ふとんを洗いたいけれど洗濯機に入らない!? 自分で洗濯する方法を解説

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執筆者情報:軽石 瑞穂 【業務内容】 おうちdeまるはちWEB関連運用 |
| 長年ふとんクリーニングや寝具のメンテナンスに携わり、お客様の快適な睡眠環境をサポートしてきました。安眠インストラクターや快眠セラピストなど睡眠に関する専門知識を活かし、ふとんクリーニングの重要性や家庭でできる快眠のヒントなど皆様の睡眠の質を向上させる為の情報をお届けします。 |
皆さん、ふとんのメンテナンスはどうされていますか?
アトピーや喘息、鼻炎などのアレルギー症状にお悩みの方は、ダニやほこり、カビなどのアレルゲンの温床となりやすいふとん自体をしっかり洗濯することで症状の緩和が見込めます。
そのためご自宅でふとんを洗いたいという方も多いかと思います。
とはいえ、うちのふとんを自宅で洗えるの?」「大きすぎて洗濯機に入らないかも・・・」と実行に移せない方もいるのではないでしょうか。
実は、いくつかポイントさえ押さえれば、ご自宅でふとんを丸洗いできます。
しかし、その手順を間違えると、ふとんの寿命を縮めたり、逆に雑菌を増やしてしまったりする可能性も。
今回は、ふとんクリーニングの専門家が、ご家庭でふとんを洗濯する際の具体的な手順や注意点を詳しく解説します。
ご自身での洗濯が難しい場合の代替案もあわせて紹介します。
この記事を読んでわかること●お持ちのふとんが自宅で洗えるかどうかが分かる、4つのチェックポイント ●洗濯機と浴槽、それぞれの場所で失敗しない具体的な洗い方の手順 ●ふっくら仕上げて雑菌の繁殖を防ぐ「乾燥」の鉄則とコツ ●自宅洗いが難しい場合の、コインランドリーと専門業者のメリット・デメリット比較 |
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ふとんを洗う前に確認すべ4きつのポイント
洗濯を始める前に、必ず確認してほしい4つのポイントがあります。 これを見落とすと、取り返しのつかない失敗につながることもあります。
ポイント1:【最重要】洗濯表示で「水洗い可」か確認
まず、ふとんについている品質表示タグを確認し、「家庭洗濯」のマーク(洗濯桶のマーク※1)があるかチェックしてください。 ここに「×」がついているものは、残念ながらご家庭では洗えません。 特に、羊毛や真綿(シルク)のふとんは水洗いで縮んだり硬くなったりするため、専門のクリーニング業者に相談しましょう。
ポイント2:中綿の偏りを防ぐ「キルティング加工」の有無ふとんの表面を見て、マス目状の縫い目があるか確認してください。 これは「キルティング加工」といい、洗濯中に中綿が動いて偏ってしまうのを防ぐ重要な加工です。 もしこの加工がないふとんをそのまま洗うと、中綿が団子状に固まってしまい、元に戻らなくなります。 加工がない場合は、ふとんを丸めてから紐で数カ所を縛り、中綿が動かないように固定してから洗いましょう。
ポイント3:洗濯機の容量は十分?【プロが見た失敗談】自宅の洗濯機の取扱説明書で「ふとん洗いコース」の有無と容量を確認しましょう。 無理に小さな洗濯機に詰め込むのは避けてください。
【よく聞く失敗談】 「シングルサイズの掛けふとんを7kgの洗濯機に無理やり詰めて洗ったら、エラーで止まってしまった」というご相談は非常に多いです。 洗浄ムラができるだけでなく、洗濯槽との摩擦でふとんの生地が破れたり、最悪の場合、洗濯機が故障したりする原因にもなります。
【一般的な洗濯容量の目安】
●7kg以上: シングルサイズの肌掛けふとん 1枚 ●10kg以上: シングルサイズの掛けふとん 1枚
敷きふとんやダブルサイズ以上の掛けふとんは、家庭用洗濯機では容量が足りないことがほとんどです。
ポイント4:なぜ3日晴れが必要?ダニを繁殖させないための天気予報チェックふとんを洗うなら、天気予報を確認し、最低でも2~3日間、晴天が続く日を狙いましょう。 その理由は、アレルギーの原因となるダニとカビにあります。 ダニは湿度60%以上の環境で活発に繁殖し、カビも湿気を好みます※2。
表面が乾いたように見えても、ふとんの中心部が湿っている「生乾き」の状態は、まさにダニやカビにとって最高の繁殖環境。 せっかく洗ったのに、以前より不衛生な状態になってしまうのです。 このような事態を避けるため、完全に乾かすための天候の確保が重要です。
【掛けふとん編】自宅で洗う手順
準備するもの:中性洗剤と寝具用洗濯ネット【洗剤】 粉末は溶け残りの原因になるため、液体の中性洗剤(おしゃれ着洗い用など)がおすすめです。 特に羽毛ふとんは、アルカリ性の一般洗剤を使うと、羽毛の油分を奪いすぎてしまい、保温性やふっくら感が損なわれる原因になります。
【洗濯ネット】 生地の傷みや破れを防ぐため、ふとんが入る大きめの寝具用洗濯ネットを必ず用意しましょう。
洗濯機で洗う手順【1:前処理】 襟元など皮脂汚れが気になる部分に、薄めた中性洗剤をスポンジで軽く叩き込んでおきます。
【2:ネットに入れる】 ふとんを縦に三つ折りにし、空気を抜きながらくるくると巻いてネットに入れます。
【3:洗濯槽へ】 (縦型の場合)先に洗濯槽に水を張り、洗剤をよく溶かしてからふとんを投入します。 洗剤の溶け残りと色落ちを防ぐためです。
【4:コース選択】 「ふとんコース」や「毛布コース」を選びます。 なければ「手洗いコース」や「大物洗いコース」で。 すすぎは2回以上、脱水は6分程度が目安です。
浴槽で洗う手順洗濯機に入らない場合は、浴槽での「踏み洗い」が有効です。
【1:予洗い】 まずシャワーで表面のホコリを軽く洗い流します。
【2:洗浄液を作る】 浴槽の半分ほどまでぬるま湯(40℃以下)を張り、規定量の中性洗剤をよく溶かします。
【3:踏み洗い】 ふとんを浴槽に浸し、足で優しく全体を踏み洗いします。 汚れが溶け出た黒い水が出てきます。
【4:すすぎ】 一度お湯を抜き、きれいな水(またはお湯)をためて、泡が出なくなるまで再度踏み洗いします。 これを2~3回繰り返します。 【5:水切り】 すすぎ終わったら、浴槽のフチにふとんを掛けて、1時間ほど放置し、ある程度の水分を抜きます。 この工程を怠ると、運ぶのが非常に困難になります。
【敷きふとん編】浴槽での踏み洗い手順
敷きふとんは厚みと重さがあるため、基本的に浴槽での踏み洗いが前提となります。 掛けふとん以上に重労働になることを覚悟しましょう。
1:紐で縛る: 中綿が偏らないよう、敷きふとんを細長く丸め、滑りにくい麻紐などで数カ所を固く縛ります。 2:踏み洗い: 掛けふとんの「浴槽編」と同様に、洗剤を溶かしたぬるま湯で、念入りに踏み洗いします。 3:すすぎ: シャワーをかけながら、ふとんの中に残った洗剤を押し出すように、何度も踏んですすぎます。 泡が完全になくなるまで徹底的に行いましょう。 4:水切り: 非常に重くなっているため、最低でも1~2時間は浴槽のフチに掛けて水気を切ってから干し場へ運びます。
※この工程は非常に重労働で、腰を痛めるリスクもあります。 少しでも不安を感じたら、無理せずプロに任せるのも賢い選択です。
ふとん洗濯で最も重要な「乾燥」の鉄則
洗い終わっても、乾燥が不十分だと、雑菌が繁殖する原因となるため注意が必要です。 中綿まで完全に乾かすことが、ふとん洗濯のゴールです。
M字干しで効率アップ!干し方の基本
物干し竿が2本ある場合は、ふとんがM字型になるように掛ける「M字干し」が効果的です。 重さが分散され、生地の間に空気の通り道ができるため、格段に乾きが速くなります。 竿が1本しかない場合は、ハンガーを複数個かけてその上にふとんを置くように干すと、同様の効果が得られます。 途中で一度裏返し、両面をしっかり天日に当てましょう。
【プロの技】生乾きを防ぐ最終チェック方法表面が乾いていても、中心部は湿っていることがよくあります。
取り込む前に、ふとんを両手で挟んで強く押し、中の空気を鼻先で嗅いでみてください。 もし少しでも湿った匂いやカビ臭さを感じたら、それは生乾きのサイン。 もう半日~1日、追加で干しましょう。
ふとん乾燥機の活用もおすすめ天日干しの後、仕上げにふとん乾燥機を使うと、さらに効果的です。
残った湿気を完全に飛ばし、ふっくらとした仕上がりになります。 梅雨の時期などは特に重宝します。
自宅での洗濯は難しい…と感じたら。他の選択肢を徹底比較
「思ったより大変そう…」「うちのふとんは洗えないタイプだった」という方もご安心ください。 他の選択肢もあります。
選択肢1:コインランドリー大容量の洗濯機と乾燥機があるため、自宅で洗えない大きなふとんも洗濯から乾燥まで一気に終えられるのが魅力です。 ただし、デメリットもあります。
不特定多数が利用するため衛生面が気になる方もいますし、重たいふとんを運搬する手間もかかります。 また、洗濯表示の判断や乾燥時間の見極めは自己責任。 乾燥が不十分な状態で持ち帰り、家でカビを発生させてしまうケースがよくあります。
選択肢2:ふとんクリーニング専門業者プロに任せる主なメリットは「安心感」と「仕上がりの質」です。
ふとんの種類や汚れの状態を見極め、最適な方法で洗浄・乾燥してくれます。 特に、専用の巨大な乾燥機で中綿まで完全に乾かすため、家庭の洗濯では難しい、中綿までふっくらとした仕上がりが期待できます。
運搬の手間がなく、自宅で待つだけで良い宅配サービスが主流です。
コスト・時間・仕上がり比較表![]()
まとめ:あなたに合ったメンテナンスで、ふとんを清潔に保とう
ご自宅でのふとん洗濯は、ポイントさえ押さえれば可能ですが、相応の手間と時間がかかり、特に乾燥には細心の注意が必要です。
●手軽さとコストを優先し、手順をしっかり守れる → 自宅洗い ●その日のうちに終わらせたい、大きなふとんを洗いたい → コインランドリー ●失敗のリスクを減らしたい、より良い状態で長く使いたい、手間をかけたくない → 専門業者
この記事を参考に、ぜひご自身に合ったメンテナンス方法を見つけてください。
もし「やっぱりプロに任せたい」と感じたら、年間10万枚の実績を持つ私たち「おうち de まるはち」にご相談ください。 専門スタッフがご自宅まで引き取りに伺い、ふとんの状態をその場で確認。 最高の状態に仕上げてお届けします。 大切なふとんを、安心してお預けください。
参照元※1:消費者庁・新しい洗濯表示 https://www.caa.go.jp/policies/policy/representation/household_goods/laundry_symbols.html ※2:独立行政法人環境再生保全機構・ダニ対策 https://www.erca.go.jp/yobou/pamphlet/form/00/archives_1017.html
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