススメの素材は綿100%です。
綿100%のシーツはやさしい肌触りが魅力で、夏はサラサラっとした気持よさがあり、冬はぬくもりのある温かい気持よさを提供してくれます。
通気性と吸水性といった機能にも優れ、ふとんの中がムレにくく、快適な空間に保ってくれます。
ベッドマットレスタイプ別:駆除の注意点前項でご紹介したようにマットレスのダニ駆除方法には色々とあります。 お持ちのマットレスや予算に合う方法で行っていきましょう。
側生地がとれるノンコイルタイプ側生地(元々付いているカバー)を外して高温で洗濯機で洗うか乾燥させましょう。 寝具のダニは60℃以上の熱で退治できると報告されています。 中材の素材もエアーファイバーのようなものなら自宅のシャワーで水洗いが可能ですが、ウレタンや高反発ラテックスなどは水で洗うことにより劣化してしまいやすい素材なので基本的に水洗いは不可と考えて良いでしょう。 その為、側生地を洗うことで清潔に保てるように意識してメンテナンスをすることが大切です。
側生地と一体化したコイルタイプ側生地と一体化したタイプのマットレスは自分では洗うことができません。 出張クリーニングならダニだけでなくマットレスの汚れ(カビ、汗染みなど)を全般的にキレイにできます。 とはいえ、出費が高くつきます。 マットレスのサイズにより変動しますが、一般的に9,000円〜20,000円前後と考えておくと良いでしょう。 オプションでダニ駆除などをお願いすることもできます。
側生地が外せないマットレスは自分ではクリーニングすることができないため、元々の値段が10万円以上した方や思い入れがあるマットレスなので長く使用したいと考えている方にはおススメできる方法です。
また、ベッドマットレスは厚みがあるものが多いのでふとんより効果は薄いかもしれませんが、掃除機を使用したダニ対策は自宅でできるので1度試してみるのも良いでしょう。 掃除機を利用したダニ対策を詳しく知りたい方は「ふとんのダニ対策は掃除機がおススメ!ダニを増やさないための方法」をご覧ください。
ベッドの下や配置にも気を配ることが大切ダニ対策はベッド周りの空間の気配りもとても大切です。 ベッドの下はホコリが溜まりやすい上に湿気も溜まりやすいため、ダニが好む環境になりがち。 そうならないために、日頃から心がけたい対策を見ていきましょう。
ベッドの下●こまめに掃除をする 掃除機やフロアモップなどで週に1度はお掃除をしましょう。 特に綿ボコリの中には、ホコリだけでなく、フケやアカ、髪の毛などが混じっています。 ベッドの隅に、湿気を含んだ綿ボコリが大量に積もっていたら、それは格好のダニの住みかです。 掃除機やモップで取り除いたあとは固く絞ったぞうきんで、ていねいに拭き取るようにしましょう。
●ベッド下にモノを置かないようにする ベッド下に収納が付いているタイプでなければ、ベッド下を収納スペースにするのはやめた方が賢明です。 掃除がしづらいだけでなく、物を置くことで通気性が悪くなり、湿気が溜まりやすくなってしまいます。 ただでさえ、マットレスの寝汗が湿気となってこもりがちな場所なので注意が必要です。 ダニだけではなく、カビの発生原因にもなりかねません。
ベッドの配置配置する場所によっては睡眠に影響が出ることもあります。 ここでは、ベッドを置く際のポイントを紹介します。
●窓に頭が向かないようにする 窓からは外気が入り込みやすく、外の冷たい空気が伝わりやすいため頭のすぐ上に窓が来る位置は避けましょう。 枕元は壁に接している方が精神的に落ち着き、体調面にも配慮されたレイアウトです。
●ドアに頭が向かないようにする ベッドやふとんから真正面に部屋の扉が見えていると、誰かが入ってくる気がしたり、見られているような気になって、落ち着いて寝ることができなくなる場合があります。 自分では気にしていないつもりでも、ストレスが生じやすいため、入り口を開けた瞬間にベッドが目に入る配置や、ドアの直ぐ隣にベッドを設置するのは避けることをおススメします。 どうしてもそのような配置にしなければならない場面では、視線を遮る形でインテリアアイテムを使用するなどの工夫が有効です。
まとめベッドマットレスを使用しているからといってダニがよってこないわけではありません。適切なダニ対策が必要です。 ダニを退治してからしっかり除去し、再発させないための予防も大切です。 防ダニグッズを上手に取り入れたり、意識して日頃のお手入れをしたりすることで効果が期待できます。 清潔で心地よい環境にして、睡眠の質を高めましょう。 |
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