羽毛ふとんの打ち直し(リフォーム)とは?
使い古してしまったふとんを新品同様に生まれ変わらせることを「ふとんのリフォーム」や「打ち直し」と呼びます。
長年使用した古いふとんを一度解体して、中の羽毛は取り出して丸洗い。
洗浄後、傷んでいる羽毛は取り除いて、新しい羽毛を補充します。
最後に、新しい側生地に羽毛が詰め直され、ふとんは元のふっくらとした状態になり、触り心地もよくなります。
羽毛ふとんの打ち直しの価格帯に幅がある理由
羽毛ふとんの打ち直しの価格にはどうしてばらつきがあるのでしょうか。
価格が変動するポイントを順番にご紹介します。
打ち直し方法の違いする
羽毛ふとんの打ち直しといっても、以下の3つの種類がありそれぞれ内容と価格が異なります。
●プレミアムダウンウォッシュ仕上げ(リフォーム)
ふとんから羽毛を取り出し羽毛を直接洗浄し、乾燥してから新しい側⽣地に充填するこの⽅法は、羽毛リフォームの最⾼グレード⼿法です。
他の⽅法よりもダウンボールが⼤きく広がり、よりふっくら仕上がるのが特徴です。
また、直接羽毛を洗浄するので⻑年の汚れもきれいに洗い流せます。
費用は高めになります。
●ダウンウォッシュ仕上げ(リフォーム)
ふとんの状態で 洗浄 ・乾燥を行います。
その後解体 ・除塵 を行い新しい側生地に充填 でします。
プレミアムダウンウォッシュ仕上げほどではありませんが、ある程度の羽毛の汚れを取ることができます。
費用は高くもなく安くもなく中間くらいです。
●ふとん生地交換仕上げ(リペア)
洗浄せずにふとんを解体して羽毛を取り出して、新しい生地で仕立て直します。
羽毛の汚れや臭いはそのままになります。費用は安めです。
3種類ある羽毛の打ち直し方法ですが、どれがおススメかはお持ちの羽毛ふとんの状態によって変わります。
例えば、10年以上使っている羽毛ふとんの場合は汚れがたまっていると考えられるのでプレミアムダウンウォッシュ仕上げが良いかと思いますが、使い始めてからまだ数年程度でひどい汚れや臭いがないのであればダウンウォッシュ仕上げでも満足いただけるかもしれません。
さらに買ってから1〜2年しか経っていないが側生地が破れてしまった、側生地がカバーと擦れる音が気になるなどの理由からから打ち直しをしたいという場合には、側生地の交換のみを選択するのが適切な方法でしょう。
新しい側生地の素材やキルティング
側生地にどのような素材が使われているかによっても、値段は変わります。
側生地は、寝心地に直結してくる大事な要素です。生地の肌触りにこだわりたい方も多いでしょう。
多くの側生地は、綿とポリエステルを混合したものが使われています。
しかしそれぞれ何%ずつ使われているかにより、肌触りや値段に違いが生じてきます。
綿100%の生地は吸湿性が高く蒸れにくく、寝汗もしっかり吸収してくれるため、とても快適です。
この側生地は、高品質な羽毛ふとんによく使われています。
ただし綿100%の生地にもさまざまな種類があります。
糸の長さや細さ・織り方によって、生地の風合いや肌触りに違いがあらわれます。
繊維の細さに注目すると、40番手はよくある綿生地の肌触り、60番手はよい肌触り、80番手以上になると光沢やしなやかな質感がより際立ちます。
そのため40番手のものより、80番手の綿を使用している生地の方が高価になります。
また織り方にも「平織(バティスト)」「綾織(ツイル)」「朱子織(サテン)」など、さまざまな方法があります。
平織はしっかりした生地に仕上がりますが、少し肌触りは硬め。
朱子織は肌触りがより滑らかで、シワができにくく光沢感があります。
購入時に10万円以上の羽毛ふとんには80番手以上の細い綿や、サテンなどの高品質な生地がおススメです。
5万円以上の羽毛ふとんには60番手の上質なものが相応しいでしょう。
さらに側生地の素材に加えて、構造によっても多少価格が変わってきます。
一般的には一層式か二層式のどちらかを選ぶことが多いです。
二層式の構造のほうが空気を取り込む層が増えるため保温性に優れるので、あたたかさを重視される方には向いています。
ただ、側生地に使用する生地の量が増えるので一層式と比較すると多少重みを感じることもありますし、羽毛の品質がよければ一層式でも十分あたたかいので、お持ちの羽毛のグレードやお使いの状況に応じておススメします。
また、他にも人の身体にフィットしやすいようにキルティングが設計されているものもありますので、ご自身の状況に合わせて検討することが大切です。
足し羽毛の品質や量
長期間羽毛ふとんを使用していると、中の羽毛が劣化している可能性があります。
劣化した羽毛は打ち直しのときに取り除かれるため、元のボリュームにするには新しい羽毛を足さなければなりません。
新たに足す羽毛を「足し羽毛」と呼びます。
この「足し羽毛」分の料金が基本料金に含まれているのか、そうでないかはとても重要なポイントです。
基本料金が安くても、足し羽毛の分が追加料金となる場合、結果的に高額になる可能性があります。
できれば基本料金に足し羽毛が含まれている業者を選ぶと安心です。
また、足し羽毛の種類がダックかグースか、産地やダウンパワーなども価格に影響してきます。
サイズによっても異なりますが、シングルサイズで足し羽毛は通常200g、ダブルサイズ以上では300g程度が一般的な量ですが、業者によっては分量も変わるのでチェックしたい部分です。
羽毛ふとんの打ち直しをするメリット
決して安いとはいえない「ふとんの打ち直し」。
では、ふとんの打ち直しをするメリットは何でしょうか?
ここでは3つのメリットについて、詳しくご紹介します。
サイズやボリュームの変更ができる
サイズ調整やふとんのボリュームを変更したいと考える方は少なくありません。
結婚や出産、子供の成長といった人生の大事なイベントで、必要とされるふとんのサイズは変わる場合がよくあります。
また、住宅事情や住む地域が変わったなどの理由からふとんにもっとあたたかさを求めるか、逆に抑えたいと思う方もいます。
ふとんを打ち直すことで、サイズや充填量の調整が可能です。
新規に購入する場合もありますが、打ち直しは微調整が容易なので自分にピッタリなふとんに仕立て直すことができます。
ふとんの保温性が改善する
特にプレミアムダウンウォッシュ仕上げで打ち直しを行うと、洗浄されることでダウンボールがキレイになり、空気を含むように開いてくれることで羽毛が新品同様に復活します。
また、どの仕上げ方においても打ち直すことで、羽毛が均等に配置され、その結果、ふとん全体の保温性が向上します。
打ち直しを行う際には、ふとんの中の羽毛を均一に配置し直す作業が行われます。
このことにより、羽毛が偏ることなく、全体に均等に分布するようになります。
ふとんの中で極端に薄い部分や厚い部分が出にくくなるので、体感する温度分布にも良い影響を与えるといえるでしょう。
ものによっては買い替えよりも安く済む
羽毛ふとんの打ち直し(リフォーム)は、新品を買うよりも費用対効果が高い場合が多いです。
特に、羽毛ふとんの価格は最近上昇しています。
その結果、同等品を購入しようとした場合、想像以上の費用がかかることがあります。
また、予算内で購入可能なものは品質が低い場合も。
これに対して、ふとんの打ち直し(リフォーム)を選べば、既に所有している羽毛を活用することができます。
仕立て直しの方法やサイズ次第ではありますが、ふとんの品質を維持しながら、新品を購入するよりも経済的に、ほぼ新品のような羽毛ふとんが手に入ります。
購入したときの金額が10万以上した、婚礼のときにもらった大切なふとんなどの場合は特に打ち直しの方がお得になることが多いです。
打ち直しとクリーニングの違い
ふとんの打ち直しは、経年劣化により保温性やボリュームが低下したり、生地の偏りが出てきたりしたふとんをお預かりし、リフォームするサービスです。
専用工場で洗浄し、新しい羽毛を足して側生地に充填します。
新品同様に蘇らせることができるため、高品質のふとんを長く使用していきたい場合におすすめです。
一方、ふとんクリーニングは、ふとんを専用工場で丸洗いし、乾燥させて仕上げるサービスです。
汗や皮脂汚れ等、ご自宅でのケアでは取り除けない汚れもしっかり除去し、除菌・消臭してくれます。
季節の変わり目などに定期的に利用することで、ダニやカビを防ぎ、ふとんを清潔に使用することができます。
今ある羽毛ふとんの種類を知ろう
羽毛ふとんは用途によって名前が変わります。
ここでは羽毛ふとんの種類ごとの名称と役割を説明します。
ご自身が使用しているふとんの種類は何か確認してみましょう。
冬用掛けふとん(本掛け)
冬用の羽毛ふとんで、厚手の掛けふとんです。
基本的に羽毛ふとんと言えばほとんどこの本掛けのことを指します。
羽毛の量はシングルでおおよそ1.2kg〜1.5kg程度のものが多いです。
住んでいる地域にもよりますが、断熱性が高い現代の住居では、もっと少ない羽毛量でも十分あたたかいので、現在市販されている本掛けの羽毛量は昔と比較すると減少傾向にあります。
冬用掛けふとんといわれる本掛けですが、寒冷地では秋~春先まで活躍することもあります。
春・秋用掛けふとん(合い掛け)
春秋用の羽毛ふとんで、本掛けより薄い掛けふとんです。
やや肌寒い季節に使用されます。
羽毛の量はシングルでおおよそ700〜800g程度になります。
軽いふとんがお好みの方や、マンションなど気密性が良い住宅にお住まいの方は冬でも十分の厚みです。
夏用掛けふとん(肌掛け)
夏用の羽毛ふとんで、羽毛ふとんの中では最も薄いものです。
夏に羽毛を使う?と思うかもしれませんが、冷房の冷え対策に活躍します。
保温性と通気性を兼ね備えた肌掛けふとんは四季のある日本にはピッタリの掛け寝具です。
羽毛の充填量が少なく、シングルの場合200g〜300g程度が一般的です。
2枚合わせ掛けふとん(デュエットタイプ)
肌掛けと合掛けの2枚セットで、ボタンなどで2枚をつなげる仕様になっています。
夏は肌掛けふとんのみ、春秋は合掛けふとんのみ、冬は肌掛け+合掛けとシーズンや室内の気温に合わせて3パターンの組み合わせができるため、このセットでオールシーズン対応が可能です。
羽毛ふとんの打ち直しを検討する際に気をつけること
古くなった羽毛ふとんを、新品同様のふとんへとリフォームできる打ち直し。
検討する時にこれから説明するポイントをチェックしてみましょう。
打ち直しができないふとんもある?
残念ながら、羽毛ふとんの打ち直しができないケースもあります。
● ダウン率が70%未満の羽毛ふとん(羽毛充填量が1.0kg以下のふとん)
● 羽毛以外の素材が混ざっているふとん
● 側生地の破れや破損が激しいもの
羽毛ふとんは、基本的に「ダウン」と「フェザー」の2種類の羽毛が使われています。
このダウンの比率が70%未満のものは、打ち直しができません。
羽毛以外の素材が混在するふとんも、打ち直しには向いていない場合が多いです。
技術的には可能でも、新品のような状態に戻すのが難しい素材も存在するからです。
ダウンの含有率や使用されている素材については、タグや商品説明書などで確認するようにしましょう。
さらに、側生地が大きく破れていたり、激しい損傷があるふとんは、打ち直しが困難です。
これは、内部の羽毛が大量に失われている可能性がある又は羽毛そのものが損傷している可能性があるからです。
些細な損傷であれば修復が可能なケースもありますので、前もって専門の業者に確認を取ることをおススメします。
打ち直しのタイミングや目安とは
打ち直しを検討するタイミングや目安は大きくわけて次の6つです。
1. 5年以上使っている
2. 側生地の汚れ・痛みがある
3. ボリュームが減った
4. 羽毛の飛び出しや偏りがある
5. 保温性が下がってきた
6. 臭いが気になる
これらの状況が見受けられる場合、ふとん内部の羽毛が汚れて機能性が低下している可能性が高くなります。
汚れが蓄積されたままでの使用は、羽毛の損傷はもちろん、ダニの増殖など衛生上も良くありません。
このような場合には、羽毛ふとんの打ち直しを検討してみてください。
業者選びのポイント
●日本羽毛製品協同組合認定の業者に頼む
日本羽毛製品協同組合は、羽毛ふとんの高品質化のためにさまざまな活動を行なっている組合です。
この組合では、打ち直しの設備や設置顧客ごとの商品管理、廃棄物の処理方法が適切であるなど一定以上の基準を満たしている工場を「認定工場」としています。
認定されている工場なら、安心して大切な羽毛ふとんを預けられます。
地域ごとの認定工場は、日本羽毛製品協同組合のWebページから確認できます。
リフォーム認定工場 一覧 | 日本羽毛製品協同組合
●羽毛ふとんの打ち直しなら「おうちdeまるはち」がおすすめ
羽毛ふとんの打ち直しでお悩みの方は、ぜひ「おうち de まるはち」をご検討ください。
日本羽毛製品共同組合の「認定工場」にも選ばれており、高い水準で羽毛の打ち直しをご提供いたします。
最高級グレードのプレミアムダウンウォッシュ仕上げと新たにラインナップに加わったオリジナルダウンウォッシュ仕上げで、大切な羽毛ふとんを新品同様によみがえらせます。
プレミアムダウンウォッシュ仕上げは、ほかの方法よりもダウンボールが大きく広がり、よりふっくら仕上がります。
一枚一枚、完全個別工程で作業するため、ほかの方の羽毛が混ざることはありません。
マルハチリフレッシュ仕上げは、お預かりしたふとんの状態でまずクリーニング工場で 洗浄 ・乾燥します。
その後、専用設備で 解体 ・除塵 を行い、1枚ずつ袋取りをし、羽毛工場に移動して新しい側生地に充填します。
国内最大級のふとん専用のクリーニング設備で洗浄と乾燥を行い、30余年の実績と技術で キレイさっぱり汚れが取り除くことができるのでリフレッシュ後も快適にお使いいただけます。
さらに目減りした羽毛を無料で補充する足し羽毛サービスも(上限あり)料金の中に含まれています。
格別な肌触りを実現するため、側生地にもこだわっています。
ご利用はとっても簡単です。
申し込み後、スタッフから連絡したのち、羽毛ふとんをご自宅まで取りに伺います。
ふとんのチェックをしながら申込書を作成するため、羽毛ふとんの状況に合わせた打ち直しをご提案いたします。
また新しくなる側生地もサンプルを触って確認していただきながらお選びいただけます。
高級ふとんメーカーが、日本羽毛製品協同組合の認定工場で丁寧に仕上げる「高品質・こだわり」の羽毛ふとん打ち直し(リフォーム)。
気になる方はぜひ「おうち de まるはち」へお問い合せください。
打ち直しと買い替えを選択する際の判断ポイント
羽毛ふとんを新しく購入するか、打ち直しをするか迷った時は、以下の4つのポイントを比較して検討しましょう。
コストの比較
高品質の羽毛ふとんであれば、打ち直しをすることで、 新しく購入するよりも安い金額で新品同様に蘇らせることができます。
しかし、リーズナブルなふとんを使用している場合は、打ち直しの料金が購入金額を上回ることも考えられます。
打ち直しの料金と、次に購入したいふとんの価格を比較して決めるとよいでしょう。
打ち直しをしている回数
リフォームを繰り返すことで羽毛が傷みやすくなり、特にダウンボールの復元力が弱まるため、羽毛ふとんの打ち直しができる回数は、大体1~2回が一般的で多くても3回が限度といわれています。
また、羽毛を何度も継ぎ足すことで、古い羽毛と新しい羽毛が混ざりにくく、ゴワゴワしたり、通気性が低下する可能性があります。
ふとんと羽毛の品質や保管方法、劣化状況によって変わるため一概には言えませんが、何度も繰り返し打ち直しをすることは避けた方がよいでしょう。
使用年数
品質や使用状況にもよりますが、羽毛ふとんの寿命は一般的に10~15年程度といわれています。
寿命を超えて使用しており、ふとん自体の傷みが気になるという場合は、打ち直しよりも買い替えた方がよい場合もあります。
羽毛のダウン率
羽毛ふとんの打ち直しに適しているのは、品質表示でダウン率が80%以上のものであれば打ち直しがおすすめです。
対して、ダウン率が80%以下のものは打ち直しをしてもその効果を実感しにくくなります。
また、ダウン率が低いものはふとん自体の価格も安いため、新品の羽毛ふとんを購入した方がコストパフォーマンスがよいケースがほとんどです。
おうち de まるはちの羽毛ふとんリフォーム・打ち直し
おうち de まるはちの羽毛ふとんリフォーム・打ち直しは、予算やお好みに合わせて、「マルハチリフレッシュ仕上げ」と「プレミアムダウンウォッシュ仕上げ」2つのプランからお選びいただけます。
マルハチリフレッシュ仕上げ
クリーニング工場でふとんのまま洗浄・乾燥を行い、専用設備で解体・除塵を行います。
その後、1枚ずつ袋取りをし、羽毛工場で新しい側生地に充填します。
30余年の実績と技術をもつ国内最大級のふとん専用クリーニング設備で洗浄と乾燥を行うため、スッキリきれいに汚れを取り除くことができます。
プレミアムダウンウォッシュ仕上げ
日本羽毛製品共同組合が認定した最上級の洗浄方法である「プレミアムダウンウォッシュ仕上げ」で洗浄を行います。
まず、ふとんから羽毛を取り出して羽毛を直接洗浄し、乾燥してから新しい側⽣地に充填する⽅法です。
他の⽅法よりもダウンボールが⼤きく広がるため、よりふっくら仕上げることができます。
また、直接羽毛を洗浄するので、⻑年の汚れもきれいに洗い流せます。
羽毛ふとんの打ち直しは、ぜひ「おうち de まるはち」をご検討ください。
まとめ
ふとんの打ち直しにかかる料金は2万円台〜10万円を超えるものまでさまざまです。
それは打ち直し方法の違い、側生地の品質、足し羽毛のグレードや量など、いくつかの要因が影響しています。
打ち直し工程が煩雑であったり、質の高い洗浄方法だったり、高価な側生地で仕立てられていたりするほど値段は高くなります。
決して安ければよいというわけではありません。
打ち直しは大切なふとんをリフォームして長く使うこと。
自分のニーズと料金が一致し、安心して任せられる業者を選びましょう。
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