防水シーツを洗濯機で洗うと危険な理由
防水シーツを洗濯機で洗うこと自体が危険というわけではなく、問題になるのは「脱水」の工程です。
通水性のない防水シーツを洗濯機で脱水を行うと、防水性の繊維は水を通さないので洗濯槽内の排水穴を塞いでしまい、排水が上手くいかずに洗濯槽に大量の水が溜まったままの状態となります。
洗濯槽内に水が大量に入った状態で高速脱水を行うと、溜まっていた水が大量に一気に抜けることで遠心力のよる重みが洗濯機に極端にかかって不安定になり、洗濯槽が異常振動を起こし洗濯機が倒れたり、洗濯機のフタが外れて飛んでしまう恐れがあるともいわれています。
さらに内部の部品が破損したり、変形してしまう可能性もあります。
また、洗濯機が暴れて激突し、周囲の壁や扉、洗面台などが破損したり、洗濯機本体が激しく動くことによりつながれているホースが外れ、水漏れを引き起こすことも考えられます。
もし洗濯機が異常な動きをしたときに側にいたらと考えると怖いですが、防水シーツもきちんとした手順やコツを抑えれおさえればメンテナンスも楽になります。
次に詳しく説明していきますので、確認してみましょう。
防水シーツを洗濯機で洗う前に確認しておきたいポイント
汚れてしまったからといって何も考えずに防水シーツを洗濯機に入れてしまうことは避けなければいけません。
ここでは洗濯機で洗う前に確認したいポイントについて解説していきます。
防水シーツの洗濯表示を確認する
防水シーツには洗濯機で洗える製品と洗えない製品があります。
洗濯機に入れる前に必ず洗濯表示の確認が必要です。
タグに洗濯桶マークに✖がついているものは家庭での洗濯は出来ません。
防水シーツの洗濯機対応状況は、メーカーによって様々です。
子どものおねしょや汗、介護などで防水シーツの洗濯頻度が高くなる場合は、洗濯機に対応している製品を選ぶのがおススメです。
洗濯機本体の取扱説明書を読む
洗濯機で防水シーツを洗う前に、洗濯機が防水製品に対応しているかを確認することが重要です。
たとえ洗濯可能な防水シーツであっても、洗濯機の取扱説明書を読んで、「防水性のある製品は使用しないこと」との記載がないかをチェックするようにしましょう。
取扱説明書に「防水製品の洗濯不可」とあった場合、防水シーツを洗って洗濯機が壊れたとしても過失扱いとなり保証期間内でも無償修理はできないので注意が必要です。
洗濯機の破損がひどい場合には修理自体が困難になり、買い替えをしなければならない可能性もあります。
「きっと大丈夫だろう」と安易に判断するのはリスクになりますのできちんと説明書に目を通しましょう。
防水シーツの上手な洗い方
洗濯機を使用する場合でも手洗いをする場合でもコツを抑えおさえておけば、上手に防水シーツのメンテナンスを行うことが可能です。
順番にみていきましょう。
【洗濯機を使用する場合】
①洗濯ネットに入れましょう
防水シーツは寝具用などの大きめのネットに入れて洗うと、脱水時、回転の邪魔にならないので安心です。
ネットに入れないで単独洗いをした場合、広がった防水シーツが洗濯槽にはりついて、洗濯機の内部から水が逃げられなくなる危険があります。
②防水シーツ単独で洗わないようにする
防水シーツを洗うとき時は、シーツ単独ではなく、防水加工されていない他の洗濯物と一緒に洗うのがポイントです。
他の洗濯物が水を吸ってくれることで、洗濯槽内部の水分が偏りにくくなります。
防水シーツを洗うついでに掛けカバーやタオルケットなどと一緒に洗うのもおススメです。
③脱水の前に手で絞っておく
脱水前に一度洗濯機を止めて、防水シーツの水気を軽く切るだけで、シーツが抱える水分量が減り洗濯機の異常振動を防ぐことができます。
脱水時間は短め(目安は1分)に設定すると安心です。
防水シーツで洗濯機が壊れる原因は脱水なので、特に注意しておくべき工程です。
【手洗いする場合】
防水シーツが手洗い必要な場合、おねしょやシミの部分洗いは洗面所で行い、全体を洗うときは浴室のシャワーや浴槽を使用すると良いでしょう。
洗い終わった後は水気を手でしっかり絞り、風通しの良い場所で広げて乾かします。
おねしょにはクエン酸が効果的です。
ニオイや古いシミを防ぐために早めに対応することをおススメします。
おねしょをしてしまった際の寝具の対処方法を詳しく知りたい方は「おねしょふとんにはクエン酸が有効?お手入れの手順と代用品もご紹介」をご覧ください。
防水シーツの洗濯頻度の目安は?
防水シーツは性能の特性上、蒸れたりカビが生えないかと気にされる方も多いかと思います。
具体的にどのくらいの頻度で洗濯をするのが良いのでしょうか。
ここでは目安を説明していきます。
防水シーツの上に直接寝ているパターン
直接寝ている場合は、季節や使用している方の汗の量にもよりますが週に2回程度洗濯するのが理想的です。
防水シーツの上に直に寝ていると汚れや汗がダイレクトに付着するため、3日1回程度洗って清潔にしておくことをおススメします。
防水シーツの上にカバーやBOXシーツを使用しているパターン
防水シーツは蒸れやすいものが多いので、上にカバーやシーツを敷いて使用するパターンの方が快適に眠れるのでおススメです。
この場合は1〜2週間に1回程度を洗濯する目安としましょう。
また、敷きふとんやマットレスの下に防水シーツを敷いて使用しているという方は3か月に1回程度、季節の変わり目に洗濯するイメージでよいかと思います。
防水シーツを乾かす際の注意点
防水シーツは水を吸わないので洗ったあとに水気を切ったり、水分を拭き取ったりしてから干すようにしましょう。
ここでは注意点や早く乾くポイントをご紹介していきます。
防水面を先に乾かす
防水シーツの乾かし方には特に注意が必要です。
まず、防水面が濡れていると内部の乾燥が難しくなるため、防水面を先に乾燥させることが重要です。
表面の水滴を拭き取り、防水面が乾いたらシーツを裏返し、肌に直接触れる表側を乾かすようにしましょう。
この手順で作業を実施すれば、シーツ全体を乾燥させることができます。
直射日光による変色の可能性がないか確認する
外にシーツを干すと短時間で乾かすことができますが、直射日光に当てると変色する場合もあるため、洗濯表示を確認したうえで干すようにしましょう。
風通しの良い場所を選ぶ
防水シーツを干す際は外でも室内でも風通しの良い場所を選ぶことが大切です。
外に干す場合は、生地が重ならないように広げます。物干し竿を2本使ってM字状に干したり、大きめのハンガーに通して干したりすると早く乾きます。
室内に干す場合は、エアコンや扇風機、サーキュレーターを活用すると効率良くよく乾きます。
また、防水シーツの水滴が床に垂れると、フローリングにカビが生える原因になるので、運ぶ前に床が濡れないようにシートや新聞紙などを敷いておくとよいでしょう。
乾燥機を使用するにあたって
乾燥機使用ができない防水シーツもあるため、使用前に必ず洗濯表示を確認してください。
特に、安価な製品では乾燥機に対応していないことが多いです。
また、「60度を超えるタンブラー乾燥禁止」といった温度制限が指定されている場合もありますので、乾燥機を使う場合は洗濯表示や取扱説明書をよく読むことが重要です。
まとめ
防水シーツを洗濯する際は、誤った方法で洗うと洗濯機が壊れてしまう場合があります。
トラブルを防ぐためにも正しい洗い方を確認しておくことが重要です。
また、洗おうとしているものが防水シーツ以外にもサウナスーツ、ウェットスーツ、レインウェア、寝袋、自転車やバイクのカバー、レジャーシートなどの製品でも同様の注意をしてください。
もし防水性かどうかわからないときは繊維製品に口をつけて息を吹き込み、空気が通らないものは防水性の衣料や繊維製品と判断して見分けることができます。
防水加工してあるものは、今回ご紹介した情報やポイントを理解した上でメンテナンスを行いましょう。
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