いびきがうるさくて寝れない!! いびきの対処法と原因を解説
朝までぐっすり眠りたいのに、隣で寝ている家族やパートナーのいびきがうるさくて目が覚めてしまう…… そんな悩みを抱えている方は意外と多いのではないでしょうか。
毎日のことなので睡眠を阻害されてしまうくらいのいびきは何とか改善したいものです。
また、いびきをかいている本人は気付いていなくてもそのいびきには身体からのサインが隠れている場合もあります。 原因を探して、適切な対処を行えばいびきを軽減させることも可能です。
このコラムではいびきを引き起こす原因やかきやすい人の特徴、ご自宅でできる対処法などをご紹介しています。 |
いびきのメカニズムとは?そもそも起きているとかかないのに、どうして寝ているといびきをかくのでしょうか? いびきが発生するメカニズムやその種類についてみていきましょう。
なせいびきをかくの?人は寝る時に身体を横にして休めます。 その時に重力の影響で舌が喉の奥に下がってきて、周辺の筋肉も緩むので気道が狭くなります。 この狭い気道を空気が通るとき、周辺の粘膜を振動させるので音が出るのが「いびき」です。
一般的には、極端に狭くなることはないので寝息程度の音しかしないのですが、何らかの異常があると、のどの狭まりもひどくなり、いびきに発展するのです。
例えば窓を少しだけ開けておくと、強い風が吹き込む際に笛のような音が鳴ることがありますが、それは狭い気道を空気が通るのと同じ原理です。 気道が狭くなる原因は様々ですが、場合によっては病院で専門的な治療が必要なこともあるので注意が必要です。
いびきの種類【単純性or習慣性】いびきは大きく分けて2種類あります。 「単純性いびき」は、散発的な原因でいびきをしているという状態です。 一過性のいびきであり、基本的に病的な要因でいびきをしているわけではないのが特徴です。 多くの場合は疲れたときやお酒を飲んだ後、風邪をひいて扁桃腺がはれている、花粉症で鼻がつまっているときなどに起こり、これらの原因を取り除くことでいびきの症状も改善されます。
「習慣性いびき」は、寝ているとき常にかいている状態です。 習慣性いびきには、「上気道抵抗症候群」という睡眠時無呼吸症候群の軽症型ともいえる状態で、低呼吸や無呼吸は見られないのですが、上気道が狭くなって強い力で呼吸することにより睡眠の分断などの症状があるものがあります。 しっかりと眠ることが難しくなるため、日中に眠気を感じることが多いのが特徴です。 もう1つ「睡眠時無呼吸症候群」は睡眠中に低呼吸または無呼吸が生じ、体が低酸素状態になる症状です。 寝ている間に呼吸が止まりそうになったり、実際に止まったりするいびきです。 睡眠が分断されるため睡眠不足になり、日中に強い眠気や疲労などを感じます。 この状態が続くと 脳や身体にダメージを与え、命に関わることもありますので早めに治療を受けるようにしましょう。
いびきの種類【鼻いびきor喉いびき】私たちは鼻や口で呼吸をしていますが、寝ている間は、さまざまな理由で空気の通り道(気道)が狭くなることがあります。 気道が狭くなる原因が鼻にあるときを「鼻いびき」、口の中にあるときを「喉いびき」といいます。
「鼻いびき」の主な原因は、風邪やアレルギー性鼻炎による、鼻づまりです。 鼻の粘膜が炎症を起こして鼻の息の通り道が狭くなることで音が鳴ります。 鼻の真ん中の骨が曲がっている鼻中隔湾曲症が原因となっている場合も。
「喉いびき」の主な原因は、寝ている間に舌が気道に落ち込んでしまうことです。 扁桃腺が生まれつき大きかったり、病気で炎症を起こしたりしても喉いびきを引き起こしてしまいます。 喉いびきの場合は、寝ている間に呼吸が何度も止まる睡眠時無呼吸症候群の原因となり、治療が必要となることがあるので、注意が必要になります。
いびきをかく原因は何が考えられる?
いびきの発生につながる原因は様々です。 ここではそれぞれの原因についてみていきましょう。
枕が高い・合っていない枕が高すぎるとアゴが引けて首が曲がってしまうため気道が圧迫され、いびきをかくようになりますが、だからといって低すぎつ枕がいいわけでもなく、あくまでも自分の体型や使用している敷き寝具とのバランスを考えて適切な高さの枕を検討しましょう。 枕の硬さについても沈み込んでしまう素材ではなく、適度な反発力を持って必要な寝返りがしやすい素材を選ぶようにすることがおススメです。
寝姿勢や口呼吸仰向けで寝ていると、重力によって舌根沈下が起きやすくなり、上気道が塞がれてしまいます。 手を上に上げて寝る姿勢も顎が圧迫されて気道が狭くなるので、いびきをかきやすくなります。 また、口呼吸は気道が狭くなりやすいため、空気の通りが悪くなりいびきの原因になります。 さらにストレスが溜まると全身を休ませるため全身の筋肉が緩みます。 そうすると喉の周辺の筋肉も緩み舌根が喉の奥まで落ち込んで、更に気道を狭めてしまいます。
アルコールやたばこアルコールは筋肉を弛緩させる作用があるため、筋肉が緩み、舌が喉の奥に入り込んでしまいます。 その結果いびきを引き起こす要因となります。 加えてアルコールには血行を促進させる作用もあるため、鼻の奥の血管が膨張して粘膜が腫れてしまうと鼻づまりを起こしやすくなり、いびきの原因となります。 また、たばこは気道周辺に炎症を起こしやすく、気道を狭めるため、いびきをかきやすくなります。
風邪・花粉症・アレルギー鼻炎風邪をひいて鼻が詰まっている、喉が腫れているといった場合は空気の通り道となる気道が狭くなりいびきをかきやすくなりますが、風邪の症状が和らぐといびきも比例して改善していくので、心配する必要はないでしょう。 花粉症やアレルギー性鼻炎の場合は、炎症によって鼻の粘膜が腫れて気道が狭くなるため、口呼吸になりやすい状態です。 口呼吸になることで、いびきをかきやすくなります。 また日常的に鼻づまり傾向にある人は、口で呼吸を補う習慣がついていることが多く、睡眠中も知らぬ間に口を開けて呼吸をするため、いびきが出やすくなります。
疲れが蓄積している疲労が蓄積すると、身体は回復しようとたくさんの酸素を取り入れようとします。 そのため口呼吸が増えていびきの発生につながります。 また、疲れによって筋肉が普段よりも緩むことで気道が狭くなり、いびきの原因となります。 また、人はストレスを感じると自律神経の乱れから呼吸が浅くなり、脳が酸素不足の状態になります。 この酸素不足を解消しようと、鼻呼吸よりたくさんの酸素を取り込む口呼吸をするようになります。
いびきをかきやすい人の特徴
いびきをかきやすい方には見た目でわかる特徴があります。 すべての方に当てはまるものではありませんが、傾向として捉えておく程度に参考にしてみてください。
肥満気味の体型肥満はいびきの原因の約7割を占めるともいわれています。 肥満気味になると首やのどにも脂肪がついて気道部分が狭くなるので、いびきの大きな原因になります。 また、体重が増えると同時に酸素の必要量が増えますが、それに対して酸素の吸入量が減るために呼吸の回数と深さが増え、よりいびきが大きくなっていきます。 脂肪の影響で狭まった気道をさらに舌根が塞ぐことにより、呼吸の際の空気の通過が阻害されることでもいびきが発生します。
首が太い・顎が小さい首が太くて短い場合は肥満の人と同じように脂肪が多く、気道が狭くなっている可能性が挙げられます。 また、顎が小さい人は顎、舌、喉周辺の筋肉も小さく、舌の落ち込みによるいびきをかきやすくなります。 顎が小さい方は物を噛む力も弱い傾向にあり、顎まわりが未発達で筋力も弱く、筋肉が緩む睡眠時に舌を十分に支えることができません。 このような方は喉の奥へ舌根が落ちて気道を狭めるためいびきが発生します。 また、歯並びが悪い方や受け口の方、上下で唇の厚さが大きく違う方もいびきの発生に繋がる口呼吸である傾向にあります。
年齢を重ねている年齢を重ねていくと舌や喉の筋力が衰えて気道を広く保つ力が弱くなるため、いびきをかきやすくなります。 さらに女性は年齢を重ねるにつれて、女性ホルモンの減少が原因でいびきをかく割合が増えていきます。 女性ホルモンには気道を力強く拡げる作用があるため、気道が狭くなりにくいようになっていますが、女性ホルモンが減少すると、 この気道を拡げる作用が弱くなるため、女性は特に45歳を過ぎてからいびきをかく割合が増えていきます。
こんないびきには注意が必要?!
一時的ないびきや単純いびきの場合は、鼻やのどに問題があることが多いのでその症状が改善されればいびきをかくことも減ってくるのですが、慢性的ないびきや子どものいびきなど注意して観察してみないといけないいびきもあります。
子どものいびき子どもも風邪やアレルギー性鼻炎のとき、扁桃腺やアデノイドの肥大、寝相が悪く変な寝姿勢のときなどにいびきをかくことがあります。 子どもの場合は肥満による気道の圧迫はほとんどありません。 時々かく程度であれば心配はありませんが、日常的にいびきをかいている場合は注意が必要です。 いびきが原因で眠りが浅くなり日中落ち着きがなく集中できないことがあります。 成長ホルモンに影響する恐れもあるので慢性的にいびきが見られる場合は医療機関を受診しましょう。
突然かくようになったいびき今までいびきをかいていなかったのに、突然いびきをかくようになった場合は、体調不良や病気が隠れている可能性があります。 睡眠時無呼吸症候群のように呼吸が止まる時間があったり、脳出血や脳梗塞などの脳卒中を発症すると舌が落ち込む事によりいびきをかくことがあります。 睡眠中の脳卒中はわかりにくいですが、一緒に寝ている方が急に大きないびきをかきだしたりした時は意識状態を確認しましょう。
音が大きく、ペースが早いいびきいびきの音が大きい方、息を吸うときにも吐くときにも両方音が出るいびきの場合は注意が必要です。 脳へ酸素がうまく届かず、血圧にも影響が出る恐れがあります。 いびきのペースが早い場合は、呼吸器に問題があることが原因かもしれませんので専門医に診てもらうようにしましょう。
いびきを改善するための対処法
自分でできる対処法もいくつかありますので、当てはまるものがあった場合はぜひ参考にしてみてください。
肥満の解消いびきと肥満は密接な関係にあり、いびきはダイエットで解消されることがあります。 こちらの計算方法で肥満と判断したら、ダイエットを心掛けるようにしましょう。
≪肥満度の計算方法≫ 体重(kg)÷身長(m)÷身長(m)=肥満度 18.5〜25.0が標準で、22が理想的とされています。25.0以上は肥満といえます。
寝具の見直しと横向き寝自分に最適な高さや素材の枕に変えてみるのも有効ないびき対策になります。 その際に見落としがちなのが、敷き寝具です。枕は頭・首を支えてくれますが、肩から下は敷き寝具が担っています。 それぞれの体格や骨格に合ったものを選び、横向き寝になっても肩が圧迫されないものがおススメです。 仰向けに寝ると重力の影響で気道がふさがりやすくなってしまうので、体を横向きにし、体位を変えることで気道を確保する方法は1度試してみてください。 また、効果が期待できる方法のひとつに、抱き枕を使う方法があります。 横向きでの睡眠をサポートすることができて、舌根沈下を防げるため、いびき防止につながります。
生活習慣を正す疲労が蓄積していたり、アルコールやたばこもいびきをかきやすくなる原因です。 いびきが気になる方は、疲れをためない、アルコールやたばこを控えるなど、生活習慣を見直すことを意識しましょう。 アルコールを摂取することで喉の筋肉がゆるみ、気道が狭まり、いびきをかきやすくなります。 加えて飲酒後は鼻づまりも引き起こしやすく、普段いびきをかかない方でもいびきが出てしまうことがあるため、就寝前の寝酒は避けるように心掛けましょう。
いびき防止グッズを試す顎の骨格や形状に合わせたマウスピースを使用すると寝ている間に舌が下がることを防ぎ、気道を確保し、いびきをかきにくくなります。 顎が小さいことが原因でいびきをかいてしまう方や首回りの筋肉の衰えによりいびきをかく方におススメの対策です。 ドラッグストアなどで購入できるものもありますが、自身の骨格に合っていることが望ましいので、専門機関を受診してオリジナルのマウスピースをつくる方が効果は高まります。
鼻腔拡張テープは鼻づまりが原因でいびきをかいてしまう鼻いびきの方におススメです。 貼ることで鼻の通りが良くなり鼻呼吸がしやすくなります。 口に貼るテープは鼻づまりがないのに口呼吸をしてしまう口いびきの方におススメです。 テープで口を閉じることにより自然な鼻呼吸ができて、いびきがかきにくくなります。 鼻呼吸を意識し、習慣化させることもいびき改善に有効です。
寝室の湿度を管理乾燥した寝室でいびきをかいて口呼吸になると、喉が乾燥したり、ホコリが侵入したりして喉の炎症につながる恐れがあります。 炎症によって気道が狭まると、さらにいびきの悪化につながりますので、加湿器や濡れタオルなどを使用し寝室の湿度を適正に保つようにしましょう。
まとめ
いびきが一時的なものであればそこまで心配はいりません。 しかし、慢性的ないびきは、眠りが浅くなり睡眠の質の低下につながる可能性があります。 睡眠の質が低下することで「睡眠時間は確保できているのに疲れが取れない」「日中の集中力が続かない」など日常生活に影響が及ぶこともあるので、その場合はいびきをあまり軽視せずに、しっかり対策しましょう。
また、いびきをかいている人がいても「うるさい」と思うだけでなく、身体が発している病気のサインかもしれないと説明し、しっかり向き合って治療することを勧めてみてはいかがでしょうか。 |
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