眠りと夢の話し|夢の不思議に少しだけ触れてみましょう
夢は誰でも見るもので、「自分はあまり夢を見ないな」という人でも実は夢を見たことを忘れてしまっているだけだといわれています。 ましてや生まれてから1度も夢を見たことがないという人はいないはずです。
とても不思議で神秘的な”夢を見る”ということについて、一緒に考えてみましょう。
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夢と眠り
眠っている間の脳は、今まで見たり聞いたりした情報や記憶を整理しています。 脳の中では記憶を『家族』『友達』『恋愛』『小学校』『中学校』『社会人』などのジャンル別に整理したフォルダが存在しています。 そこに蓄積された記憶を引っ張り出したりまとめたりするその過程を脳の中で再生しているのが夢だといわれています。 夢は自分だけが見ることのできる”個人的なドキュメンタリー映像”の一部とも言い換えることが出来るかもしれません。
脳機能が正常に働いている場合、1日に平均で3〜5つの夢を見ます。 「夢を見たことがない」と思った人はそうではなく、実は夢を見ている時は、起きている時と比べて記憶を固定する神経伝達物質があまり出ないので、寝ている時に見た夢を記憶として残しておくのは難しく仕方がないことだといえます。
また、夢を見る理由はまだ科学的にはっきり分かっていませんが、記憶の整理以外に「起きている時の行動のシミュレーション」「現実世界での問題の解決法を探すため」などが有力な仮説として挙げられます。
まだまだ解明されていないことも多く、覚えておくことも難しい夢・・・本当に不思議で興味深い現象ですね。
夢の違い(レム睡眠とノンレム睡眠)
睡眠には、レム睡眠とノンレム睡眠の2種類があります。 実はこの2種類の睡眠中にそれぞれ見る夢には質の違いがあるとされています。
一般的には「レム睡眠」時の夢は内容に物語性があり、視覚的にも豊かであるといわれています。 感情の変化を伴いストーリー性が高く色彩が豊かで、時に奇妙な内容です。 もちろん夢は「ノンレム睡眠」時にも見ることもありますが、この時の夢は、単純な内容で色彩も鮮やかでないことがほとんどです。 レム、ノンレム睡眠というカテゴリーで分けるよりも”眠りが浅くなっている時”は脳の働きがより活発で、より豊かな夢を見るという考え方の方が適しているかもしれません。 また記憶に残っているのは「レム睡眠」で目覚めた時です。 いくつもの夢を見ていても、記憶に残らないのは「ノンレム睡眠」の最中で、起きた時に夢を覚えていないということは「ノンレム睡眠」で目覚めているということになります。 その他にも、朝起きてすぐに活動したり、アラームで強制的に起こされたりなど、外的刺激により意識をかき消されたという理由もあるかもしれません。
夢は2つの睡眠の種類がある中でいつ見ているのかというと、何と最初から最後までずっと見ているそうです。 1回の睡眠でだいたい3、4回ほどレム睡眠が現われるのですが、そのタイミングで見ていた夢は1度リセットされ、また新しい夢を見ます。 確かに1日平均で3〜5個の夢を見ているといわれているので納得な気もするのですが、感覚的には覚えていないことの方が多いので体感とは誤差があり、少し驚きますよね。
また、なぜ何度も夢を見ているのに、覚えている夢と覚えていない夢があるのでしょうか。 それは寝起き前の夢はリセットされず、覚えたまま起きるからではないかといわれています。 他にも衝撃的な内容や、鮮明な夢は覚えている事が多いようです。
経験と夢の関係
夢の内容は実際の経験に左右されるということは多いかと思います。 例えば、その日に見たドラマに似た内容だったり、スポーツの練習で疲れた日には夢の中でもコーチに鍛えられていたり・・・など様々です。
基本的には体験したことや目にしたものが断片的に表れて、脳の中でストーリーとして作られていったものが夢なのでこのような状況になりますが、子どもの頃は外部からの刺激(絵本や漫画、テレビなど)に夢の内容が影響されやすいという傾向があります。 実際に体験していないことでも映像で観ていたり、想像したことがあったりすると、それらを組み合わせたものが夢になることがあるので、そういった夢を見て”自分が体験していないことや現実では起こりえないことが夢に出てきた”と感じることもあるといわれています。
無意識の願望が夢になる?
夢という言葉は、自分の願望という意味にも使われます。
代表的な1つとして、20世紀の初頭にオーストリアの精神科医で精神分析学者でもあるフロイトが人々の夢を分析した結果、夢は「満足したいという願望の現れ」という仮説を提唱しました。 この研究は現在でも多くの研究者から支持を受けており、怖い夢も含めて睡眠時に見る夢は人々が望んでいる何かを映し出したものであるという可能性があるそうです。
無意識の願望は「潜在夢」と呼ばれます。 「潜在夢」としての無意識の願望は形を変えて実際の夢となって睡眠中に現れます。 これは「顕在夢」と呼ばれています。 夢解釈による治療の理論としては、「顕在夢」の場面を診察時に聞き、それに対しての解釈を与えることで”無意識の願望”が明らかになり、様々な神経的な症状が出ていたものが解決していくというものです。 「潜在夢」から「顕在夢」に変わる過程には、様々なメカニズムが働くと考えられています。
また夢分析として有名なユングの仮説は「無意識には日常生活において偏ってしまった意識の状態を補う働きがある」ということで、無意識による補償作用があるとし、夢の大きな目的となっているとしました。 意識していないのに刻まれた記憶というのは、それほど自分にとって強くインプットされているものだといえるので、無意識の記憶が夢となって現れることが多いと説明できるのです。
この2つの仮説はどちらも魅力的な解釈ですが、現時点での科学では完全な解明には至っておらず、あくまでも仮説ですが、無意識でも本能的に自分に必要だと感じたり、欲したりするものがあるとすればそれが夢になって現れてくることは心理的に十分あり得るのではないかと感じます。
悪夢を見るのはなぜ?
悪夢は大きく分けて2種類あるとされており、 1つ目は、不安やストレスの影響で見るという悪夢。 これは、誰しもが見るものなので、実はそれほど深く悩む必要はありません。 2つ目は、トラウマになり得る出来事があり、起きている時はフラッシュバック、睡眠中は悪夢として現れるもの。 こうした悪夢をたびたび見る場合は、夢と現実の区別がつかなくなったり、不眠状態、うつ状態に陥ったりする可能性もあるため注意が必要です。 また、心理的な要因だけでなく、身体的な不調が夢に現れることも。 例えばトイレに行きたいとき、水に関する夢を見た経験がある方も多いのではないでしょうか。 覚醒しているときには気が付かない不調部分、病因が夢に現れるという現象はいくつも報告されているそうです。
悪夢は『縁起が悪い』『マイナスなもの』というイメージを持っていることが多いと思いますが、実は一概にそうとも言い切れないようです。 夢は脳が記憶を整理する過程で見る、断片的な映像です。 そのため、夢には処理しきれなかった記憶を整理したり、記憶を取捨選択したりする役割があるとされています。 ネガティブな情報を適切に処理するために悪夢を見るという説もあり、悪夢はそういった側面で役に立っている可能性もあるのだとか。 でも出来るだけ悪夢は見たくない・・・ 悪夢を見ないためにはどんなことを心掛けたら良いのでしょうか。 眠る前にネガティブ思考をできるだけベッドに持ち込まないことが大切です。 ポジティブなことを考えれば、いい夢を見る確率は上がるかもしれません。 もし悪夢を見てしまった時は、目覚めてから夢の結末を”こうなれば良かったのに”と書き換えてしまうことで、その後に良い効果が生まれることも◎ また、自分が見た夢を他の人に話しながら別の結果を考えるというのも、いい夢を見るトレーニングになるかもしれません。 加えて、心身の状態を落ち着かせた状態でふとんの中に入ることも重要です。 リラックスモードにする工夫をして、寝る前の準備も意識的に調節しましょう。
夢占い
見た夢の解釈をしたい、意味を知りたいと考えている人は無料で診断できる夢占いのサイトを利用してみるのも◎! 単に「ヘンな夢」で終わらせるのではなく、起きた時に気になったり、忘れられなかったりする場合は、実は潜在意識や過去、現在、未来の状態を暗示する、夢からのメッセージの可能性も。
夢の中に出てきた印象的な出来事やアイテムなどの内容から気になるワードを「カテゴリー別リサーチ」や「あいうえお別リサーチ」で探してみたり、実際に夢の内容を詳しく書いて診断してくれるサイトもあるので、何かのヒントになるかもしれません。
まとめ覚えていないことも多いですが、誰もが毎日見ている夢には、覚醒している時の記憶を整理したりしたり、気づいていない心身の不調が反映されていたり、様々な役割があることがわかりました。
いい夢を見てすっきり目覚めるために、できる限り楽しいことを考えてリラックスして眠りにつきましょう。
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