秋の夜長は睡眠スキルを上げるチャンス?! 季節の変わり目に意識したい工夫や対策をご紹介
朝晩は少し肌寒く感じるようになってきたこの頃、夏に比べて過ごしやすくなってきましたね。 実は季節の変わり目は、心身にストレスやダメージを与えやすくなります。 ちょうど9月3日は「秋の睡眠の日」でした。 夏の疲れを癒して、冬を乗り越えるためにもこの時期に眠りを考えてご自身を労わることが大切です。
睡眠は季節の変化に影響を受けやすいので、ちょっとした意識や工夫が安眠のコツになります。 よく眠ることはよく生きることに直結しています。
このコラムでは秋の夜長を楽しみつつ、しっかり眠れるヒントになるポイントや対策をご紹介します。 |
秋の夜長と睡眠の関係
一般的に9月から10月、秋の入り口の時期を「秋の夜長」と呼びます。 「秋の夜長」とは、夏の暑さが過ぎ去り、夜が過ごしやすい季節になったことを喜ぶ気持ちを込めた言葉といわれています。
さらに秋はだんだんと日が短くなり日没が早くなるので、暗くなるにつれて睡眠を促す「メラトニン」というホルモンが出やすくなります。
秋が深まるにつれて徐々に気温も落ち着いて、涼しく過ごしやすい気候になってきます。 気候が安定してくることによって、気温に悩まされることなく朝までぐっすりと眠ることができます。
また、春は進学や就職で新学期や新生活のスタートを切る機会の多いため、それに伴う生活環境の変化でストレスやすい季節です。 夏は暑さで寝苦しい、冬は寒さで身体が冷えてしまったり、寒さで中々起きられなかったりと睡眠の質に影響を及ぼすことが多いとされています。 その点秋は、こうした環境の変化の少なく心身共にに大きな負担をかけることが減るので、比較的穏やかな気持ちで毎日を過ごしていけることも、睡眠習慣を改善する大きなチャンスだといわれる理由の1つです。
秋は寝やすい?それとも寝るのに工夫が必要?
秋は一般的に花粉などアレルギーの原因も減り、気候も穏やかなので、よく眠れるいい季節といえますが、逆に暑い夏を乗り切った疲れが出てきたりする時期でもあるので、体調を崩しやすいため注意が必要です。 また、日中と夜の気温差が大きくなるため、体温調節のバランスを崩しやすく、徐々に疲労が蓄積されていきます。 その結果、自律神経のバランスも崩れてしまい、「寒暖差疲労」が生じる時期と考えられています。 自律神経のバランスが崩れ始めると疲労を感じるだけでなく、通常寝るときは体温が下がって眠りやすくなるのですが、夜になっても体温が下がらず、眠れなくなるという悪影響が生じてしまい、結果として睡眠不足に陥る可能性が高まります。 夏から秋へと季節が変わるときの気温や気圧の変化に身体が追い付かず、心身共にダメージやストレスを受けやすいと捉えて、眠るための工夫をしていくことが重要です。
季節の変わり目には早めの睡眠対策がポイント
季節の変わり目には少し早めに次の季節に合わせた対策が必要です。 特にふとんやパジャマなどは変わる季節(夏と秋)用に2つ用意し、すぐに切り替えられる移行期間を設けることをおススメします。
寝具で快適な眠りをコントロールする寝具環境の衣替えは少し余裕を持って早めに取り掛かりましょう。 まだ暑さが残っていたりするので、ガーゼやパイルのコットンのタオルケットや薄い毛布・ブランケットなど、薄手ものを2〜3枚置いておくと日によって調整ができます。 少し邪魔に感じますが、2週間くらいはこのように調整ができるようにしておくと「今日は秋パターンにしよう」「今日は1枚減らしても大丈夫そうだ」と簡単に最適な寝具で眠ることができます。 もう少し寒くなってきたら、羽毛肌掛けふとんをたたんで足元に用意しておき、急に寒くなっても風邪をひかないように注意するのも有効です。 ただ、寒いと思っても、パジャマを重ね着したり、普段着を着て寝るなど、着るもので調整をするのはNGです。 睡眠中に動きづらくなるので、寝返りが妨げられたり、ストレスを感じることも・・・ あくまでも寝具と室温でコントロールするようにしてください。
また、秋の夜長の睡眠スキルを上げるためにおススメしたいのがシルク(絹)素材。 ふとんカバー・シーツ・枕カバーなどをシルクに変えると光沢のあるなめらかな肌触りで、睡眠中の体温調節・血行の不良防止にとても大切な寝返りをスムーズにサポートしてくれます。 自然な寝返りを楽な力で打てることは睡眠の質を上げるにはとても重要です。
コットンの約1.5倍もの吸湿性・放湿性・速乾性を誇るといわれているシルクは、睡眠中にかくコップ1杯分の寝汗を十分に吸収・発散してくれます。 秋はもちろんですが、冬はあたたかく、夏は涼しく過ごせるシルク素材は1年中快適な睡眠をサポートしてくれます。 秋になり新しいシーツやカバーをシルクにしてみると普段と違った触感で優雅な気持ちになり、心も潤うかもしれません。 少しお値段ははりますが、睡眠スキルアップに投資してみるのはいかがでしょうか。
パジャマで調整する気温も低くなってくるので、パジャマを見直すことも大切です。 部屋着でそのまま寝ている人が多いとされてますが、寝るときは専用のパジャマをぜひ着てみてください。 上下が分かれているものの方が動きやすく、寝返りも打ちやすいので基本的には上下セパレートタイプを選ぶようにしましょう。 ワンピースタイプは寝返りの打ちにくさに加え、裾がめくれてしまったりして眠りの妨げになるので避けた方が良いと思います。
夏は寝苦しさもあって短いタイプのズボンをはいていた方も多いかと思いますが、秋からは下半身が冷えて血流が悪くなる短パンやショートパンツはNG。 長ズボンで通気が良く、サラッとした生地をチョイスしてみましょう。 冬は長袖+長ズボンで、襟元やズボンの裾が冷気が入りにくいデザインなら、寒さを防ぐことができます。 寒いからといって着込みすぎや厚みが極端にあるものは避けて、ふとんを掛けてちょうど良いくらいのパジャマのボリュームにしましょう。
身体を冷やさない工夫をする夏から秋に変わる時期、日中はまだ少し暑いけれど、朝晩は涼しくなってきます。 寒暖差疲労や自律神経の乱れを予防するためにも、身体を冷やさないように注意が必要です。 寝具やパジャマを適切なものに変えることに加えて、身体を温めるためにこのような工夫も効果的です。
・温まる食べ物や飲み物を摂る(白湯、ハーブティーなどを眠る前に飲む) ・38~40℃程度のぬるめのお湯に全身浸かる ・腹式呼吸で深い呼吸をする
身体の中で筋肉量が多い部分は、おなか、二の腕、太ももなどです。 筋肉量が多い部分は血液の流れも多いので、その部分を温めると効率的に身体をあたためることができて冷えからくる体調不良の改善が期待できます。 湯たんぽや腹巻などを活用するのもおススメです。
秋から始めるおススメの3つの生活習慣
季節の変化にあわせて、秋から新たに生活習慣をプラスしたり、見直してみましょう。 ここでは特におススメの3つの習慣について解説していきます。
シャワーだけでなく湯船に浸かろう夏は睡眠時間が1年で最も短く、活動的に過ごすシーズンだったことと気温の関係で多くの人がシャワーだけで済ませたり、湯船に浸かったりしても短時間という方が多いのではないでしょうか。 だんだん肌寒くなってくる秋からは、積極的に湯船にお湯をはり、ゆっくりと浸かることを習慣にしましょう。 日中の「活動モード」から眠りへの「休息モード」への切り替えとして効果的なのがこの入浴習慣です。 リラックス効果が最大限に高まるのは肩までしっかり浸かる全身浴とされています。 全身浴で水圧や浮力の作用が大きくなり、精神的にも肉体的にも回復が期待できます。 注意すべきは湯温は38〜40℃の熱くなりすぎない温度に設定することです。 この適温の全身浴によって副交感神経が優位になり、リラックスした状態で眠りへと移行できます。 また、一時的に深部体温を上げることでその後下がる際に眠気が誘発されやすくなります。 寝る1〜2時間前に20〜30分程度ゆっくりと浸かりましょう。
読みたい本を手に取ってみよう秋は「読書の秋」ともいわれ、その習慣も広く親しまれています。 また読書にはリラックス効果があるといわれており、実際に海外(特にイギリス)ではうつ病の治療法として読書療法を取り入れているほどの効果があるそうです。 ただ、内容をしっかり選別することが大切で、興奮するようなスリリングな内容や、脳がフル回転するような難しい内容の本は避け、あまり集中力を必要としない、心穏やかに楽しめるものを選ぶようにしてください。
そして、スマホやタブレットで電子書籍を読むのは、寝る1時間前までにしましょう。 ブルーライトによる強力な光で睡眠を妨げてしまいます。 といっても寝る前にスマホを触るのが習慣になってしまっている方がほとんどかと思います。 どうしてもやめられない!という場合は、スマホの機能を使って対策を行うことをおススメします。 指定した時間に画面が暗くなったり、白黒になったりする「ナイトモード」や指定した時間帯に強制的にロックがかかる「スクリーンタイム」の設定を試してみてください。
せっかくなので紙の本を手に取り、ゆったりとした気持ちで気になる本を読んでみてはいかがでしょうか。
朝の散歩や簡単な運動を取り入れてみよう朝の散歩も効果的です。 いつもより30分〜1時間程早起きして朝の光を身体いっぱいに浴びると、脳内のセロトニンを増やし、気分は爽快、朝食も美味しく、元気に1日を始めることができます。 快適な気候になる秋にぜひ早朝の散歩を試してみてください。
さらに適度に身体を動かし、筋肉をゆるめることは睡眠に効果的ですが、激しい運動はかえって悪影響を与えてしまいます。 夜間の激しい運動には、体内リズムを1時間〜2時間後退させるという働きがあるといわれています。 就寝前に運動によってリフレッシュをするなら、軽いストレッチ程度がおススメです。
・手首・足首のストレッチ・・・手や足がポカポカしてくるまでゆっくり回します。 温まって手足から熱が放出される事で、身体の深部体温が下がり、眠気が起こりやすくなります。
・腕のストレッチ・・・大きくゆっくり腕をまわすだけで、肩甲骨周辺の緊張が和らぎ、 筋肉が柔らかくなります。
・ 首のストレッチ・・・たっぷりと深呼吸しながら首を大きくゆっくり回します。 右に3回まわしたら、左に3回と続けます。ポイントは深呼吸にあわせてゆっくりと回すことです。
自分の身体で緊張している部分をストレッチしてリラックスすることで快眠へつながります。
また、日常的な行動に少し負荷を掛けるだけでも手軽な運動になるので意識してみることも重要です。 例えば、「エレベーターではなく、階段を使うようにする」「電車に乗っても座らない」「姿勢を正しながら洗い物をする」など季節の変わり目に新しい運動習慣を取り入れてみましょう。
まとめ
私たちは毎日眠って休息を取って、明日への活力を養っています。 ですが、長い時間毎日関わっている睡眠について考えたり、向き合ってみることはほとんどしていないのが現実です。
食欲の秋・読書の秋・芸術の秋・スポーツの秋・・・ いろんな秋を充実させて楽しむために、この機会に「睡眠スキルを上げる秋」を意識して取り組んでみてはいかがでしょうか。 |
寝具のメンテナンス情報やぐっすり眠れるコツが満載
新着記事