ふとんが暑くて眠れない?!冬に快眠するためのポイントを解説
寒くなってくるとふとんを変えたり、パジャマを衣替えしたりと寝具の切り替え時期になります。 しかし寒い日が続いているからといっても、日によっては 「睡眠中にふとんが暑すぎて起きてしまう」 「暑くて眠れない」 という経験はありませんか? この記事では「冬が近く寒くなってきたのにふとんが暑く感じる」というときの原因や対処法などをご紹介していきます。 |
冬なのに暑くて眠れないときに考えられる理由冬は日照時間が短くなったり、朝晩の冷え込みが厳しくなってくることからふとんの中から出たくないと思ってしまうほど、人間も冬眠モードに入る時期です。 寝床内気候(掛け寝具と敷き寝具でつくられた空間)が、「温度33±1℃・湿度50±5%」に保たれていると、あたたかく爽やかで快適と感じられるのですが、何らかの理由で暑く感じてしまい、それによって睡眠の質が低下する場合があります。 ここでは考えられる代表的な要因を解説していきます。
寝室の温度や湿度が高すぎる室温や寝室の湿度が高すぎることが原因の場合があります。 寒いからといって極端に暖房やヒーターの設定温度を高くしたり、外気と室内の温度差によって結露していないか見直してみましょう。
寝室を高温多湿の状態にしてしまうと寝苦しさや不快感で途中で起きてしまい、睡眠の質の低下を招くことへつながります。 暖房は温度設定を見直し、タイマー機能を活用するなどして室温が高くなり過ぎないように注意しましょう。
さらに室温だけでなく、湿度も注意したいポイントです。 冬は乾燥しやすいので加湿器を使用することが多いと思いますが、住宅の気密性の良さなどから意図せず加湿しすぎて湿度が高くなることがあります。 その際には閉め切っている窓を少し開け換気をする、又は扇風機やサーキュレーターを使って空気を循環させ、室内の湿度を調節するようにしましょう。
パジャマを厚着している寒くなってきてパジャマの上にニットカーディガンや羽織りものを重ね着したり、何枚も着込んでいませんか?
重ね着をしすぎると汗が蒸発しにくくなり、身体の熱が発散されず寝苦しく感じる原因になります。 また、厚着による衣類のゴワゴワ感が気になってしまい、寝心地が悪く、眠っている間に無意識に打つ「寝返り」を制限してしまう可能性もあります。
なお、パジャマは冬でも汗を吸い、温湿度調節をしてくれる綿やウール天然素材のものがおススメです。 パジャマだけで寒く感じる場合は、ふとんに入る直前までカーディガンなどを羽織って、ふとんに入ったら脱ぐようにしましょう。
ふとんを掛けすぎているこれからの季節は寒くなるため、掛けふとんを何枚も重ねて寝ている方がいます。 しかし、掛けふとんが増えていくと必然的に重くなり、上から圧迫されて身体が動きにくくなります。 それによって暑いと感じることも原因の1つです。
掛け寝具の重みで必要な「寝返り」が打てなくなると、身体の一部に圧力と熱がこもって、そこに汗が集中します。 さらに長時間寝具に接地している部分にしびれや不快感を感じることから、夜中に目が覚める頻度が高くなります。
ふとんが暑くて眠れないと感じたときの対処法
原因はひとつではないかもしれませんが、思い当たるものがあればまずはご紹介する対処法を試してみてください。
室温・湿度の調整を行うふとんに入る直前までは、20℃前後の設定でしっかり寝室や寝具をあたためておくことが大切ですが、人間は身体の中の深部体温が下がった方が、深い睡眠がとれるので、部屋の温度も自然に下がるのが理想的です。
そのために「ふとんに入って30分後に暖房をOFF」になるようにタイマーで設定しましょう。
ただしお住まいの地域によっては、完全に暖房を切ってしまうと、寒くなりすぎる場合があるので注意が必要です。 その場合には設定温度を低くして、暖房をつけたまま寝るなど工夫して調整しましょう。
体感や住宅の構造によっても異なりますが、10℃以下になると寒さを感じて目が覚めてしまうこともあるので、冬に寝る際の寝室の温度は「16〜19℃くらいが最適」です。
また、寒くてふとんから出られなくなる朝は、起きる30分くらい前から部屋をあたためておきましょう。 エアコンのタイマー機能を使うと快適に目覚めることができます。 冬の朝、起きるときに室温が20℃前後あるとふとんからスッと出ることができますので、目安にしてみてください。
加えて湿度も適度なコントロールが必要です。 湿度については冬も50〜60%が快適に過ごせる数値といわれています。 湿度を上げたいときには、加湿器が1番効率よく役割を果たしますが、その他にも洗濯物を部屋干しする、水槽や観葉植物などを置くことも効果的です。 また、浴室のドアを開けておくだけでも湿度アップにつながります。
反対に湿度を下げたいときには、浴室や、台所の水蒸気が流れてこないように換気扇をこまめにつけたり、少し窓を開けて換気するようにしましょう。
ふとんの素材や厚みをチェックする気密性の高い寝室に対して厚すぎる掛けふとんを使用していませんか? 温湿度やパジャマを見直してもなお暑さを感じる場合はふとんの品質表示で中身の充填量を確認してみましょう。
また、ふとんに使われている生地にも注意が必要です。 化学繊維のものは蒸れやすく睡眠中の汗も吸わないので不快感を感じることが多いです。 天然素材のものであっても暑いときは、中身の充填量が今の寝室やご自身のコンディションに合っていない可能性があります。 その際に代わりの掛けふとんが他にあるのであれば、少し薄めのものに変更したり、掛けふとんの組み合わせを変えたりと試してみましょう。
もし1枚しかないのであれば、思い切って買い替えを検討することもおススメです。
また、良い羽毛ふとんを使っているので買い替えるのはもったいないという方はぜひ1度羽毛リフォームを検討してみてはいかがでしょうか。 今お持ちの羽毛掛けふとんがご自身の体感から分厚すぎる、暑くて使用しにくいなどと感じている方には、羽毛のリフォームで中の羽毛の充填量を減らす方法も有効です。 おうちdeまるはちの羽毛ふとんリフォームでは側生地の特性上、減らしても1.0kg程の充填量までをおススメしています。
カバー・シーツの素材を見直すふとんの生地ももちろんですが、直接肌に触れているカバーやシーツの素材も大切です。 確認してみて化学繊維が多く使用されているものだった場合は、天然素材(綿・シルク・麻など)のものに変えると寝心地や使用感も変化があり、快適に眠ることができます。
化学繊維は汗や湿気を逃がす力が弱いため、蒸れやすくふとんが暑いと感じる可能性が高まるので注意が必要です。
冬でも上手に体温調節をするための4つのポイント
体温コントロールを上手にすることで冬でも睡眠の質を落とさずに快適に眠れるようになります。 ここでは重要な4つのポイントをご紹介していきます。
寝床内気候を意識する「寝床内気候」とは、寝具と人との間にできる空間の温度や湿度のことを指します。
快適な寝床内気候の実現のためには、夏は室温26℃、冬はふとんなどを使うので16〜19℃、湿度は通年50〜60%が最も快適とされています。
この環境で眠ることができれば、寝汗も必要以上にかくこともなく、必要最小限に保つことができます。 理想的な寝床内気候を保つためには季節に合わせた寝具やパジャマの素材などに意識を向けていくことが大切です。
この寝床内気候をいかにして実現させてそれを維持できるかが「良い眠り」のポイントになります。
パジャマは締め付けのない天然素材のものにするスウェットやジャージなどの部屋着を着てそのまま眠っていませんか? 部屋着はリラックス出来ますが、あくまで起きているときの活動着です。
スウェットやジャージ素材の多くは化学繊維で特有のごわつきがあり、蒸れやすい特徴があります。 この性質が睡眠中の違和感を生み、暑さや寝苦しさにつながる可能性が高まります。
睡眠の質を高めるには、休息着としてきちんとパジャマを着ることが重要です。 冬は長袖+長ズボンのセパレートタイプで、襟元やズボンの裾が冷気が入りにくいデザインなら、寒さを防ぐことができます。 綿素材のパイル地、多重ガーゼ地、コットンニットなどのパジャマは保温性もあり肌触りも良いので、おススメです。
寒いからといって着込みすぎや厚みが極端にあるものは避けて、ふとんを掛けてちょうど良いくらいのパジャマのボリュームにしましょう。
敷き寝具にプラスするアイテムを見直してみる実は寝床内の熱のほとんどは敷きふとんを通して逃げていきます。 また、寝床内の保温の約60%が敷き寝具、約40%が掛け寝具が担っているといわれています。
冬に使用される方が多いマイクロファイバーの敷き毛布(敷きパッド)は確かに温かいですが、主にポリエステル素材でできているので吸放湿性に劣り、蒸れや静電気が起きやすいのが難点です。 熱がこもりすぎたりふとん内の湿度が高すぎたりすると、暑さや寝苦しさを感じて睡眠の質が下がってしまいます。
敷き寝具にプラスするパッドやシーツは天然繊維が使用された吸放湿性に優れたものを選ぶようにしましょう。 特にウールは吸湿発散性と保温性を兼ね備えた優秀素材なのでウールの敷きパッドはおススメです。
ぬるめのお湯にゆっくり浸かる冬は日中の活動量も減ってしまうので、身体の活動量が少なくなることで、人とのコミュニケーションが減少し、それに連動して脳の活動量も低下します。 日中の「活動モード」から眠りへの「休息モード」への切り替えとして効果的なのが実は入浴習慣なのです。 リラックス効果が最大限に高まるのは肩までしっかり浸かる全身浴とされています。 全身浴で水圧や浮力の作用が大きくなり、精神的にも肉体的にも回復が期待できます。
具体的には寝る1〜2時間前に38~40℃のぬるま湯に20〜30分浸かるのがおススメです。
42℃以上の熱いお湯では、交感神経が活性化されてしまうため寝つきが悪くなります。 熱めのお湯が好きな方は入浴時間を5分程度にとどめておきましょう。
入浴によって上がった深部体温が徐々に下がっていき、寝つきがスムーズになり結果として体温調節が上手になっていきます。
快眠のために特に控えたい行動とは
冬だけに限らず、快眠のために避けた方が良い代表的なNG行動です。 今回は体温調節にも影響してくる3つをご紹介します。
寝る直前の飲酒お酒を飲むと良く眠れる…という方は注意が必要です。 アルコールは睡眠中の尿の量を増やします。 そのため、トイレに行きたくなって目が覚めやすく、睡眠がこま切れになってしまいます。 睡眠の質を浅くしてしまうだけではなく、自律神経の乱れにつながることもあります。
夕食時の晩酌は日本酒1合、ビール(500mL)1缶、ワインはグラス2杯までを適量とし、寝酒としてアルコールを摂取するのはやめて遅くとも21時頃までには切り上げるようにしましょう。
寝る前にスマホ・パソコン・TVをみるスマホやタブレット、TVなどは、寝る1時間前までにしましょう。 ブルーライトによる強力な光で睡眠を妨げてしまいます。 といっても寝る前にスマホを触るのが習慣になってしまっている方がほとんどかと思います。 どうしてもやめられない!という場合は、スマホの機能を使って対策を行うことをおススメします。 指定した時間に画面が暗くなったり、白黒になったりする「ナイトモード」や指定した時間帯に強制的にロックがかかる「スクリーンタイム」の設定を試してみてください。
ブルーライトカットフィルムやメガネなども併用し、対策を意識することが大切です。
ストレスや考え事を寝る直前まで引きずってしまう「適度なストレスであれば、徐々に副交感神経が高まり、バランスが取れて、身体も入眠の準備に入るので問題ありませんが、過度の心理的ストレスがある場合は、入眠の準備に入る段階でも交感神経が高いままとなってしまい、バランスが崩れてしまいます。
また考え事や重要な決断などを夜にしたり、不安やモヤモヤした気持ちのままふとんに入ることで睡眠の質を下げてしまう可能性があります。
なかなか切り替えができない場合は、自分の好きなことをするリラックスタイムをあえて寝る準備が整ってから行うのもおススメです。 例えば読書や音楽を聴く、好みの香りのマッサージオイルでマッサージする、身体が温まるハーブティーを飲むなど・・・
それでも難しいときは、頭の中で考えていることを1度紙に書き出してみてはいかがでしょうか。 書き出してみて考えがまとまることもあるでしょうし、まとまらなくてもアウトプットして無の状態で眠りにつき、朝もう1度見直してみて結論を出すことをおススメします。
ふとんの中では今日1日頑張った身体や心に感謝して穏やかな気持ちで眼を閉じるように意識してみましょう。
まとめ
「ふとんが暑くて寝られない」という方はきちんと原因を探って改善していくことが大切です。
冬は、単純に暑いからといってふとんを外して、そのまま寝入ってしまい朝方寒くて起きてしまったり、暑くて汗をかき放置してしまうことで寝冷えを招き、風邪を引いてしまった・・・ということになりかねません。
冬は日中の活動量も減り、日照時間も短いことから快適な睡眠をとるには少し難しい時期です。 そんなときこそ問題点に向き合って工夫と対策をすることで冬でも睡眠の質を落とさずにしっかりと休息していくことが重要です。 |
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