昼寝の効果ってどのくらいあるの? 昼寝のメリットとデメリットや効果的な昼寝のコツなどをご紹介
皆さんは仕事中や午後に「何だか眠い」「頭がスッキリしない」と感じること、ありませんか? そのようなときに試していただきたいのが、「昼寝」です。 昼寝は、シエスタやパワーナップ、午睡などとも呼ばれ、仕事や勉強の集中力を上げる方法の1つとして注目されています。
このコラムでは、昼寝のメリットやデメリットに加えて、昼寝の効果を最大限に引き出すためのコツなどもあわせてご紹介していきます。 |
昼寝の必要性とは
一般的に昼寝が必要な場合の理由としては、日頃の睡眠不足のために眠気が生じているので、睡眠時間を補うためであることが多いです。 睡眠負債になっているときは、短時間の昼寝が有効です。
昼食後は、体内時計や自律神経の変化によって、多くの人が眠くなります。 これは、脳の眠気スイッチが1日2回、深夜と昼の2時頃にオンになるため、昼食後に眠くなるのは自然なことだといえます。 また、食後の血糖値の急降下も眠気につながる可能性があります。 いずれの場合も、短い時間の昼寝(パワーナップ)が効果的です。
昼寝(30分以内)のメリット短時間の昼寝には以下のようなメリットがあります。 順番にみていきましょう。
集中力や記憶力がUPし、作業効率が上がる30分以内の短時間睡眠では脳の疲れを取る効果があるため、脳が活性化された結果として、朝一のような冴えわたる集中力・記憶力も甦ります。 これにより一度低下した吸収力も再上昇し、知識もグイグイ脳内に浸透していきます。
また、眠気により作業効率が落ちるような場合でも、短時間睡眠を取り入れることで仕事のミスを減らすことができたり、作業効率の向上も期待できるでしょう。
理想としては、15〜20分程度の昼寝が推奨されています。 その理由としては、睡眠時の状態には大きく分けて浅い眠りの「レム睡眠」と深い眠りの「ノンレム睡眠」があり、一定の感覚で交互に訪れます。 入眠後すぐに深いノンレム睡眠に入り、15〜20分の短時間睡眠では、睡眠の深さの4段階あるとされるノンレム睡眠のステージ2ほどで目覚めることになります。 ステージ3を超えるとノンレム睡眠は深い眠りへと入っていきます。 脳が深く眠ってしまうとそのタイミングで起きたとしても、眠気や倦怠感が残ってしまうのですが、ステージ2までで昼寝を終わらせると、ノンレム睡眠の効果で脳は休息ができ、眠り自体もそこまで深くなっていないのでスッキリと起きることができます。 もし時間になっても眠気が残っていてもしっかりと起きて、顔を洗う、冷たい飲み物を飲むなどの工夫をしましょう。
気分がスッキリして疲労回復が期待できるパソコン作業や大量の情報を処理する場合は、脳に休息を与えてあげることが必要なので、「午後は眠気で頭が回らない」と悩んでいる方により効果が期待できます。
短時間の睡眠を取って頭をスッキリさせることで、疲労を回復・予防させ、午後からの仕事や授業に集中しやすくなるでしょう。 短時間の仮眠を取ることで血圧が安定し、脳の疲労感も消えやすくなります。
ただ、 深いステージの睡眠は夜にとっておかなければならないので、昼寝は必ず30分以内(理想としては20分程度)が鉄則です。
ストレスが軽減し、病気の予防にもつながる大学の研究によると、短時間の睡眠により眠気を解消することは、ストレスの低減効果が期待できる可能性があるといわれています。 例えば、昼食後などに眠気がある状態で無理に仕事を続けると思うように仕事が捗らずストレスを感じたり、集中力や注意力が低下し、ミスを起こしてしまうと精神的ストレスを感じることもありますが、この昼寝(パワーナップ)を取り入れるとそのストレスを緩和させることが可能になります。
また、心臓疾患や認知症、アルツハイマー病のリスク低下にもつながるといわれています。
昼寝(30分以上)のデメリット長時間の昼寝には以下のようなデメリットがあります。 タイミングや時間を間違えるとどのようなことが起きてしまうのか順番にみていきましょう。
起きてもボーっとした状態が続く30分以上の昼寝は、脳が深い眠りに陥るため、起きたときに頭が働きにくくなり、疲労感が残ったり、作業効率が下がったりすることがあります。 入眠から30分ほどかけて深い眠りに入る「ノンレム睡眠」の段階は、身体と脳の疲労回復が見込めます。 そのため、仕事や勉強中に昼寝をする場合は、30分以内に起きるようにしましょう。 長時間の昼寝から目覚めた後は、睡眠から覚醒状態に切り替えるのがうまくできず、眠気やだるさが残ることがあります。 この現象は「睡眠慣性」と呼び、30分以上の仮眠で生じやすいとされています。
夜の睡眠に影響が出る睡眠は、昼間の覚醒時間と深い眠りの時間とのバランスによって調整されています。 昼寝で深い眠りに陥ると、昼間の覚醒時間が短くなり、夜に質の良い睡眠がとれにくくなります。 つまり、30分以上の昼寝をすると、夜の睡眠リズムが乱れ、なかなか寝付けないなどの不眠の問題につながる可能性があります。 また、人間の体内時計は、一定間隔で「眠りホルモン」を分泌しています。 長時間昼寝をすると、体内時計が1日分の睡眠をとったと勘違いし、眠りホルモンの分泌が抑制されます。 その結果、夜に眠れなくなることがあります。
生活習慣病のリスクが高まる海外の研究によると長時間の昼寝が習慣化している人は高血圧や糖尿病、心疾患や肥満などを引き起こす可能性が高いとされています。 また、何らかの睡眠障害の影響で、長時間昼寝をしてしまう場合や昼寝が長いために夜の睡眠に影響が出ている場合もあるため注意が必要です。
昼寝(パワーナップ)の効果を最大に引き出すための6つのコツ昼寝の効果は大きいですが、継続して行える環境が重要となります。 ご自身の環境に応じて、無理のない範囲で昼寝を取り入れてみてください。
①昼寝の前にカフェインを摂取する昼寝の約15〜20分前にカフェイン飲料を飲むと、昼寝中にカフェインの効果が現れて、スッキリした寝起きになります。 コーヒーはアイスより、カフェインの吸収が早いホットがおススメです。 ただし、カフェインは体内に残りやすく、日中のカフェインの取り過ぎに注意が必要です。
②アラームで起床時間をセットする○○分後に起きるよう自分に言い聞かせアラームをセットすることで、自己覚醒法で目覚められ、スッキリした寝起きになります。 また、少しでも質のいい睡眠をとるために、アラームは穏やかな音が良いとされています。
③完全に横にならない姿勢にする横になり寝てしまうとついつい寝すぎてしまうことがあります。 そういったことが想定される方は椅子に少しもたれ寝る、直立不動の姿勢がおススメです。 また、身体の締め付けを可能な限り減らすことはより迅速に眠りに入るためにも、意外と大切な要素です。 特に椅子で昼寝をする場合は、可能な範囲でリラックス出来るスタイルを模索していくことがベストです。
④暗くて静かな環境を意識する明るい部屋ではアイマスクを、騒がしい部屋では耳栓やイヤフォンをすると寝やすくなります。 ヘッドフォンやイヤフォンで音を聞いて眠りに入る場合は、木々のそよぐ音や鳥の声などの自然音やクラシックのように歌詞がなく落ち着いた音楽がおススメです。
机に伏せて寝ると、顔に跡が残ることがあるので、気になる方は昼寝用の枕やネックピローなどを使うとよいでしょう。
⑤適正な時間(タイミング)を知る昼寝の時間は「15〜30分の間でとること」によりその効果を上げることができます。 昼寝をとる時間(タイミング)は、「昼食後〜午後3時まで」の時間帯に行うことが理想的です。 昼食を食べた時間帯によっては午後3時以降に眠気が生じることもありますが、3時を過ぎてからの昼寝は避けた方が良いでしょう。 夕方近くなって夜、就寝するための準備を始める時間帯です。 この時間帯に昼寝してしまうと、体内リズムが乱れる原因にもなり、夜なかなか寝付けなくなって昼夜逆転の生活を招いてしまう可能性もあるので、注意が必要です。
⑥起きたら光を浴びたり、ストレッチをしたりする昼寝をした後にスッキリ起きるためには、起床後に明るい光を浴びたり、明るい空間へ移動することが大切です。 2000ルクス以上の光は覚醒効果が高いとされているため、意識的に明るい場所へ行くといった工夫をすることをおススメします。
また、起きたら身体を動かしたり、軽めのストレッチを行うのも良いでしょう。 深呼吸をして切り替えるのも気分がスッキリするのでぜひ実践してみてください。
まとめ
昼食後に15〜30分ほど昼寝をすると、眠気が覚めて集中力や作業効率がアップし、疲労やストレスも軽減されます。 ただし、30分以上の長時間の昼寝は目覚めても眠気が残ったり、逆効果になったりする可能性があるので十分に注意してください。
「仕事や授業の合間に昼寝するなんて、だらしない、後ろめたい」という考えは捨てて、集中して仕事に取り組むために、そして健康を向上させるためにも積極的に昼寝を習慣化していきましょう。
難しく考えすぎずに「昼食後にホットコーヒーを飲み、椅子に座って短時間、目を瞑ってリラックスし、最後に軽くストレッチをする」だけです。 |
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